来週のハロウィーン劇場へ向けて、緊張が高まりつつあります。
講座開始前にシナリオが配られて、みなさん役を振られて・・・
ドキドキ、ワクワク
なんといっても、受講生からこういう企画が出て、みなさんが喜んで参加する、
それがなんとも驚き、すごいことですね。
最初30分はみんな静かに読んだり、聞いたり、のはずがあちこちで、
いろいろな話が始まっていました。あれはなんの話をしていたのだろう?
でもね、いいんです、みなさんもう自分が何をやりたいか、そのためには
何をするか分かっていて、家でも十分すぎるくらい読んだり、聞いたり、
その上とても物のよく分かった大人で、講座に来ている目的を外れる心配は
ありません。劇をやろうが、話をしようが、はたまた本を読んでいようが(!)
何も心配はありません。実に不思議です。なんでこんな人たちが集まったんだろう?
次の30分は18日金曜日と同じです。英語で世間話のために、全員で頭を寄せ合って、
質問集を作りました。いよいよわたしは次回へ向けて、整理と表作りです。
それをもとにみんなでいろいろ感想を言い合えば、それだけでずいぶん英語に
馴染んでいくことでしょう。楽しみです。
後半1時間はいつものように読み聞かせと book トーク でした。
その間にわたしは20分くらい、読み聞かせのリズムについて話しました。
一言で言うと、「英語は書かれている文字をすべて声にする言葉ではない」
その例は数知れずありますが、たとえば・・・
in on at of は全部同じ音になる傾向がある。
つまり綴りの中で小さい声になる部分の母音は全部 ぼやけた音 (曖昧母音)
になったり、子音 ともども完全に消えたりする。
10 o’clock の o’ は of が弱くなって、f が消えてしまったことが綴りにも
反映した例。
という話をしました。
その話になったきっかけはM さんが Longman Literacy Land Story Street の
Ravi Is a Doctor を読み聞かせしたことでした。数週間前からみなさんには
bite size 一口大の英文で書かれた短い絵本から始めましょうと、言っていますが、
M さんはそれをしっかり受け止めてこの絵本を選んだのでしょう。
これがうまかった! 例のように回りを取り囲んだみなさんはMさんの読み聞かせを
堪能していました。本当に単純な話なのですけどね。事務局の一人などは、
事務の手を休めて聞き入って、最後に幼い妹がお母さんではなく、
お兄ちゃんの Ravi に診てもらうと泣くところでいたく感激していました。
で、この絵本の Ravi is a doctor. という最初の文(タイトルと同じ文)を M さんは
Ra...doc...ととてもよいリズムで読んでいました。わたしはそれを聞いた瞬間
鳥肌が立ちました。CDを聞いて練習してきたそうですが、普通の、学校英語的に読む
ravi is a doctor という平坦なものではなかった!
もう一つすごいのはM さん自身が前の読み上げ方とは違うと意識していた
ことです。これは本当にすごいです。しかもわたしが前といまの読み方を両方
やってみてくださいと言うと、即座に二つの読み方をやってくれました。
もう一人、Y さんのbook talk については何度も紹介してきましたが、
Y さんとM さんは二人とも、音についてはリズム先行なところが、これまで見てきた
例にはなかなかなかったと思います。二人とも、一つ一つの音よりもリズムが先に
よくなっている! これは英語をある程度やった人はリズムが先行しないので、
劇薬シャドーイングをやる必要があるというのと、対照的な気がします。
Mさんは「奥の細道ウォーク」というものを10年にわたってご夫婦でなさっていて、
毎年250キロ、10年間で2500キロを歩いて、先週の台風26号の直前に
完走ならぬ完歩したそうです。その報告をB5ノート3ページに英語で書いてきて、
small talk (世間話)としてしてくれました。
そこへ、Yさんが日本語の会話の時と同じように質問を繰り出して、
Book talk から small talk への移行はわたしが予定したよりも早く、
受講生のみなさんが動き出してしまいました。このまま行くと、
世間話のための質問表はいらなくなってしまう?
講座が終わってからYさんから質問。
「町の名前をひとつ」のブログで 「belong to は 所属する だろうか?」
という記事を書いたのですが、Yさんはその記事を読む前後に
belong だけの例、belong in の例、belong on (!)の例を見たそうです。
アンテナが立つとこういうことがあるのですね。
それにしても、たくさん読んで、聞いていると、そういうアンテナにひっかかることが
多くなりますね。犬も歩けば棒に当たる、というか、ね?
Mさんはアメリカにいるお孫さんのために日常のメモを英語で書いていて、
これも英語の獲得に大きく貢献すると思われます。
これは講座外のことですが、少し前に講座を見学に来た高校の英語の先生が
水曜日の受講生のUさんに「教室に来て生徒に多読の話をしてください」と
依頼しました。Uさんは中学校の英語の先生だった人ですが、大変緊張して、
何度もわたしに相談しに来て、わたしはそのたびに、「大丈夫ですよ、Uさん、
きっと気持ちが伝わって、生徒は喜びますよ」と言いました。
(そもそも、何十年も英語の授業をした人が、短い間多読の感想を
語るというだけで、そんなに緊張するというだけで、すばらしいとわたしは
思います。とても心の柔らかい人なのですね、Uさんは。)
Uさんの多読の話はうまくいったそうです。わかっていましたが、よかった、
よかった! 多読仲間はだれでもUさんのように、多読への招待を語る
ことができると考えています。これからもこういう機会が多読仲間みんなに
あるといいと願っています。
さて、長くなったので、ここで終わりにしますが、今後しばらくの方針として、
シャドーイングに少し力を入れて、希望する人は映画やテレビ・ドラマを字幕なしで
楽しめることを目指そうと、みなさんに伝えたことをメモしておきます。
まずは来週のハロウィーン劇場ですね! 楽しみ!!