11月27日(日)午前9時、第12回「オンライン・読みもの作成入門講座」を開催しました。
カナダ、中国、国内の名古屋や川崎などから7人の参加、多言語多読からは粟野、松田、川本が参加しました。
簡単な自己紹介のあと、粟野が多読用のよみものとはどんなものなのか、その題材選びや著作権、レベル分けなどについて概略を説明し、既存の読み物を紹介しました。また、最近増えてきた学生の作品作りについて、学習者が多読でたまってきた日本語を生かして自主的に創作するのは喜ばしいことだが、最初に作成ありきは「多読」のアクティビティと言えるだろうか、学生の作品は必ずしも多読素材にむいていない場合もある、などの話がありました。
次に松田が、読みもの作りのポイントを、具体例をあげて解説しました。
実践作業に入る前にNPOの無料読みものから、レベル0「カラスと水さし」を紹介しました。絵をみれば話がわかる、先が読みたくなる、落としどころがある、という感覚がつかめたと思います。
【実践その1・初級読み物】
3グループに分かれて、いよいよ実践です。
イソップの「カラスとキツネ」「アリとキリギリス」のどちらかを選んでいただきましたが、3グループとも「カラスとキツネ」になりました。
グーグルスライドを画面共有して文を書き込んでいく、という方式で始めました。あらかじめカラス・キツネ・肉などのイラストをグーグルスライド上にあげておいたので、イラスト探しの手間は省けたと思います。使えない言葉をどんな表現にするかを考えるのがとてもおもしろくて好きという強者もいらして、心強く思いました。
吹き出しだけでマンガのような作りのグループ、最初と最後の言葉を「やった」でそろえたグループ、キツネにフォーカスを合わせたグループ、三者三様でした。
画面共有しながら、講評をして、休憩。
【実践その2・中級読み物】
お二人がご都合で抜けられ、5人になったので、2グループに分かれて作業です。
「注文の多い料理店」(宮澤賢治)「蜘蛛の糸」(芥川龍之介)から、またまたどちらのグループも「注文の多い料理店」を選びました。
ひとつのグループは、レベル2に挑戦しました。かなりシンプルでわかりやすくなっていましたが、苦労したようです。もし、最後までこの調子でいければ、絵を多用すればレベル2でもできるのではないという感想がありました。
もう一つのグループは、レベル3でした。賢治独特のオノマトペや言い回しをどうするかというあたりを話し合うのに時間がかかったようです。レベル3にするなら、もっとオノマトペを使ったも良かったのではという感想がありました。
みなさん、何人かで作業するのが楽しかったとおっしゃっていました。
以下はアンケートからの抜粋です。
- 使える文字に制限があるからこそ、とても面白い作業だと思いました。また同じ題材を違うグループが作ったものをみることができて、勉強にもなりました。
- 「ます、ました」だけでも、伝わるように話の流れを作るのが面白かったです。
- 他の方と一緒に話し合いながら作っていくのが刺激的で楽しかったです。
- とても勉強になりました。特に表現の使い分けや読み手の立場に立って考えなければいけない点など、参考になりました!
今回は、こちらの手違いで事前資料が届いていなかったり、作成を始めるまでにもたもたするなど、こちらの反省点も多々ありました。
次回は、1月29日です。プログラムややり方を改善してお待ちしておりますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
(川本 記)