11月4日、5日「日本語学習・支援者のための集い」参加報告

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神奈川県県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)で開催されたイベント「日本語学習・支援者のための集い」にNPO多言語多読として参加しました。「あーすぷらざ」(神奈川県立地球市民かながわプラザ)は、世界の文化や暮らしについての国際理解や国際平和、地球規模の課題について考え、行動していくための総合的な施設です。

まず初日のプログラムです。

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11月4日(土) 開催イベント 会場:1F大会議室

講演会 13:30~14:30

「多様な言語文化背景をもつ子どもたちのための地域の学習支援―社会を形成する次世代を育てる-」

講師:齋藤ひろみ氏(東京学芸大学 日本語教育分野教授)

パネルディスカッション 14:30~16:30

「外国につながる子どもたちの現状と地域連携の可能性」

ファシリテーター:坂内泰子氏(神奈川県立国際言語文化アカデミア教授)
コメンテーター:齋藤ひろみ氏(東京学芸大学日本語教育分野教授)
パネリスト:藤本哲夫氏(横浜市立南吉田小学校校長)
パネリスト: 横江美智子氏(NPO法人ABCジャパン日本語講師)

交流会 16:30~17:30

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私たちは、講演やパネルディスカッションを聞きつつ、別会場で「多読」を紹介するブースを出しました。

多読は知らなかったが興味を持ってくださった方、本は見たことあるし使ったこともあるけれど、どうもよくわからないという方、すでに使っているという方、様々な方が立ち寄ってくださいました。

20171104-5

2日目は、ブースで多読の本を紹介しつつ、「多読用読みものの使い方」というミニ講座で多読についてお話ししました。

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11月5日(日) 開催イベント 会場:1Fワークショップルーム

A(12:00~13:00)「中高生が自律した学習をするために~母語教材とIT活用~」
講師:NPO法人日本語・教科学習支援ネット 樋口万喜子氏

B(13:00~14:00) 「多読用読みものの使い方」
講師:NPO法人多言語多読 粟野眞紀子氏

C(14:00~15:00) 「ことばのテーブル教材集の目的と学習方法」
講師:言語・学習指導室葛西ことばのテーブル 三好純太氏

D(15:00~16:00) 「子どもたちが漢字大好きになる秘訣~『かんじだいすき』シリーズも使って」
講師:公益社団法人国際日本語普及協会理事長 関口明子氏

であいのカフェ~日本語学習者支援団体の紹介~

12:00~ さかえ日本語の会(栄区、一般・児童対象)
12:30~ 多文化共生スポット ワールドキッズ(磯子区、児童対象)
13:00~ 地球市民文化交流会(栄区、一般対象)
13:30~ 認定NPO法人地球学校(神奈川区ほか、一般・児童対象)
14:00~ NPO法人留学生と語り合う会(RKK)(県内全域、留学生対象)
15:30~ ユッカの会(栄区、戸塚区、神奈川区、一般・児童対象)

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13時からの「多読用よみものの使い方」ミニ講座(講師・粟野)には、15名ほどの方が参加してくださいました。

11.5(7)

多読について初めて聞く方は3名、知っているが実践はまだの方が5名、実践している方が5名ぐらいでした。中には2年ほどまでにNPO多言語多読主催の「多読授業とリライト」入門講座に参加された先生も。海外からご帰国の機会を利用して聞きにきてくださいました。インドで多読授業をおやりになり、今度はあらたな赴任先でもやってみようと思っているとのことでした。

「絵から入る。内容が全部わからなくても、なんとなく全体がつかめればいい。次につながっていく」という話には、みなさん熱心に聞いて頷いてくださいました。また、日本語を学び始めてまもない学習者が、多読で読んで好きになった本について一生懸命先生に語る動画にはみなさんの顔がほころぶ様子が伺えました。

「まったく日本語がゼロの方にはどうやって導入をしたらいいのでしょうか」という質問をされた先生には、ぜひ、しんじゅく多文化共生プラザでやっている土曜日の「本を読む会」を見学してくださいとご案内しました。なかなかマニュアル化してお伝え出来ないのが多読です。ぜひ実際に見てくださいと。

ブースでは、この日も、「多読の本、使っています!」「評判いいですよ」「中学生や高校生が喜んで読んでいます」「ファンです」という言葉をかけていただき、スタッフ一同感激しました。

プログラムからもわかるように、主に年少教育の日本語学習支援の活動をしている人たちのための、有意義な情報交換の場となった2日間でした。
基調講演をされた齋藤先生をはじめ、さまざまな団体で学習支援をしている方たちが、単なる日本語学習のサポートではなく、学習者を地域で生きる一人の人間として捉え、サポートしている様子が伝わってきて、とても温かい気持ちになりました。これからも私たちの「多読」が、そういう支援者、そして学習者に役立ってほしいと切に願っています。

(川本、田中、粟野)