10月15日 ニューヨーク大学で多読研修会!

LINEで送る
Pocket

いま、アメリカで日本語多読が熱い!のをご存知ですか。
夏の多読支援セミナーで大好評の発表をしてくださった米国ノートルダム大学日本語講師の纐纈(はなぶさ)憲子さんが、ニューヨーク大学で支援者向け多読研修会講師をされた報告を寄せてくださいました。
アメリカの多読熱をぜひ、感じてください!

nyutadokuws1325

米国では、ここ数年で多読の知名度が上がり、多読関連の学会発表をよく見かけるようになりました。南カリフォルニア大学をはじめとして、西海岸の大学ではワークショップも行われています。そんな中、今回はじめて東海岸で多読研修会を開催することができたのは、意義あることでした。参加者は全部で23名、うち20名が大学の先生、他は高校や国際交流基金の先生などでした。ニューヨーク市内だけでなく、コネチカットやニュージャージー、ペンシルベニアから来た方もいて、改めて多読に対する関心の高さを感じました。私は絵本10数冊をスーツケースに詰め込み、インディアナからニューヨークに飛びました。

NYUの会場は、ユニオンスクエア近くのにぎやかな道に面した、ガラス張りの明るく開放的な所でした。そこに6つほど島を作り、なるべく初対面同士座るようにアレンジしましたが、開始前からみなさん話が弾んでいたようです。まず初めに「readingの授業をどのようにやっている?」「最近授業で困っていることは?」といった質問について話し合ってもらいました。そのあとで、多読が生まれた背景や英語教育における多読、多読のルールについて紹介しました。そして、ノートルダムの多読授業の概観を話したところで、ランチタイム。アメリカ進出中の大戸屋さんが、ボリュームたっぷりのお弁当をデリバリーしてくださいました。さすがニューヨーク!

お腹がいっぱいになったところで、絵を読む楽しさを知ってもらおうと、各グループに持参した本を配布。すべてレベル0の文字なし絵本でしたが、みなさんに絵本のすばらしさを体感してもらえたでしょうか。その後、学習者が作成した様々なプロジェクト作品を見せ、教師の役割についてまとめました。大学の先生が多かったため、参加者からは「図書館にマンガを置いてもらえるか」「コンテント専門教員との連携」といった話題が出されました。

最後時間が足りなくなってしまい、評価についてなどの話し合いがあまりできなかったのが反省点です。それでも「字なし絵本は目からウロコだった」「個人読書を授業内で行う勇気をもらった」などの感想をいただき、うれしく思いました。今後、東海岸でますます日本語多読が広まることに期待しています。改めて、研修会を企画してくださったニューヨーク大学の野仲先生をはじめ関係者のみなさま、多読本販売に来てくださった紀伊國屋書店さん、ドアプライズをくださったJPT America, Inc.さん、大戸屋さん、参加者の方々、本当にどうもありがとうございました。

準会員、米国ノートルダム大学日本語講師・纐纈(はなぶさ)憲子