多読三原則以前・・・

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

12月30日に机回りの片付けをしていたら、めずらしいものが
見つかりました。

多読三原則の祖先ともいうべきもの・・・

いまの多読三原則が最初に発表されたのは2002年の6月に出版された
「快読100万語 ペーパーバックへの道」の中でした。
以来まったく変わっていませんが(字句はいまだにふらふらしていますが)、
それ以前にはその場その場でいろいろな言い方をしていたようです。

今回見つかったのはおそらく2000年ごろに電気通信大学の多読授業で
学生に配ったものだと思われます・・・

酒井・多読授業 読書ルール

1.辞書を引いてはいけない。

2.文法を考えてはいけない。

3.分からないところはまず隣の人に聞く。

4.それでも分からない場合は手をあげて酒井に聞く。

5.分かったことはすぐに本に書き入れる。
(あとで読む人のため。)

6.途中で、「難しすぎる」と思ったらすぐにやめて、次の本にうつる。

7.読み終わったら、まず本の表紙の裏に1行感想を書く。

8.次にレポート用紙に

*書名
*ページ数(絵や写真のページも入れていい。)
*一番難しかった文を一つだけ本文から写す。
*1行感想(表紙裏と同じでもいい。)
*なんでもいいから質問、感想、意見、近況報告などを書く。

自分で言うのもなんですが、非常におもしろいですね。
多読三原則と似ているところもあるけれど、
いちばん大事な「分からないところは飛ばす」が入っていません。
その代わりと言うと変ですが、「仲間」で進めていく方向は
1行感想を初めとして(ブックトークの原始的な形!?)、
かなりはっきり出ていますね。

そもそも、12月30日に片付けをしていたのは15年間に溜まった
多読関係の資料整理のためでした。
資料は細長い机の上に右から左に1メートル半ほど並んでいて、
右に行くほど古い資料で、上の配り物はいちばん右のはし近くにありました。

15年前からわたしはいずれ多読は博士論文が何本も書かれるような
大きな話題になると言って、周りの人たちに笑われていました。
(いま多読で博士論文を書いている人が一人います。)

「多読初期における多読三原則の成立」なんていうのは博士論文の
題目として、いかにもありそうではないだろうか?
その後まもなく今の形に近くなりますが、それは次の記事にしましょう。

故きを温ねて新しきを知る--
わたしはSSSの掲示板もとても大事な資料になるはずだと考えて、
つい最近までの投稿をダウンロードしてあります。その量数ギガベイト!
もしみなさんの中に多読で論文を書く人がいればコピーを差し上げます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る