「多読病症例集」 -- 神奈川県の二人の先生による・・・

Pocket

英語の先生はどうも頭の固い人が多いような気がします・・・

こんなことはわたし自身が英語の先生だから言えることで、もちろん自戒を込めて
言っているわけですが、こんなおもしろい先生方もいるので、世の中おもしろい!
じっくり味わってください・・・

    (今回はとくにわたしの感想が邪魔かもしれないので、途中には挟みません!)

***********************************

この先生方はつい1年半ほど前に多読に取り憑かれました。
きっかけは神奈川県の英語の先生方を前にかなり辛口の、北風政策的な
多読講演会をしたことだったと思われます。
何しろいきなり「今日来てくださっている中から一人か二人しか多読に取り組む
人はいないでしょう」という宣言から始まったのでした。
けんかを売っているようなものでしたね。

覚悟の上の失礼な物言いとはいえ、今から考えると、あの会に集まった
みなさんは通常の5%をはるかに越えるよい反応でした。
つい先日町田でオフ会をやって3人のかたが来てくださいましたが、
どの方も多読に熱心な方たちで、その中の一人の先生がわたしに見せてくださった
のが1年半前に多読に取り憑かれたお二人の書いたものの印刷版でした。

わたしはさっそくこれを I さんから添付ファイルで送ってもらいました。
H さんとの共同蓄積です。みなさん、どれかに共感して吹き出す、あるいは全部に
思い当たって愕然とするか・・・

                           多読病症例集

□多読病1…次の本を用意していないことに気がつき、明日が待てずに、夕食後にバスで書店に出かけていく。

□多読病2…東海道本線ではなく、わざわざ各停の京浜東北線を使って目的の駅に行く。

□多読病3…ふと顔を上げると目的の駅に着いていて、閉まりかけたドアを体を横にしてすり抜ける。

□多読病4…ベンチで読みながら特急を待っていて、電車が入ってきたので立ち上がると、それは出ていく特急であることに気がついても全く残念ではない。

□多読病5…今週は毎日学校帰りに横浜の同じ喫茶店の同じ場所に席をとり、アイスカフェモカを飲みながら(コーヒーチケットを買ってあるので安価で飲めます)読んでいます。

□多読病6(末期)…火曜日は続きが読みたくなって年休をとって読んでました。

□多読病7…日本語の本をほとんど読まなくなる。買ったり借りたりしても、ほとんど手つかずになる。

□多読病7‐Ⅱ型…日本語の本を読めないでいるのに、懲りずにまた買ってしまう。

□多読病8…「人生にこんな楽しいことがあったんだ。生きていてよかった」などと夢見心地になる。

□多読病9…いつもの喫茶店は、老人たちのグループ8人が大声でしゃべり、読書環境にあらず。すぐ退散する。

□多読病10…隣りに座った会社員2人のいつ止むとも知れぬおしゃべりに腹が立ち、読書環境にあらずと車両を変える。

□多読病11…朝、本を忘れてきたことにバス停で気づき、走って家にとって返す。

□多読病12…本に気持ちが行ってしまって、バス停を2つ乗り過ごす。

□多読病13(末期)…より良い読書環境を求めて喫茶店をはしごする(菊名のコロラドでモーニングセットを食べながら読んでいたところ、隣に来た女性がタバコを吸い出して耐えられなくなり、電車に乗って大倉山のドトールに移動。こちらは禁煙席があるので快読でした)。

□多読病14…電車やバスの乗り換えの際、人差し指が仕事をするようになる(3回の乗り換えは本をバッグに戻すことなく、指を本に挟んだままの移動でした。 ―笑ってしまいます。毎朝、私が二俣川で向かいの湘南台行きに乗り換えるときの行動とそっくりだから)。

□多読病15…本を家に忘れた日、通勤電車が長くてつらい。

□多読病16(末期)…年休を取ってまでして、書店に Higgins を探し求める(昨日は午後から年休をとって、初めての東京丸善へ。初めてでも迷うことなく行けました。アマゾンでも新刊が入手できないものがあるかと期待していたのですが…。がーん!3種類4冊しかなかったのです。これですっかり元気をなくした私は何も買わずに退散。多読の道には苦しみもある)。

□多読病17(末期)…「日本語と英語の本を読むバランスをとりたい」と言っときながら、その舌の根の乾かぬうちに「うっ、これ(A Time To Kill)は港北の最後のクラスでやった演劇ではないですか。Grishamでしたか。これはさっそく購入しないと」などと心と言葉が裏腹で、反省がせいぜい半省でしかない。

□多読病18…すぐにでも読み切れるのに、もったいなくて楽しみを先延ばししようとする。

□多読病19…朝の電車では私立小学校に通う女の子の隣には絶対に座らない(途中の駅で友だちが次々と乗ってきて、ピーチクパーチク始まるから)。

□多読病20…通勤途中で読み切りそうになると、寸暇を惜しむかのように次の本をバッグに放りこんで家を出る。

□多読病21…病院などでの待ち時間がうれしくなる時がある。

わたしもいろいろ覚えがあります。
電車に乗り遅れてにんまりしたり(待ち時間に読めるから)、
混んだ歯医者が楽しみになったり、およそフツー人とは価値観が変わってきますね。
SSS当時の「マリコ」さんは先が読みたくて「乗り過ごしたくなることがある」と
言っていましたね。

さて、みなさんも胸に手を当ててよく我が身を省みてください。
そして多読病あるいは多読貧乏の症状が現れているようだったら、
すぐにメールをください!

I さん、H さん、ありがとー! また会いましょう!!