多読はここまで来た! 番外篇 その参 大学入試へ・・・

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大事なことを忘れていました!
(って、このところこればかり・・・)
SSSの掲示板を見ると、多読と試験はおおむね相性が悪くて、TOEICを受けたけれどもちっとも点数が上がらないとか、逆に英検1級を持っているのに多読用図書のやさしい本もさらさらとは読めないとか・・・ 電気通信大学でもどうもうまく点数が上がらない・・・
でも、豊田高専でははっきりしたよい効果を記録しているし、沖縄の志学塾の成果も恐るべきものだし、わたしの個人的な大学入試指導(!)でもよい結果が出ています。さて、何が、どう、違うのか?
*26日にわずかな加筆をしました。記事の終わり近くに赤字で書いてあります。
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豊田高専や志学塾の話は多読村が開村してから、論文などでしっかり報告してもらうとして、わたし自身の受験指導体験をメモしておきます。
多読を・・・そうですね、100万語から200万語も体験していると、大学入試対策はきわめて素直にして単純、簡にして要を得た作業だけでよさそうです。
でもその話の前に、相性の悪さを・・・
* 電気通信大学では多読とTOEICは相性が悪い!
SSSの掲示板の英語学習と試験の掲示板を見ると、相性の悪さがよくわかります。わたしの多読クラスでも、どうもすっきり関係が出てきません。大学生は年間20万語を読む人は1割くらいしかいないので、関係が出るはずがないとも言えます。そこでついに今年度からはTOEIC受験を単位取得の必須条件とすることを止めにしました。第一、受験料で本やCDを買った方がはるかに意味があると、やっと悟ったのです。
  (TOEICのことは豊田高専にまかせようかと・・・)
わたしの多読クラスを1年間経験してTOEICの点数が150点落ちたなんていう人もいれば、2年間に3回受験して3回とも465点だったというギネス並みの人もいます。(4回目はわずかに上がってしまった!)かと思うとある学生のように多読開始6ヶ月で受けたTOEICの点数が390点、その2ヶ月後に480点、その1ヶ月後に580点なんていう信じられない上昇例もある。要するにわたしの多読クラス程度の読書量(多くて数十万語)ではどんな関係もなさそうなのです。
* それでも5万語を吸収するとセンター試験が楽になる!
これは何人かの高校生から得た「感触」ですが、5万語くらい読んでいるとセンター試験の「長文」がとても楽になるようです。ただし、「お勉強モード」で5万語くらい読んだ生徒の場合は違いはない可能性もあります。まだよくわかっていません。
* 当座の(?)最終判断は再来年出る予定・・・
わたしの話に何度も出てくる鴎友学園が一つの試金石になるでしょう。同学園で中学1年生から多読をはじめた生徒は現在高校2年生です。これまでの外部試験(GTECなど)ではとてもよい結果が出ているようですが、再来年の冬にこの人たちが大学受験をすると、否が応でも「多読と大学受験」に世の中の判断がくだされると思います。
さて、わたしの受験指導体験です。一言で言えば、

* 多読で試験準備は単純になる!

実にすっきりした準備になります。そのすっきりしたやり方で過去3年間、毎年合格者を出しています。
内訳は、
一昨年 一橋大1人 高1から高3夏休み終わりまでで170万語
昨年  一橋大1人 50万語+予備校
今年  津田塾大1人 高2から夏休み終わりまでで50万語
    東大1人  20万語+予備校?
    早稲田1人 100万語
    中央大1人 推定120万語
なお、昨年浪人1人(100万語)、今年、浪人2人(10万語と推定30万語)です。
予備校と書いてない人は[ほとんど/ほぼ/おおよそ/おおむね/まあ]多読だけと考えていいでしょう。(学校の英語は一昨年の一人をのぞいて一応やっていたはず。)
で、どう単純明快かというと、1昨年の、いちばん典型的な、[ほとんど/ほぼ/おおよそ/おおむね/まあ]多読だけの例でいうと、
*3年の夏休み終わりに170万語に達するまでは多読のみ。学校の授業は聞かないようにしていた。(すっきりしているでしょう?)
*夏休み終わりに一橋大学の過去問をやりました。このときは辞書を使って、時間も全部終わるまでいくらでもかけていいよと言って、解いてもらい、70%くらいのでき。
そこで、毎週1年分ずつ過去問をやって、答えを見せること、速読英単語の必修篇で単語を覚えること、Grammar in Use Intermediateをやることにしました。
それだけ・・・
実際はGrammar in Use Intermediateはやらなかったそうです。
それでも数ヶ月のうちに解答時間が短くなり、英和辞典も引かずに
70%から80%くらいを常に取れるようになり、早稲田の国際関係学部(?)と一橋大学に合格しました。(細部はSSSの掲示板に書いたことと違っているかも)
ふー・・・ 長くなりすぎです。簡単にまとめて終わりにします。
大学でTOEIC対策がうまく行かない原因は吸収量の少なさだと思われます。
つまり大学入試には、高校3年の夏休み終わりまでに相当量の語数を読んで、無駄なく吸収していれば、あとは[ほぼ/まあ]過去問を解くだけで合格する!? 語彙と文法は必要に応じて補強します。
多読中心のいちばんよいところは受験英語などの「余計な」知識を最小限に抑えることができることだと思われます。
志学塾などのもっとくわしい資料は多読村の学校で閲覧できるようにします。
お楽しみに!