多読はここまで来た! その拾参 樽から溢れる


「その拾弐」の続きで、今度は樽からの溢れ方もさまざまです。その間口と奥行きとの幅をおさらいしておきます。
  (と、書きはじめたのですが、結局かなり長い、メモ以上のもの
   になってしまいました。ご覚悟を!)
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みなさん、「樽の喩え」はご存知でしょうか? 言葉というのは体の中にいっぱい
たまれば溢れてくるはず、という仮説で、わたしが勝手に言いだしたものです。
それで、樽から溢れて書きはじめたり、話しはじめたりするのはまだまだ先と
思っていたら、多読をインターネットで紹介してまもなく「聞けるようになった!」
という報告があり、それからしばらくして、「あずき」さんの「話せるようになった!」報告があり、何人かの人から「書くのが楽になった!」報告があったのでした・・・
2003年3月のあずきさんの報告は次のURLで読めます。
http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss&c=e&id=11821
しかし、溢れるのは「英語」だけではありません。外国の言葉を使えるという
「喜び」はさまざまな形で溢れます。人に思いを伝えたい、ほかの人にもおなじように
外国語を楽しんでほしい、一緒に語り合いたい−−そういう溢れ方もあることが
わかりました・・・
*絵本を楽しむ
ごく初期に、大阪絵本の会が発足、いまだに続いています! 
これはもう驚きを通り越しています。いい歳(?)をしたおとなたちがこども向けの
絵本を山と積んで、延々と楽しそうに、うれしそうに語り続ける・・・
感動の光景です。みなさん、ぜひ大阪絵本の会を訪れてみてください。
大阪にはじまった絵本の会は、いまや、東京、横浜、名古屋と広がっています。
そして、どこでも大阪とおなじように、おとなが絵本を嬉々として語るのです!
*オフ会
これも驚異の現象といっていいでしょう。名古屋にはじまって、いまでは札幌、仙台、東京、湘南、長野、難波、福岡、大分で、定期的に不定期的に、熱い語らいが続いています。
 これほど溢れるものはどこから出てくるのか? どうして出てくるのか? いや、それよりも、だれから出てくるのか? 研究の課題は尽きません。(これを「学習法」と呼ぶか?)
絵本の会も、オフ会も、いわゆるautonomousな活動です。多読には教本や決まったコースがないからこそ、みなさんがそれぞれに自分に快い、愉しい、うれしい方へ歩んでいくのでしょうね−−うれしーぞー!
でもこの調子で書いていたら、メモの範囲を超えてしまいます。
*多聴へ、audible.comへ、Skypeへ・・・
みなさんの中からaudible.comを利用する人たちが出てきたことが、わたしには多読普及上最大の驚きでした。もちろんあずきさんの「話せた!」報告も衝撃でしたが、まだまだ個別の事象で、もっとたくさんそういう人が出てこなければ多読の役割を広げたことにはならない、などと考えていました。
ところが、audible.comは突如何人もの人がから「わたしもaudible.comから朗読をダウンロードしています」という声が上がり、わたしは取り残された!と思いました。みんなすごいなあ、何千円ものダウンロード料を払うだけの自信があるっていうことだよなあと、驚きはいまでも尽きません。
*映像へ
そしてついに映像へ進出する人が相次ぎました。きっかけは海外ドラマでしょうか? E.R.だとか、Lostだとか、わたしの知らないドラマの話題が掲示板を賑わしはじめました。(わたしは自己中心的だからこう書いているのではありません。みなさんが自分の足で、自分の好きな方向に歩き始めたことを強調したいのです、念のため)
そしていまの映像最前線は「ふ〜ん」さんのDVDレンタルです。ここから先は新装開店後に「多読はどこをめざす?」という話題で意見募集をしますが、ふ〜んさんの集めた知恵と知識(情報ではない!)は多読の未来を照らす灯台になるでしょう。
*書く人たち、話す人たち
比較的初期に著者にメールを書く人が現れました。返事が来て掲示板が盛り上がりました。最近では英語日記を書く人、またブログで英語を書く人が現れたかと思うと、海外の人と日常的にチャットする人、も出てきました。
このあたりになると、もう「書く」と「話す」の区別は曖昧になってきますが、(だから4技能に峻別するのは間違い!)バナナさんのようにゲームをしながらチャットしたり、話したりする人がいますね。
Skype(または同様の技術)は外国語獲得をすっかり蛙可能性があると思いますが、多読している人の間ではすでに、海外の人と話をしたり、つい最近はそうやって知り合った家族のところへ遊びに行く人、インターネット上でディスクジョッキーをやる人まで出てきた・・・ もう何をか況やです。どうぞみなさんお好きになさってください!
*仕事に使う人たち
もちろん、好きなことを穎悟でする人ばかりではなく英語を仕事に使わなければならない人も出てきました。一日10時間も英語で仕事をする人、海外に研究で滞在する人、翻訳の仕事に就いた人、海外に移住してしまう人・・・ 
ほとんど天井知らずといっていいでしょうけれど、ここから先は「多読でどこまで行ける?」の話題ですね。
追伸 多読を教室に取りいれる学校も増えてきました。その中で最終的な試金石(?)である大学入試にどう影響するかは、1年半後に一つの結果が出ます。東京の鴎友学園で中学1年生から多読クラスを受講した人たちが再来年の2月3月に大学入試に臨みます。
それで思い出しました。多読は非常に異端なので、一般社会人でも学校でも
「異端児」から広がっていくようです。中高一貫校、単位制の高校などです。
中でも工業高等専門学校(高専)ではすでに結果が出ているといえるでしょうね。
豊田高専ではTOEICの点数が大幅に上昇しているそうです。それに伴って、
全国の高専で多読を採用するところが増えてきています。
さあて、そこで学校全般、大学全般に多読が入っていくだろうか?
それはいわゆる the sixty-four-thousand-dollar question つまりだれもが答を知りたい究極の問題ですね・・・