字幕なし多観

4月2日 木曜多読講座の報告!

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新編成になって最初の水曜多読講座でした。
木曜日の午前10時半から昼12時半までです。

前回の最後に挙げた「話す・書く中心クラス」の4つの方針はこうでした。

※参加者同士で道を見つけていく
※話し言葉で話す、話し言葉で書く
※すべて一口大から!
※やさしい英語の吸収はこれまで通り続ける

それで、これに急遽二つの方針を付け加えました。

※一人一人別々の道を見つける
--
別々だけれども、みんなで見つける・・・ わっかるかなあ?
※さかいは声を張り上げないこと。落ち着いて
--
もうこの5年くらいこれを新年の決意にしていますが、
--4月まで覚えていたというのは今年がはじめて!

で、そのあとに実は大がかりなイベントを考えていましたが、
朝になって、それはやめにすることにして、
前回までとほぼ同じ手順で進みました。
字幕なし多観から読み聞かせ、そしてブックトークまたは book talk。
その間に一人一人の読書相談。

今回はBさんのbook talk ノートをお見せしましょう。

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いえいえ、くわしく読んでくださいというのではありません。
こんな風にメモを作ってきて、それで英語でbook talk をするという
見本としてお見せします。Bさんは見事に「借りる・盗む・真似する」を
実行しています。

同様にすごかったのはYさん。メモを英語で作って、何回か読み、
水曜日の朝、電車の中で何回か頭の中で繰り返して、
「借りる・盗む・真似する」を実行。

そしてMさんがまたすごい! YさんもMさんも small talk へ向かって
出発したくてうずうずしているようです。今回のMさんは
4歳だったお孫さんと金魚、12歳の同じお孫さんと大きくなった金魚の
写真を見せながら、まるで短編小説のような small talk を披露してくれました。

繰り返しになりますが、聞く・話す・読む・書く の4技能に分かれるなんて
幻想です。何をやろうと外国語の蓄えは豊かになっていきます。

南テーブルの比較的新人たち二人、FさんとSさんはそれを見て、
来週から読み聞かせとブックトークを始めます。

これからも講座報告を楽しみに!
いちばん楽しみにしているのはわたしでしょうけど。

3月5日 水曜多読講座の報告です!

毎週講座の始まる前に5分間、Nさんが「発音講座」をやっています。
わたしは今は「発音」という考え方にはよいことはないと考えていますが、
Nさんの講座は日本語の音と英語の音の大きな違いを確認するよい機会になると考えています。

この日はLの音とRの音の話でした。
Nさんは英語の音について書かれた日本語の本をいくつか参照したそうですが、
わたしの言う「極端形」の「発音方法」しか説明がなかったとのこと。

実際には「舌の先を上の前歯の裏に当てて弾くように発音する」Lの音だけでなく、
舌の位置の数は事実上無限にあると言えるので、よくある極端形の発音しか
説明がないというのは実際に使われる音の多様さを無視していますね。
明治から第二次世界大戦中までならいざ知らず、今は実際の英語の音を
いくらでも聞くことができます。実際の音を聞けば、極端形のLの音などは
かなり数が限られているということはすぐわかるはずなのに、どういうわけだろう?
不思議としか言いようがない・・・

Lの音に何種類もあることはどんな初歩の音声素材を聞いてもすぐにわかります。
それでも「音声学者」にはなかなかわからないとすれば、
学校英語の固定観念を去ることができないということでしょうね。
Nさんには、英語国の音声学の本では無数のLの音についてどう書いてあるか、
調べてくださいとお願いしました。

講座に入って、いよいよ水曜日も二人が字幕なし多観をはじめました。
しばらくは強制です! やってみれば、なあんだ、というのが字幕なし多観ですが、
慣れるまでは無理矢理英語音声だけでDVDを楽しんでもらいます。

考えてみると、字幕なし多観はもちろん辞書なし多読に似ていますが、
聞き読みシャドーイングにも似ていますね。
聞き読みシャドーイングは音声に引っ張ってもらって、
文字を分かろう、理解しようという衝動を抑え込む・・・
字幕なし多観は映像に引っ張ってもらって、
音を聞き取ろう、分かろう、理解しようという衝動を抑え込む・・・

「正しく読めなければいけない、すべて聞き取らなければいけない、
100%理解しなくてはいけない、分からないと気持ちが悪い、
どうしても分かりたい」という気持ちを離れるためにはこうした
強制も仕方ないのだと思われます。

それから別に二人の人が字幕なし多観シャドーイングを始めました。
実際に数分間やってもらって、映画を楽しみつつシャドーイングも楽しめる様子
だったので、これもしばらく続けてもらいます。この二人は強制ではありません。
西のテーブルでは昨年の秋に受講し始めた二人の人が劇薬に近いシャドーイングに
挑戦することになりました。二人ともかなり英語を勉強した人たちなのです。

読み聞かせ、book talk はいつも通り。
比較的新人の多い南のテーブルでも、日本語のブックトークが始まりました。

Look and Ask はSさんのオーストラリア旅行。
またしてもいながらにして世界旅行の雰囲気! おいしそうな料理もあった・・・!

そして「多読祭り」へ向けて、少しずつ緊張が高まってきました。
水曜講座の受講生全員(+わたし)で劇を上演するのです!!
再来週の月曜日はなんとNPO事務所でリハーサルだそうです。
楽しみ!!!

2月21日 金曜多読講座の報告です! 分かるについて

当然というのか、驚きというのか、講座の報告がだんだん長くなっています。
そこで今回は一つに絞ります。それは「字幕なし多観」!

Kさんは聞き読みができなくて講座に通い始めたと言っています。
目にし耳にする英文がよく分からないのに通り過ぎていくことが
耐えられなかったようです。したがって劇薬シャドーイングなどもってのほか。

そのKさんがなんと、きっかけは省きますが、
(偶然と仲間が微妙に関係している!)
字幕なし多観を通じて(?)分からないことに耐えられるようになった!

これは実に大きいことです。
何千人という人の多読を観察してきて、気持ちのよい多読を妨げる
いちばん大きな障碍はこの

「分からなければいけない、正しくなければいけない」

という圧力だとわたしは思います。

(杏樹さんはかつて多読三原則でいちばん大事な原則は
「分からなければ飛ばす」だと言ったことがありますが、
その通りです。あの第二原則が多読三原則の中心であって、
とどのつまり「理解」を吹き飛ばして、「楽しく」を基準にするものと言えます。)

学校では当然ですが「分かる」ということを非常に強調します。
マルかバツか、という基準は「分かるか、分からないか」という尺度を
わたしたちの中に吹き込み、育て、絶対基準にします。

「正しく」は日本人すべてに巣食う宿痾(しゅくあ)のようです。
できればこの永き患いを追い出して、楽しければいいじゃないか、
通じればいいじゃないか、と考え方を変えられるといいのですが、
そう簡単に治せるものなら「宿痾」とは呼ばれない・・・

実はKさんが講座に参加した目的は、当初からわたし自身のKさんに対する
目標でもありました。Kさんが「分かる・分からない」を抜け出す手伝いをしたい
ということでした。それがどうも少し実現しそうになっていると思われます。

結局問題解決の鍵は 愛 だったのかもしれません。
物語に対する愛、ドラマや映画の世界に対する愛が、
「理解」という了見のせまい基準を吹き飛ばしてしまった・・・!?

Kさんにはみなさんに字幕なし多観の感想を言ってもらいました。
その言をわたしのメモから・・・
*「分からなくていい」ということがかってきた。
*字幕なしで[これから見ようとするえいがに]うきうきしている自分が不思議。
*今まで、字幕を見ていて、仕草や表情は見ていなかったと気がついた
*字幕はジャマ。ことばは文字じゃない。

もう一人、わたしが講座開始直後からKさんと同じ目標を立てていた人がいます。
いつも「強者」と形容する A さんです。Aさんは学校時代に英語の勉強はしなかった
そうです。豪快な、非常にさっぱりした性格ですが、英語にだけは几帳面で、
「正しく、きっちり」という姿勢を持ち込んでいました。そして今回、Aさんもどうやら
「分からなければいけない、正しくなければいけない」を抜け出しそうな気配が
あります。

Aさんの場合はアメリカのテレビドラマ、 House M.D. です。
日本では「ドクター・ハウス」かな?

*どうせ医学用語は分からないので、最初からあきらめることができた。

何が幸いするかわからないものです。Aさんの場合はかなり英語ができる
人なので、劇薬が必要だった。それはシャドーイングではなくて、
物語としておもしろい、登場人物の個性が際立つドラマだったのでしょうね。

Aさんは、たぶんこのまま字幕なし多観を続ければ「分からない」状態を
許容できるようになるのではないかと、期待と不安まぜこぜで次回を楽しみに
しています。字幕なし多観で分からないことに慣れたら、それを聞くことや
読むことにも持ち込んでいきたいものです。

最後に、Kさんの book talk もよかった!
Mr. Putter and Tabby を原文から借りつつうまく短くして、
自分のことばも使って、とてもよい book talk になっていました。
それで考えたのはやはり 一口大 のこと。

今回のKさんの場合は、本の長さがかみ砕くのにちょうどよい長さだった、
借りる文章の長さがちょうどよかった、本の長さはまとめきるのにもちょうど
長さだった、という気がします。でもそれ以上は今回は省きます。
これは字幕なし多観と並ぶ大事な発見なので、これからも何度も
話題にすると思うので・・・

Yさんの聞き読みシャドーイング、KさんとAさんの字幕なし多観
・・・どれも目が離せませんよ! 来週もお楽しみ!

12月20日 金曜多読講座の報告です!

毎回長い報告になってしまい、原稿書きに影響が出ているので、一点だけ

*今回初めて、「字幕なし多観」を一部の人にやってもらいました。
フォーラムのカエデさんの投稿で、字幕なし多読的観賞を積極的に
提案しようと思い切った結果です。

「町の名前をひとつ」ブログに書きますが、ここではやった人の
感想から!

【多読講座】挑戦してみたい本はあるのにまとまった時間が作れずはがゆいこの頃(^^;; 易しいのをちまちま読み。今回個別指導で初•字幕なしで映画!Skype鑑賞会での経験が私を別人にしてくれたみたい。わからなくてもなんか楽しかったの♪ pic.twitter.com/I0VlbICMLs

「わからなくてもなんか楽しかった」--要するにこれが大事だと思いますが、
長くなるに決まっているので、あとは「町の名前をひとつ」で・・・

追伸
やっぱりこれは省けないな--Jack Frost という映画を観て、MEさんが講座中に号泣・・・
もちろん字幕なしでした。

 

11月20日 水曜多読講座の報告です!

先週から始まった聞き読みシャドーイングですが、
この1週間、適当な素材でやってきてもらいました。

きょうはそれをわたしが聞いて、一人一人と次はどんな素材にするか、
相談しました。

大きく3種類の人たちに分かれました。一つは音についてはゼロに近い人たちで、
いまの素材をそのままどうぞ、ということに・・・ 音の繋がりも、それぞれの音も、
まだ英語らしさはほどほどですが、カタカナは脱している!

もう一つの種類の人は音についてもかなり経験が豊富と思われる人で、
聞こえてくる英語の音よりも、口から出す音の方が多いので、
せわしなさそうです。つまり後に母音の続かない子音にていねいに母音を
つけているのですね。そのためにたくさんの音を出さなきゃならないので、
いそがしい!

この人たちにはもっと速い素材にしましょうと提案。
できれば速すぎてついていけない--あきらめてモゴモゴになることを期待!
Uさんはそんなに速くない素材ですでに一部モゴモゴになっているので、
楽しみです。Bさんは同じくらいの速さの素材ではまだモゴモゴが現れない・・・
Uさん、Bさんには、聞き読みシャドーイングの時に、「落ちる音」を意識しましょう、
意識できたら、積極的に(?)音を落としましょう、と提案。

もう一つの種類の人は、とてもきちんとした英語の音が出ているので、びっくり。
聞けば、中学1年生から3年生まで、日本人だけれども英語らしい音を出す
先生に習ったのだとか。その時に聞いた(出した?)音が今も残っていることに
驚きました。

けれども、きちんとした音を出そうとして、やはりせわしくなっています。
少し「崩す」必要がありそうです。でも、来週またよく聞いて、それから
どうするか、考えましょう。

Yさんが「字幕なし多観」に挑戦して、「パパは雪だるま」を見たそうです。
それで、英語はほとんど分からなかったけれど、最後は涙が出そうになったと・・・
いいですね! そうやって、字幕なしで映画を楽しむことが普通になるように、
ことばはわからなくても楽しめる映画やドラマを提案していきます!

新人の多いテーブルではお手伝いによる絵本の読み聞かせがありました。
さすがにうまい! それを聞いた受講生から、「わたしにはできない!」と
悲鳴が上がりましたが、わたしは「そうやってみなさん読み聞かせが上手に
なっていくんですよ」と言って、やってもらいました。

みなさんが読み聞かせを楽しんでいる間にもわたしは読書相談。
なんとか全員と少しずつ話ができました。でも、大きな予定だった「南ドイツ旅行」の
写真を見て質疑応答というのは時間切れでできませんでした。けれども、
Mさんが 非常に完成度の高い www.oxfordowl.co.uk の「歩き方」を
紹介してくれました。これは大収穫! なにしろ当然ですが全部英語の
ウェブサイトをどう利用するか、くわしく説明してくれたのです!!
その説明はプロジェクターでサイトのページを映写しながら、そして、
利用できる絵本のリストも作ってくださっていました。これはみなさんに
コピーして渡します。

南ドイツ旅行のShow and Tell は来週ですが、来週はもう一つお楽しみが!
29日の夕方から忘年会をやることに! 曜日横断です。 楽しみ!!