事務局便り

多読は愛!~日本語多読ブックトーク報告

saint-oniisan

アメリカのノートルダム大学のH先生から楽しい写真が送られてきました。
こちらの大学では図書館での「日本語多読」の授業があります。
そこで、ある学生が「聖☆おにいさん」にはまっているそうです。

H先生に毎週、本の内容を話してくれるそうですが、実に細かいところまで読み取っていてびっくり。熱海の温泉旅館に泊まった時の名前が「ひじりさま」だったとか「お客様は神様です」のギャグとか、ちゃんと説明してくれるそうです。
先日、コスチュームパーティーがあったそうですが、友達と二人で、「ブッダ」と「イエス」に扮装して現れたそうです!カワイイ!!拍手!!                                                                                                        saint-oniisan

 

 

 

 

 

 

聖☆おにいさん(1) (モーニング KC)

東京のT大学の多読授業でも、ブックトークの時に、「一寸法師」の扮装で現れた学生がいたとも聞きました。普段は成績がふるわない学生だけど、「針の刀」や「お箸の櫂」も自作しての熱演だったと、担当の先生が感心していました。
多読は「愛」なんですね!

日本語の多読授業があちこちで始まった・・・

昨年あたりから、海外や日本国内の語学学校や大学、高校で日本語多読授業が始まったというニュースが届くようになってきました。今日は、都内某私立大学のS先生による選択科目、多読クラス第1回目の報告をおとどけします。
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昨日、学部生の読解の授業で、多読を実施しました。
用意した本は、アスク版の多読ライブラリーです。
学生は中国人、ベトナム人の1年生と3年生の11人でした。みな日本語力は能力試験2級程度です。
最初は「ちゃんと読んでくれるかな」「おしゃべりを始めちゃうんじゃないかな」と、とても心配したのですが、みなさんにいただいたアドバイスをもとに授業の目的や方法を説明し、本を並べて授業を始めると、みんな一言もしゃべらずに夢中で本を読み始め、いつもおしゃべりがうるさくて黙らせるのに苦労している学生まで、黙々と本を読みふけっていました。
レベル1~2ぐらいから読み始めた学生がほとんどでしたが、レベルのことを気にせず興味のあるものを選んだのかいきなりレベル4から始めた学生もいました。この学生はそのコマのうちに一冊読み終わることはできませんでしたが、付箋をあげると、読んだところまでに付箋をつけ、そこまでの話をみんなの前で楽しそうに話していました。
読書時間終了後に読んだ本について話させたのですが、この時も、普段口が重くてうまく話せない学生が、熱心に読んだ本について語っていました。多分、大成功なんだと思います。
ちょっとおおげさですが、長年の読解授業のモヤモヤがすっきり解消したような気分です。
みなさまのご助力のおかげです。これから前期15回、多読を続けようと思います。

それから、この日、もう一つ面白いエピソードがあります。
この大学は留学生の数があまり多くありません。そのため、日本語のクラスに来ないと留学生の友達に会えないため、私の授業には、もう日本語の単位を取り終えた学生も、寂しさをまぎらすためか、時々教室に遊びに来ます。(そのときは、「おしゃべりをしたら追い出すけど、黙って見てるのはいいですよ」と、釘をさしてから座らせておきます。)この日も上級生が一人来ていたのですが、みんなが熱心に本を読んでいるのを見て、自分も読ませてくれといっしょに読み始めました。そして、その授業時間が終わって、同じ教室で次の時間の私の文法の授業が始まっても「次は授業がないので残って読んでいたい」と言って、下級生たちが文法の練習問題をやっている間、ずーっと教室の隅に座り込んで、黙々と本を読み続けていました。
そして、その日の私の授業が終わるころ、「あー、おもしろかった」と言ってお礼を言って帰って行きました。
「暇だったらまたおいで」と声をかけると、「時間があったら来ます」と言っていました。
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多読授業特有の、教室が水を打ったようにシーンとして、夢中になって読む学生の姿が目に浮かびます。
普段口の重い学生が一生懸命話したり、上級生がずっと教室の片隅で本を読みふける・・・いいなあ。この授業が、学生さんたちの心の何かに触れたに違いありません。
「こんな本、やさしすぎると言って、馬鹿にして読まないのではないか」と最初はS先生、ずいぶん心配されていましたが、うまくいったようで私たちも一安心。
あと14回、ぜひ、楽しい読書経験をしてもらいたいと思います。
(粟野)

 

2月3日「NOPPERABOU」の試写会に行ってきました!

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報告が遅れましたが、2月3日(火)、短編映画「NOPPERABOU」の試写会に行ってきました。(@なかのzero)
これは、すでに10月にここでお知らせした通り、2009年にしんじゅく多文化共生プラザの日本語多読クラスに来ていたクリス・マッコームスさんが、私たちの「よむよむ文庫」の「むじな」を読んで、それをヒントに仲間と作った映画です。スタッフ6人で試写を見に行きました。(左から2人目の男性がクリスさん)
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「映画中に本がはっきり映りますよ」と聞いていたとおり、本も登場。多読をした人の中には、これまでも自主的にお話を書いてくれたり、扮装してブックトークをしたりという人はいたけど、映画を作ってしまったというのは初めてです!

さて、映画は・・・ほどよい怖さ?に仕上がっていてさらりと意味深な終わり方もよかった。スタッフの一人からは「彫りの深い西洋人を『のっぺらぼう』にするのは大変・・・」との感想も上がっていました(笑)。

「よむよむ文庫」レベル3、Vol.1を初めてクリスさんが読んだのは、2009年7月2日。
NPO多言語多読のトップページのキャッチアップ動画「多読授業とは?」パート1に読んでいるところが映っています(証拠の映像は35~37秒あたり)

詳しくはこちら→https://tadoku.org/blog/blog/2014/10/24/1203

3月1日には、銀座で上映会が行われるそうです。
こちらをご覧ください。→http://www.tokyo-cowboys.com/

 

2月1日 埼玉県川口市日本語スピーチコンテスト報告

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2015年2月1日(日) 13時30分~16時30分に、「第6回川口市日本語スピーチコンテスト」が、川口市日本語スピーチコンテスト実行委員会主催、川口市教育委員会後援、川口市在住外国人サポートネットワーク協力で、川口総合文化センター・リリアにて開催されました。

審査員は、川口市教育委員、財団法人埼玉県国際交流協会理事長、外国人大学講師、日本語教師、多言語多読スタッフ(昨年に引き続き、審査員を頼まれました)。
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(受賞者と審査員)

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今年は4カ国6名が出場。テーマ「つながる」で、日本での生活、日本人との交流などを通して考えたこと、感じたことを、また自国の話をユーモアや感動を交えて5分間スピーチで披露しました。

スピーチコンテストの各賞を受賞した方は以下の通りです。

金賞   『電車の中で見る日本』              崔 眞英(チェ ジンヨン )   韓国
銀賞   『思いやり』                            エジェクポクポ オメナ   アメリカ
銅賞   『日本語の素晴らしさ』                劉 可妍(リュウ カケン)    中国
敢闘賞 『一人っ子政策』                  李 超祥(リ チョウショウ)   中国
『わたしと日本をつなぐ場所~日本語教室』      李 朱郷(イ ジュギョン)    韓国
『日本とネパールの架け橋』                デェヴィコタ デェヴィ プラサット   ネパール

金賞に選ばれた崔 眞英さんは来日して5カ月、渋谷の日本語学校へ通っています。 スピーチは 『電車の中で見る日本』。

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日本の朝の満員電車には驚いた。混んでいる電車の中で息をするのも苦しいのに、新聞を読む人、韓国人と違い無口で無表情な人。ある日、満員電車の中で気分が悪くなり倒れた人がいたが、韓国なら大騒ぎになり、大丈夫かと心配して声をかけるのに、やはり日本人はだれも何もしない。無表情な日本人にびっくりした。ところが電車が次の駅に着くと、非常ベルを鳴らす人、駅員さんを呼んでくる人、周りの人がみんなで倒れた人を助け出した。無関心ではなく、静かで実は優しくて素早い日本人。とても感心したと語ってくれました。

銀賞は中学校で英語を教えているエジェクポクポ オメナさん。2011年、東日本大震災の時に秋田県に留学していました。被災して夫を亡くした老婦人の稲刈りを手伝に行った時の話です。

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稲刈りの最中に、オメナさんは気付かずにカエルを殺しそうになった。その時、とっさにおばあさんがカエルを助けてくれた。夫を亡くしたおばあさんが小さなカエルの命を大切に思った。「わたしたちとおばあさんとカエルは思いやりでつながっている。思いやりには文化を超える力がある」と力強く語りました。

 銅賞は来日1年の劉さん。「日本語の素晴らしさ」を、例をあげて話しました。「一生懸命」は命を懸ける。新月から3日目に出る「三日月」、きれいな夕焼けの「黄昏」、結び付き助け合う「絆」…。「素晴らしさを感じる」と語り、これからも日本語の言葉を正しく勉強していきたいと結びました。

それぞれ、細やかな観察眼の光った素敵なスピーチでした。
みなさんのお住まいの地区でもきっと、日本語スピーチコンテストが行われていると思います。ぜひ、一度足を運んで、日本に住む外国の方と「つながって」みてください。
(田中)

イタリア・フィレンツェから多読コースの感想が届きました!

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12月にフィレンツェの日本語多読コースの様子をお届けしました。
そのコースが無事に終了して、I先生から学生さんたちの感想が翻訳されて送られてきました。
ぜひ、お読みください。
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1. 多読コースを受講してみての感想IMG_0592

・良かった。
・とても良かった。授業は楽しかったし、役に立ったと思う。このコースを受講することで新しい言葉や漢字を学ぶことができた。他にも色々な本をたくさん読んでみたい!
・日本語の勉強を始めて間もなかったが、コースに参加してみた。最初、自分には難しすぎると思ったが、数回通ってみて、自分の読む力が向上していることがはっきり自覚できた。それが励みになって、最後までコースに通い続けることができた。
・とても良かった。簡素だが、暖かい環境、同時に、刺激的な環境でもあった。コースは自分にとって有益で、毎回わくわくしながら本を読んだ。本を読むことで、あまり知られていない日本の文化や伝統的慣習なども垣間見ることもできた。とにかく、このコースはとても楽しかった。

2. 多読のルールについてどう思いますか。

・いいと思う。でも、時には辞書が役立つこともあるのではないか。
・正当なルールだと思う。自分も家で何かを読むときに実践している読み方だ。新しく学んだこと(言葉や漢字)が記憶に残りやすいのは、このルールのおかげだと思う。
・初めの数週間、言われたルールを守るのは少し難しいと思った。しかし、この読み方は、要領さえわかれば難しくなく、役立つ読み方で、未習語がたくさんある文章でも読んでみようという強い気持ちを起こさせてくれると思う。
・自分は無意識のうちにこのルールを守っていたと思う。この読み方をするのが自分にとって当たり前になったせいか、細かいルールについてはあまり良く覚えていない。ただ、「辞書は使わない」というルールは覚えている。というのも、このルールの裏をかくかのように、自分は本を読みながら意味のわからない言葉をメモし、推測で自分なりの解釈を書き添え、家に帰ってから、その推測が正しかったかどうか辞書で調べていたからだ。

3. 日本語力向上のために「多読」は役に立つと思いますか。

・はい。
・間違いなく、役に立つ!先日、日本語能力試験のN5を受験したが、語彙、読解の問題が良く理解できたのは、このコースのおかげだと思う。
・自分の個人的な経験から言えば、日本語力向上に役立つと思う。今回自分が果たしたプログレスに満足している。
・はい。このコースを受講し始めた時、私の日本語知識は本当に初歩的なものだったが、多読をすることで、多くの語彙、表現、言い回しを学ぶことができた。学んだことは、並行して受講している「みんなの日本語」を使った総合コースの授業の中によく出てきた。
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楽しく本が読めた喜びが伝わってきます。
もっともっと多読ができる環境が整って、この喜びがずっと続けばいいのに、そして、学校にもっと取り入れられたらいいのに・・・と願わずにはいられません。
(粟野)

 

 

12月23日英語多読講座生の忘年会報告

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木曜日と金曜日の「話す/書く」講座メンバーが中心となって忘年会が企画されました。
「仲間は多いほうが楽しい」との事務局の声かけで参加者は20名になりました。

以下、幹事役の木曜日講座Fさんの報告です。

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イタリア・フィレンツェの多読コース!

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英語多読が成果を上げ始めた頃、2002年からスタートした日本語多読。本を作るところから始め、少しずつ実践もしてきました。共感して下さる先生仲間も増え、また海外で始める先生も少しずつ増えてきました。
今日は、イタリア・フィレンツェでの多読クラスの様子をご報告します。

先生のIさんは、アスク出版から「レベル別日本語多読ライブラリー」が出版される頃、連絡をくださった方で、イタリアからリライト作品を何回も送っていただきました。「にほんご多読ブックス」に彼女の作品が2作品入っています。常に多読を支援、協力して下さっていたIさんですが、それでも多読授業を始めるまでに8年!という長い歳月がかかりました。上司と同僚の理解、カリキュラムの問題、本の準備など、海外で多読授業を始めるには大きな壁が立ちふさがっているのが現状です。

めでたく、この10月から試験的な多読コースが実現したのは、フィレンツェにある「スクオーラ・トスカーナ」という語学学校。普段は週に一回、普通コース(文法・会話中心)を受けています。校長が多読に大変理解ある方だそうです。
以下、I先生の報告(要約)です。
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コースは1回90分×10回で、希望者を募ったら6名集まりました。
年齢は22歳~61歳の方がいます。
全員レベル0から始めてもらい、今は、一番進んでいる人がレベル3に入りました。
受講者はとても楽しんで本を読んでくれています。1回に一人4~6冊の本を読みます。(予想以上に速 いスピードです)
多読にハマってくれる学習者がこんな身近なところにいたなんて、私にとっては驚きでした。
彼らには、まだまだ本当に本が足りません。
学習者をぐいぐい引っ張ってくれる初級前半レベルの読み物がたくさん欲しいです。

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(私たちが書いた本がずらり!「〇〇さんのおすすめ」という付箋が貼ってあります。ふむふむ、やはり「良さんシリーズ」人気者・・・。)

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写真の学生さんたち、すごーく熱心に読んでいます。
自力で読んでわかる・・・この喜びは大きい!

6名のうち、一人がリタイア、あとは5名が1月からも継続受講希望だそうです。
悩みはとにかく本不足。どうにかならないものか・・・。
(粟野)

11月21日(金)第10回 日本語多読の会

参加者は2人。

初回からずっと通っている中国のCさんは、ものすごい集中力で一回に10冊~20冊軽く読んでしまいます。今日も、まずは多読ライブラリーのレベル2をひとセット読み、その後は絵本を読み進めていました。はじめて来たときにはひらがなを読むのがやっとというレベルでしたが、ぐんぐん日本語を吸収していっている様子が見てとれます。

韓国のCさんは、数回お休みしていましたが、久しぶりに顔を見せてくれました。今までの聞き読みスタイル(CDを聞きながら自分も声を出す)を少し変えて、今回はCDを聞くときは自分は声を出さず、自力で読むときはCDを聞かない、というふうに読み方を使い分けて進めていました。しばらく多読ライブラリーのレベル2を読んだ後は、絵本を手にして、楽しそうに笑いながら読んでいました。

2時間ほど読んだところで、今回も今日いちばん好きだった一冊を紹介してもらいました。

韓国のCさんが選んだのは「象のトンキー」。おなかをすかせて芸をしたトンキー、象を殺さなくてはいけなかった青年の気持ちを思うととても悲しい、戦争は悪い、と話してくれました。中国のCさんも前回この本を「いちばん好きな本」として紹介したばかりだったので、「いつ読みましたか。先輩ですね!」なんていう会話もありました。

中国のCさんの一冊は「最後の葉」。オー・ヘンリーは知っていたけれどこのお話は初めて読んだそうです。病気で気持ちが弱っている友人のために雨のなか葉の絵を書いたおじいさんと、そのおじいさんの死というストーリーを話してくれました。日本語の吸収が早いこと。

今回はふたりでゆったり静かな会でしたが、来週は誰が来てくれるでしょうか。楽しみです。

(渡辺奈緒子)