講演

7月18日(土)仙台での研修会「多読がもたらす日本語学習の広がり」報告!

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報告が後先になりましたが、7月18日(土)にNPO法人国際都市仙台を支える市民の会(ICAS)のお招きを受け、公開研修「多読がもたらす日本語学習の広がり」の講師を務めました。

ICAS(通称:アイカス)では、ありがたいことに「日本語教師のための多読授業入門」(アスク出版)を読んで共感してくださった先生が、すでに多読のクラスを始めていて、この研修の実現にも一役買って下さいました。さらにすばらしいのは、仙台シリーズでおなじみの多読授業実践校、仙台国際日本語学校の先生方がすでに多読セミナーも開いて絵本の選定などを行ってきたこと。すでに東北で多読の輪が広がりつつあるんです!
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2月28日(土) 名古屋市中川図書館「やさしい英語多読入門」講演会の報告!

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みなさん、こんにちは。NPOの多読講座を受講中のkatobushiです。先日、名古屋市中川図書館で、酒井先生(NPO多言語多読理事長)による講演会「やさしい英語多読入門」が開かれました。僕も体験談話者の一人として参加させてもらったので、その時の様子を報告します。

会場には約60名の方が集まり(その内約4割が既に多読をご存知でした!)、活気あふれる講演会でした。それもそのはず、募集を開始してわずか2日で席が埋まったそうで、急遽、定員を倍にするもまだ足りない、という状況だったようです。

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講演は、「多読の歴史」を紹介するところから始まりました。12年前、電気通信大学で多読授業を始めることになったきっかけから、多読仲間の試行錯誤によって多読が少しずつ進化してきた様子が丁寧に語られました。こうやって歴史を知ると「非常識でわかりにくい」多読もスムーズに受け入れてもらえるようでした。中でも、「苦労しなければ身につかない」というところから「苦労するから身につかない」とういうふうに考え方を変えていく、そこが一番難しい、という話には、会場全体が深く頷いていました。

また、多読の三本柱(1.多読三原則、2.大量のやさしい絵本、3.仲間)のうち、仲間の大切さについて、「言葉は独学で身に付くものではない」「伝えたいこと、伝えたい相手がいなければ、そもそも言葉は必要ない!」という話がありました。僕も多読経験者として、楽しく一緒に語りあえる仲間がいればどれほど多読が上手くいくか、少しだけお話しさせてもらいました。

質疑のコーナーでは、「どれくらいの理解度のものを読めばいいのか?」という質問が出ました。酒井先生の答えは「本人が楽しめているのであれば理解度など気にしなくていい」「どれくらい読めているかは自分で判断すればいい、試験や資格や教師など、決して外から判断されるものではない」と、きっぱり。自信をもって楽しく多読を進められるよう、力強く背中を押している姿が印象的でした。

講演の最後には、今後の図書館の役割と展望ということで、大量のやさしい絵本と共に、図書館が仲間の集まる場となってほしい、それがこれからの多読の「核」になる、という話がありました。

終了時間を過ぎても質問が相次ぎ、図書館の外でも体験談話者が質問攻めにあっていて、今後ここで交流会が開かれる時には是非参加したい、と連絡先を交換されている方もいました。既に中川図書館がこの地域の多読の「核」となる、小さな一歩を踏み出したようにみえてとても嬉しかったです。僕の街にも多読仲間が支えあう場をつくりたい、そんな想いが生まれた一日でした。
(katobushi)

12月22日(月)長沼スクールで多読研修!

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12月22日(月) 東京naganuma-kenshu日本語学校(通称・長沼スクール)主催のセミナーで多読についてお話ししてきました。長沼スクールと言えば、日本語教育界で知らない人はいないという老舗中の老舗学校です。生徒は500人もいるそうです。
長沼では、毎年夏に研修セミナーを開催していますが、この「日本語教師冬期集中セミナー」(12月21日・22日)は初めての試みとか。テーマは「読むことを考える」
例によってたくさんの本をカートに詰めて、スタッフ2人と計3人でお邪魔しました。

当日参加されたのは24名。ほとんどが日本語学校の先生でした。半分近くが長沼スクールの先生。地方や外国からの先生もいらっしゃいました。中に元同僚がいたのにはびっくり。

「多読」はみなさん、聞いたことがあるようでしたが、私たちの提唱する多読には馴染みがないようでした。「レベル別日本語多読ライブラリー」(アスク出版)を知らない人が意外に多かったのもちょっとショック・・・。でも、部屋に入ってくるなり、並べておいた本を手にとる方が多く、講演前から最初からかなり熱心さが伝わってきました。

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まず、多読では、「一人一人が読みたいものをたくさん読んでいく」つまり、読書習慣をつけることを目標にしているという話をしました。読むことは受け身じゃなくて、能動的なコミュニケーションです。読んで楽しいものを読むのが基本のはず。その中で、たくさんの場面に出会うことで、日本語が生きた日本語のまま体に入っていくのだと思います。それを可能にするためには、結局、一人一人思い思いの本を読むしかないというわけです。「読んでわかる喜びがどれだけ大きいか」、また「自分にとって興味のないものがどれだけ読めない、頭に入らないか」についてのエピソードは枚挙に暇がないほどあるのですが、詳しくお話できなかったのが残念!
次にその多読を可能にする読み方のルールについて。「やさしいものから」「辞書を引かずに」「わからない言葉は飛ばして」「進まなくなったらやめる」。
そして、教師の役割は、教えることではなくて、多読を支援することという話。多読授業の様子や教師の支援の様子は動画で見ていただきました。

前半の最後は英語多読体験をしてもらいました。Oxford Reading Treeを字のないものから読んでもらいました。字を読まずに、まず絵=世界を読むようにと強調した理由はうまく伝わったでしょうか。

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みなさん楽しそうに読んでいましたが、わからない単語で辞書を引きたくなった人もいたようでした。

休憩時間に、持っていった「多読授業入門」5冊は完売。もっと持ってくればよかったと悔やまれました。

後半は6つの班に分かれて「リライト体験」。レベル0か1で、イソップの「うさぎとかめ」「北風と太陽」「アリとキリギリス」を作ってもらいました。ORTを読んだすぐ後だったので、「絵に語らせる」ということをうまく取り入れていたようでした。絵も上手な方がいて、楽しいテキストができあがりました。

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(まず、お話を場面に分けて・・・)

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(語彙表を頼りに、絵と文を考えて)

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(うまく絵に語らせた「レベル0」のできあがり!)

最後はかなり駆け足でしたが、多読用読みものは、学習者にどうしたらわかりやすいかを考えて作るのだということがわかっていただけたでしょうか。

気がつけば、近くを通りかかったという多読元祖の酒井理事長が会場に・・・。

あっという間の3時間。あれも言えばよかった、これも言えばよかったと後でいろいろ悔やまれましたが、「よむよむ文庫」を全冊買って帰りたいという方、英語多読をやってみたいという方が出てきたことからも、おおむね、成功だったでしょうか。
これをきっかけに「多読実践」を始める先生がでてきてほしいなあと願いながら、学校をあとにしました。

参加された先生方!質問大歓迎です。ご連絡ください。また、「出張多読ワークショップ/セミナー」もいたしますので、ぜひ、お声かけ下さい!!
(粟野)

11月17日(月)神奈川県・金沢国際交流ラウンジ 日本語ボランティア研修会

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金沢国際交流ラウンジ(日本語部)主催 ボランティアブラッシュアップ研修会
「多読で文字を身につける」

11月17日(月)18:00~19:30 横浜の金沢文庫で講演をしてきました。
25名ほどの日本語ボランティアの方が参加。

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テーマが「多読で文字を身につける」だったので、文字や漢字を何十回、いや百回ぐらいカカされる経験がありませんかと聞くことから始めました。
みなさん、それはつまらなかったということで合意。では、どうやって楽しく身につけたらいいか。やはりそれは「多読」することで身につくのではないかと多読を紹介していきました。
文字は紙に書かれた単なる記号じゃなくて、ある「物語」世界を表すツールであること、だから、本は最初は文字を読むのではなく、絵を読むことが大切という話をしました。そのため、絵本や当NPOが出版している読み物を見てもらい、実感していただきました。そしてそれを多読、多聴することで、文字も自然に入ってくるという話へつなげました。それから、多読のルール、実際のやり方、効果について。最後に実際の多読風景、インタビューなどをDVDで見ていただきました。全く日本語ゼロの学習者が読めるようになった過程、多読で漢字を覚えたという学習者の生の声はどのように受け止めていただいたでしょうか。

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概要がつかめたところで英語多読体験をしましたが、さあ、始めよう!というリセットがうまくいかず、あまりその意味をわかっていただけなかったかもしれません。

質問も活発に出ました。その中から代表的なものをあげると、

Q1 辞書をひかなかったらすっきりしないのでは?
→A やはり、なかなか多読4つのルールを体に落とすのは難しいのでしょうか?
すっきりしないまま、そのうちだんだんわかってくるといういい加減さが大切。そのほうが本当の意味を体得できます。

Q2 辞書をひかないけど、わからない言葉をきかれたら支援者は説明していい?
→A DVDで、「浦島太郎」の“たたく”がわからなかった学習者に「絵を見て」と言ったらわかった経緯を思い出してください。私たちの作った多読用のレベル別読みものは、絵を見るか、どんどん先を読むとわかるようにできているので、なるべく説明せず、自分でそのうちにわかるように仕向けていきましょう。

Q3 読んだ本の内容把握はしない?
→A 「面白かった」「悲しかった」「ここが好きでした」の感想で、大体わかっていることがわかります。それで十分なので、内容チェックは必要ありません。

Q4、漢字にルビがついていたら、漢字の読み方を覚えたかどうか確認できないのでは?
→A ルビがあることで自然な日本語の漢字かな混じり文が初級から読める。自然に漢字の読み方を覚えていく。そのうちルビなしでも読めるようになります。

Q5 ボランティア教室ではどのようにとりいれられるか?
→A 一対一で90分教えるとのことだったので、そのうちの30分を使ったらどうか。本は金沢国際交流ラウンジ日本語部門で買っていただいたらどうか。そのほか図書館も利用してください。

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みなさん、期待以上に「よむよむ文庫」「多読ブックス」に関心を持ってくださり、当日買えないのか、どこで手に入るか聞かれ、多読ブックスの価格表も見たいと言われました。何より嬉しい驚きは、なんと「多読授業入門」を1人の方がすでにお持ちで、この本の執筆者の講演ということでとても楽しみにしたと言ってくださったことです!

たった1回、1時間半の話ではなかなか腑に落ちないでしょうし、ボランティアでどのように多読が取り入れられるかわかりませんが、なんとか学習者のために多読多聴が実践できますよう、期待しています。
(川本)

11月10日(月)浦安市国際交流協会で多読ワークショップ!

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9月28日に浦安市国際交流協会の日本語支援ボランティア講習会に呼んでいただき、多読についてお話ししました。
今日は、実際に月曜日のクラスの学習者のみなさんに多読をしてもらうワークショップの日です。

会場に着くと、5人の学習者のみなさんと、見学にいらっしゃったボランティアさんが20名以上(!)いらっしゃいました。
大勢のギャラリーが見守る中、2つの島を作り、日本語を読むのがまだやっと、という中年の男性2人と、自分で読んでいける女性たち3人に分かれました。

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初級の男性たちは、担当のボランティアさんの助けを借りて、「やさいのおなか」「ただいまー」「くだもの」などを一生懸命読みました。それから「レベル別日本語多読ライブラリー」のレベル0へ。ゆっくり字を読み、そして絵を見て、最後に朗読音声を聞きながらまた読んで・・・。絵本に出てきた「くり」を見たことがないという南米の方に、ボランティアさんが急遽、むき栗を買いに行ってプレゼントする場面も!1時間でなんとか5,6冊読んで帰っていかれました。

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女性たちのテーブルは、レベル0から黙々と読んだり、聞き読みをしたりする姿が見られました。絵本も楽しんでくれたようです。とにかく2時間、5冊、10冊とずーーっと読んでくれて、面白かったと言ってくれました。

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(ボランティアの先生方はそれぞれ本を手にとったり、実際にCDを聞いたり
とっても熱心!)

その後、ボランティアの先生方からはいろいろな質問や感想が出てきました。
「絵の中にあるものを説明したりしないでいいんですね」
「質問されたら、どの程度、どう答えたらいいでしょう」
「中上級の方たちが読んでいるときは、こちらは何をしたらいいのでしょう」
「男性に幼児絵本を読ませたら、嫌がりそう・・・」
「学習者がこんなに本に集中して読むとは思いませんでした」
「多読の時間をとりいれたくても、本の管理が大変そう・・・」
とにかく、ひとまず教えることはやめて、本の世界に入れるように伴走してあげること、ときには理解の手助けをすることはあるけれど、お話の世界から脱線して「お勉強」させないようにと伝えました。
本がないという悩みには、「絵本はぜひ、図書館を利用して下さい。また『レベル別日本語多読ライブラリー』は図書館にリクエストしてください」とお願いしてきました。

実際に学習者の方が読んでいる姿を見ていただけたのは本当によかったです。
たくさんの本を用意しなければならないなど大きな課題があるので、一気に多読導入とはいかないでしょうが、こんな日本語との仲良くなり方もあるのだということをどこか頭に入れておいていただき、徐々に始まっていけば・・・。
2回にわたって呼んでいただけたのも大変珍しいこと。みなさんの熱心さが伝わりました。ありがとうございました。
(粟野)

11月9日(日)新宿四谷図書館で多読講演会!

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雨の予報もあったけれど、なんとか降らずにもってくれた11月9日14:00~16:00、新宿区四谷図書館主催の英語多読紹介講座兼体験会が行われました。定員が25名のところに倍ほどの申し込みがあり、抽選したと聞いてびっくり。

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今回は、多読についての講演を聞いたことない方限定なので、本当に最初からのご紹介となりました。最初の1時間は、一方的にお話するばかりだったのですが、ツボでうなずいたり、笑ったり、熱心に聞いて下さいました。

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休憩時間も、後半に体験で使用する予定で部屋の脇においてあった多読向き図書を、大半の方が手にとり、熱心に眺めていました。その様子から、後半最初に多読向き図書がどんなものか眺めてもらう時間を非常に短く短縮したのですが、それで十分なようでした。後半、体験に入ると、絵だけを読むということにも素直に入り、みなさん、楽しそうでした。文字を含めたいわゆる多読や、読み聞かせなども、体験していただきました。

終了後にも、質問をしてくださる方、共感したとおっしゃる方、自己流でやっていたことに自信を持ったという方、いろいろいらっしゃり、講師としても大変に楽しい時間を過ごせた日曜の午後でした。

 

9月28日 日本語多読セミナー@浦安市国際交流協会

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9月28日(日)浦安市国際交流協会主催のボランティア講習会で多読についてお話しました。こちらの日本語教室は週に1回のクラスが毎日開かれており、ボランティアと学習者が1対1で日本語の勉強をしているそうです。
この日の講習会は、2年前に千葉市で行った多読セミナーに参加されていたSさんが、浦安市でもぜひ、と声を掛けてくださって実現したものです(こうやって、少しずつ広がっていくのがうれしいです)

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参加されたのは21名。みなさんチームワークもよく、和やかな雰囲気の中、反応もよくとても話しやすかったです。途中、パソコンが動かなくなったり、画像がでなくなったりとハプニングがありましたが、何とか多読の話と学習者の様子や成果を伝えました。
そして、全くわからない言語を絵本から学ぶということを実体験していただきたくて、韓国語の絵本を見ていただきました。

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お見せしたのは「どいてよ、へびくん」(五味太郎)の韓国語版。絵を見ると、自然に状況に応じた言葉が浮かんできます。「邪魔」「早く!」「どいて!」「私が遊べないじゃない」などいろいろな言葉がみなさんから出てきたところで、今度は音声を聞いてもらいました。同じ言葉が繰り返し、出てきます。だんだん語気が強くなって、最後は・・・。
「ああ、何回も『どいて!』と言ってるんだな~」ということがわかり、その繰り返しが心地よくなってきます。そして最後のオチ! ーー言葉はまず絵から、ということがわかっていただけたでしょうか?

最後の30分は、絵本と「よむよむ文庫」や「にほんご多読ブックス」を手にとってもらいました。学習者の顔を思い浮かべながら、楽しめそうなものはどれか、選定していきます。
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さて来週、10月6日には、学習者のみなさんに「初めての多読」をしてもらいます。
さて、どんな反応があるでしょうか。学習者は7名。ボランティアさんたちの参加は23名もあるそうです。さて、双方どんな反応を見せてくれるでしょうか。
(粟野)