春のように暖かくなった2月15日(日)、東京都大田区立大森南図書館で「やさしい絵本からはじめよう!たのしい日本語&英語多読」のワークショップが開催されました。英語の本を読みたい日本人と、日本語の本を読みたい外国人が、同じ部屋で多読をして交流するというワークショップで、今回が3回目です。
どのようにしたら多読の良さを実感してもらい、なおかつ、日本人と外国人が交流できるか、1回目と2回目の反省をもとに、座席などについても検討していました。しかし当日、ワークショップの参加者は、日本人8名(1名は途中で帰宅)だけでした。外国人の申し込みはあったのですが、参加はありませんでした。また、3名の図書館職員が参加されました。
横山館長の「やさしい絵本をたくさん読んで、楽しんでいってください」という言葉で始まりました。

はじめに自己紹介と参加の動機などを話していただきました。
1人は1回目、2回目のワークショップにも参加された日本語支援をしている方で、中高生に英語を教えているとのことでした。後の5人は初めての参加で、本が好きで、図書館によく来ていて館長さんに誘われて参加したという年配の4人と、いろいろなイベントに参加しているという1歳ぐらいのお子さんをおんぶした若い方でした。
さあ、多読をはじめましょう。
まず、粟野理事長が多読のルールを説明しました。絵をよく見ることが大切だということを話してから、文字のない本を一緒に見ていきました。
『あいちゃん』やOxford Reading Tree(以下、ORT)の『The Lost Teddy』を見て、文字がなくても絵をよく見ることで、ストーリーがわかることを体験していただきました。
絵が大切だということがわかったところで、文字のない本を読みます。3つのテーブルに分かれて読みました。それぞれに机の上の本を手に取って見ていきます。みなさん、ゆっくり1ページ1ページ見ています。2人で楽しく話しながら1冊を見ている人もいます。気が付いたことを隣の人や支援者に話す人もいます。15分ぐらい読んでから、一番よかった本を紹介してもらいました。
『Zoom』『なみ』『えんにち』、ORTの『The Hedgehog』『At School』が紹介されました。

文字がある本へ進みます。
ORTのLevel3までの、1ページに1行ぐらいの本からスタートして、少しずつ文字の多い本を読んでいきました。
辞書を持ってきた方が、知らない単語に出会ってすぐ辞書を引こうとしたときは、「絵を見てくださいね。絵を見るとわかりますよ」とアドバイスしました。「辞書を引かない」という多読のルールを聞いても、「意味が分からない単語⇒辞書を引く」から抜け出すのはなかなか難しいようです。
文字の多い本を選んで読み始めてしまって進まなくなっている方には、「文字の少ないやさしい本は、楽にストーリーがわかって楽しく読めますよ」とやさしい本を勧めました。

CDを聞きながら読むことも勧めてみました。「効果音なども入っていて楽しい」と、聞き読みが気に入った方もいました。
字のない絵本を読み続けている方、ずっと2人で話しながら読んでいる方たちもいました。参加3回目の方は本の世界に入って黙々と読んでいました。
初めての参加者は、「絵をよく見て字のない本を読む」ことは楽しんでいましたが、そこから「絵をよく見て字のある本を楽しく読む」段階へのステップアップは、なかなか難しいようでした。
最後に今日一番気に入った本を紹介してもらいました。2人が字のない絵本『もりのえほん』『なみ』を選んだので、少し驚きました。
ワークショップ終了後、ORTや自分の気に入った本を借りる手続きをしたり、自分の家の近くの図書館へ予約をしたりしました。英語多読体験を通して、今までとは違った本とつながったようでした。
以下は、事後アンケートからの抜粋です。
- 英語の本を読んだのは久しぶりでした。イギリスの絵本の見方と読み方が勉強になりました。
- とても良い本「なみ」を見つけました! 今度「読み聞かせ教室」の時に読んでみたいです。
- 字のない絵本、英語の本を見ながらの感想及び説明をする事には始めてでしたが、
とても勉強になりました。今後は自分自身の英語を深める意味で絵本を多読したいと思います。 - とってもおもしろい本に出会いました。日本語になっていたらこんなに楽しめなかったかなと
思います。はっきりわからなくてホラーなお話かと思いました! - わからない単語があっても何となく内容がわかるものだなと思いました。(正しいかはわかりませんが)
- ゆっくり英語の本を読むことはなかなかないので、よい機会になりました。
- とてもムリかと考えてました。絵を見ながらのストーリーは、入っていける感じでした。
今回、外国人の参加が1人もなかったのは、春節と重なったためではないかという、開催日程への反省もありました。また、大森駅、蒲田駅の近くの日本語教室には大勢の外国人が勉強に来ているとのことなので、日本語多読の紹介は、日本語教室へ出向いたほうがいいのではないかという提案も出ています。まずは、外国の方にもっと図書館を利用してもらえるようにする、そして、外国人も日本人も一緒に図書館で母語以外の読書を楽しみながら身に付ける、そんなことが普通になる日が来るといいなあと思います。あきらめずに引き続き、模索していきたいと思います。
(記 正会員・白石)
