2025年2月27日(木)、第6回オンラインフォーラム「図書館多読のすすめかた」を開催しました。このフォーラムは図書館での多読支援の実践を共有し、参加者同士の交流の場となることをめざしています。
今回は番外編として「全国公共図書館多読資料調査」(公益財団法人図書館振興財団2024年度振興助成事業)の調査結果報告を行いました。この調査は、全国の公共図書館における英語・日本語多読資料の所蔵や利用状況を調べたもので、2024年秋に全国の公共図書館1023館を対象にアンケート調査を実施し、571館から回答をいただいています。
当日参加者は25名、録画視聴希望を含めると79名の申込がありました。
まず、調査を担当した米澤と小川から、調査の目的や背景、英語多読・日本語多読についての調査集計内容を項目別にまとめたもの、また自由記述の内容などを報告いたしました。後半は、参加者から今回の調査に関する質問や意見などを Microsoft Forms に回答していたいただき、結果をその場で共有し意見交換をおこないました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
今回の「全国公共図書館多読資料調査」の報告は、後日NPOのウェブサイトで公開を予定しております。
事後アンケートに多くの回答をいただきました。一部をご紹介します。
- 英語多読は思ったよりも多数の館が推進していることが分かったので、こちらもいっそう力を入れようという気持ちになった。逆に日本語多読に関しては、全国的にまだ進んでいないように見えるので、少しでも活動を推し進める力になれればと思うため、当館でも導入を考えていきたい。
- 集計結果数が非常に多く、とても意義のある集計結果だったかと思います。特に、多読を導入していない図書館のデータは見ることがなかったためとても興味深かったです。
- 英文多読コーナーを設置している図書館が回答数の21%あるということでしたが、どのくらいのスペースを設けているのか気になりました。日本語多読に関しては改めてその必要性を感じました。
- 全国の現状がよくわかった。昨年までの学校図書館勤務で、外国にルーツを持つ生徒が在籍しており、日本語多読については強く必要性を感じていたので、全国での取り組み事例の少なさに驚いた。学校では、ご紹介いただいた多読のテキストだけでは数が少なかったので、絵本、児童読み物、まんがを近くに配置し対応していたが、ほかに日本語多読に使えるツールがあればご紹介いただきたい。
- 多読資料の整備について課題となっている事項は、多くの館で共通しているようだったので、それをクリアできるような情報共有体制ができあがってくると、多読が広がってくるのかなと感じました。また、多読自体の重要性、効果、ニーズなどがより明確になれば、導入に向けた根拠付けになると感じました。
- 本学は大学図書館ですが、英語多読を実践する学科があるため公共さんで提供している資料がとても参考になりました。また留学生も在籍するため日本語多読も同様です。
- 調査という形が、需要の掘り起こしになったと感じました。自館の現状はどうなのか、他館はどうしているのだろうと考察するきっかけになり、動き出す可能性も多々あるのではと思います。
(小川・米澤)