7/28 (日)経験者向けリライト作成講座 報告

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7月28日に、オンラインで、レベル2の読みものを作る講座を開きました。これは、隔月に開いている「オンライン読みもの作成入門講座」に参加したことがある経験者向けの講座です。
今回は3名参加という、こじんまりとした集まりとなりました。日本語学校の先生、大学生、学校司書で子どもの日本語支援をしている方、という構成です。講師は粟野と川本が務めました。

今回扱った作品は、小川未明の「赤い魚と子供」です。課題は、レベル2にリライトして事前に提出するというものでした。
最初に、このお話のポイントについて語り合いました。母の愛、子どもの無邪気さ、ナイーブさ、赤と白の魚という絵画的な美しさなど指摘されました。

それから、レベルの分け方について、入門講座では伝え方が不十分でしたので、「にほんごたどく」のサイト上のページを見ながら、少々説明しました。

作品のポイントと「レベル2のテキストと絵の入り具合」をおさえたあと、各自のリライト作品を読み上げてもらい、他の参加者から感想をいただき、講師からもフィードバックをしました。
みなさん、思い切った簡約でとても感心しました。しかも、語彙表にかなり忠実にリライトしてくださいました。しかし、それ故に、どうしても語彙表にない言葉を使いたいときの判断に迷われていたようです。また、絵の指示を細かく入れてくださった方もいて、入門講座での「レベル0」の読みもの作成のときの「絵とのコラボ」の意識がちゃんと伝わっていたことがわかりました。
全体的には、レベル2だともう少し、書き込みがあったほうがいいかもしれません。原作によりますが、小川未明の原作は、「すじ」ではなく、細部に作家らしさや作品の魅力が宿っていると思うからです。

後半は、一つのリライトをたたき台にして、3人でシェイプアップしていく作業をしていただきました。
相談しながら、テキストがどんどん良くなっていく過程がよくわかり、講師の私たちも楽しかったです。

みなさん、最後に「一人ではなかなか気づけないことをみなさんといっしょにやることで、気づけたり、新しいアイデアが出てきたりするところが楽しいし、面白い」「一人では難しいですね」と口々におっしゃっていました。

複数の意見を聞くこと、そして、できたら学習者に読んでもらうことが大切だと思います。作成側の思い込みに気がつくこともたびたびです。
みなさんが、これから素敵な作品を生み出してくださることを期待しています! またどこかでお会いできますように!

(粟野 記)