5月18日(木)英語多読 支援者講座「英語絵本の読み聞かせ〜失敗から学んだこと〜」報告

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5月18日、2023年度第1回目の英語多読支援者講座を開講いたしました。本講座は、NPO会員の支援者有志が企画するもので、今年度も夏の支援者セミナーを含め全4回にわたって行う予定です。今回のテーマは「英語絵本の読み聞かせ〜失敗から学んだこと〜」。これから個人の英語教室や学校などに多読を取り入れたい方や、すでに取り入れているけれど読み聞かせについて悩んでいる、という方など、合計12名にご参加いただきました。

まずはアイスブレイクも兼ねて、参加者の皆さんに一人ずつ自己紹介をしていただきました。私たちは支援者であると同時に実践者でもあるので、1人が好きな本や作家について紹介すると、「私もその人好きです!」と声が上がり、和やかなスタートとなりました。

その後、担当の荻野(NPO多言語多読理事、英語多読教室noA’s English Club主宰)が多読三原則と多読支援三原則の説明、及び読み聞かせの日本と海外での役割の違いなどについてミニ・レクチャーを行いました。

毎回恒例となった支援の経験談としては、今回のテーマに沿って、支援における失敗例をお話ししました。気づかないうちに結果を求めてしまったり、先入観が仇となってしまったりという多読支援の落とし穴をご紹介しましたが、多くの方に共感していただき、皆さん同じように悩んでいらっしゃることが分かりました。

また、「読み聞かせの聞き手側」の体験として、Oxford Reading TreeのBig FeetとThe Scarfを異なる方法で読み聞かせしました。その後のグループトークでは、それぞれの読み聞かせをどう感じたか参加者同士で意見交換をしていただきましたが、普段、支援者は読み手側になることが多いので、聞き手側の体験は新鮮で様々な発見があったようです。

アンケートより、参加者の声をご紹介します。

  • 読み聞かせの仕方や、支援者の声かけの仕方など、たくさん学びました。説明がとてもわかりやすく参考になる事ばかりでとっても勉強になりました。
  • コミュニケーションを目的とした読み聞かせのイメージが持てました。
  • 読み聞かせ前後、「この後どうなったと思う?」等のような想像力を発揮させる質問は本当に効果的だと思います。
  • 絵をしっかり見て想像力を働かせた後に英文を聞いたほうが、言葉が伝わるということが分かった気がします。そのための手段は、日本語で全然かまわないということも納得しました。
  • 読み聞かせをしている時に興味が無さそうな子がいた場合、あの手この手を使って最後まで読んだりしていましたが、途中で辞めてしまうのも全然ありだと気が付きました。
  • 読み聞かせて、こんな面白い本があるよ、素敵な本があるよと紹介したり、次のページを捲りたくなるような楽しい読み聞かせをする事で、こども達自らがその本を探して自分で手に取り開いてみる(中略)そうなるよう働き掛けるようにしよう!と目標が定まりました。
  • 多読三原則と多読支援三原則については理解が深まりましたが、実際に皆さんが現場をお持ちで、ご経験から感じていることをもっといろいろお聞きしてみたかったです。
  • 他の参加された方との話し合いが大変良かったです。(中略)押し付けはダメというのは自分もやりがちなので気をつけようと思いました。相手をよく見る、ということ、当たり前ですが、忙しくなると忘れてしまうので、改めて認識でき良かったです。

講座を通して、「一言に『読み聞かせ』と言っても、様々な方法があります。万能な方法はありません。」というメッセージが繰り返し強調されました。今回ご参加いただいた皆さんが、目の前の生徒さん一人一人としっかり向き合い、読み手と聞き手、それぞれにとってベストな方法を見つけられることを願っています。

次回は8月の多読支援者セミナーでお会いしましょう!

(荻野、Tsubasa、山岸)