3/26(日)オンライン読みもの作成入門講座 報告

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3月26日(日)午前9時より、第14回「オンライン読みもの作成入門講座」を開催しました。
今回は、5名が参加。NPO多言語多読からは粟野、川本が参加しました。
簡単な自己紹介からスタート。大学、日本語学校の先生、継承語教育に携わっている方、教材開発をしている方々でした。

【作成の前に】

粟野が、多読用読みもの全般について「にほんごたどく特設サイト」の資料を示しながら、簡単に話しました。
次に川本が、読みもの作りのポイントを、具体例をあげながら解説しました。

【レベル0の読みもの作成】
まず、実践作業に入る前にNPOの「無料よみもの」から「カラスと水さし」を見て「レベル0」の絵と文の入り具合、展開の仕方を確認していただきました。それから、2つのグループに分かれて、イソップの「アリとキリギリス」か「カラスとキツネ」のどちらをリライトするかを選んでもらいました。
両グループとも「カラスとキツネ」を選び、それぞれグーグルスライドを画面共有しながら、流れ、オチを確認してから場面を作っていきました。

一時間後に再度集合して、できた作品を披露し合いました。一つのグループは、カラスが肉を見つけて森へ飛んでいくところから始めました。何が始まるのかなとお話の世界に引き込まれるワクワクするような始まりです。どちらのグループも、カラスが褒められて喜ぶ場面では、「ほっぺたを赤くするのがいい」「ハートマークをたくさん」などと、イラストに工夫を凝らし、わかりやすく仕上げていました。

朗読が非常に上手な方、オンライン上のイラストの扱いに長けている方、それぞれが協力し合って楽しく作業ができました。
それぞれの作品を発表、講評をして終了。

【中級用読みもの作成】

後半は、中級レベルの文学作品のリライトです。題材は「蜘蛛の糸」(芥川龍之介)と「注文の多い料理店」(宮澤賢治)のどちらか。両グループとも「注文の多い料理店」を選びました。
1つのグループは、レベル3。もう1つのグループはレベル4でリライト。

冒頭の部分をリライトした後、発表と講評をしました。
毎度のことながら、オノマトペの扱いに迷ったり、山奥の表現に工夫が必要だったようです。

最後に感想を伺うと、「難しかった」「楽しかった」「絵と字の入り方のバランス、原作の味など考えなければいけないことがいろいろあった」など口々に語ってくださいました。みなさん、リライトや作成の作業を楽しまれたようです。

【事後アンケートからの抜粋】

・読みものを作る上で、イラストで見せる部分、会話で話を進める部分、文字で説明する部分、それぞれが大事で、尚且つ分かりやすく、読み物としても楽しい物を!という大事ことを学びました。元の文章の世界観を残しつつ、書き直すということは簡単ではないと改めて感じましたが、とても楽しかったです。同僚とも共有して、読みもの作りを楽しくやっていきたいと思いました。ありがとうございました。

・易しく、わかりやす書くことの楽しさと難しさ。もっと言葉に敏感にならなくてはと思いました。また共同で作る楽しさも経験できました。

・レベル別のワークショップで、1つの作品をとことん作り込んでみたいです。

・とっても楽しかったです。もし読み物づくりのボランティアなどあれば参加してみたいと思いました。今日、実際に取り組んでみて、レベル3・4のリライトは、苦労があるんだなと実感しました。

今回は、入門講座ということ、慌ただしく二つの作品作りをしてみました。後日ご案内する経験者向けの「初級用読みもの作成講座」「中級用読みもの作成講座」にも是非またご参加いただけるとうれしいです。

次回の入門講座は、5月28日(日)午後4時からです。読みもの作成を体験してみたい方、ぜひご参加ください。

(粟野 記)