11月3日、英語多読支援者向けオンライン講座が開かれました。本講座は、NPO会員の支援者有志が企画するもので、今年度は夏の支援者セミナーを含め全4回わたって行う予定です。第3回目のテーマは「ブックトーク〜本の紹介ワークショップ〜」でした。参加者は13名。個人の英語教室や学校などにおいて、今後Tadokuを取り入れたい方はもちろん、今回は多数のベテラン支援者の方にもご参加いただきました。
まずはアイスブレイクも兼ねて、参加者の皆さんに一人ずつ事前にご準備いただいたブックトーク(本の紹介)をしていただきました。その中で紹介された本がこちらです。
その後、正会員で公共図書館や学校での支援経験もある山岸さんから、ブックトークの良さや注意したいポイントなどについてのミニ・レクチャーが行われました。ブックトークは、多読三原則、多読支援三原則(教えない、押し付けない、テストしない)と並び、支援の現場において非常に重要な役割を担っています。そもそも一言に「ブックトーク」と言っても、実践者同士で好きな本について好きなように語り合うもの、支援者が実践者に対して読書案内を目的とするものがあり、今回は主に後者に焦点を当てました。
最初に、ブックトークのコツは、話すのが実践者であっても、支援者であっても、「とにかく話し手が話したいことを話したいように話すことである」というお話がありました。続いて、支援者によるブックトークで重要なことは、実践者にプレッシャーを与えず、あくまで本を選ぶ決定権を本人に委ねること、そして、「支援者であってもうまく話そうとせず、実践者が話しやすい雰囲気を作ってあげることだ」というメッセージが強調されました。
実践者は個性も様々です。一人一人に寄り添った支援を行うには、ブックトークを通して「色んな読み方があっていいんだ」ということを伝え、お互いの読み方を認め合えるような環境作りが大切だと、改めて考えさせられました。
その後、山岸さんによる読書案内ブックトークのデモンストレーションでは、「変化」をテーマに、様々な視点から8冊の本が紹介されました。どのようにテーマを選べばいいか質問がありましたので、「マッピング」というアイディアの広げ方を参加者の皆さんにも体験していただきました。「アイディアを広げるのはなかなか難しい。」というコメントが多い中、「書き出してみると、意外と一つのテーマからどんどん広がって、紹介したい本がたくさん浮かんできた。」という方もいらっしゃいました。
その後3つのブレイクアウトルームに分かれて、ブックトークをやってみた感想や、ブックトークの役割などについて話し合い、まとめとして、山岸さんより「ブックトークとはコミュニケーションである。」というお話がありました。ブックトークは、実践者が読書の楽しみ方や視野を広げるきっかけにもなり、実践者同士の繋がりを深めることもできます。ぜひ、支援の現場で取り入れてみてはいかがでしょうか。
参加者の声(アンケートより抜粋)
- 多読のブックトークは型にはめないこと、そして、なんでも言える場作りが大事ということを再認識しました。
- ブックトークがコミュニケーションだと言う事は、正直あまり意識していませんでした。また相手に委ねる、ゆだねていいんだと言う事も教えていただけて良かったです。
- ブックトークを考えるのに、マッピングを使うという事も大きな収穫でした。アイデアが出ない時、逆に繋げたい時に活用できます。
- 「変化」のブックトーク実演は、素晴らしかったです。テクニックではない深みを感じました。
- 最初のブックトークでご紹介いただいた本がどれも興味深く、多読初心者の私には知らない話ばかりでワクワクしました。ブックトークの楽しさを感じて、私自身が自分の多読についてブックトークできる場に参加したいと思いました。
次回は、2月23日(木・祝)に、「アウトプット(話す、書く)」をテーマに開催予定です。
(荻野、山岸、Tsubasa)