隔週土曜日「オンライン日本語多読クラブ」2年目(2021年11月〜2022年10月)

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コロナ禍が始まって、日本語教育で一気にオンライン化が進んだ2020年、インドの「多読が好き」クラブに触発されてNPO多言語多読が11月に始めた「オンライン日本語多読クラブ」は、もうすぐ2年目を終えようとしています。先日は実施回数50回を超えました。

前回、このブログでご報告した記事はこちら(隔週土曜日「オンライン日本語多読クラブ」(2020年11月〜2021年10月)報告)ですが、この時から、運営方針も内容も、大きい変化はありません。参加者も、1、2人のこともあれば、数十人のこともあったりと、相変わらずデコボコです。

現時点(2022年10月26日)での参加者数は、のべ592人(昨年報告時:225人)、異なり数267人(昨年報告時117人)です。1年目より2年目の方が参加者が増えています。10回以上参加した人は7人で、一番多く参加した人の回数は23回! ベテランさんには支援者がいなくても、ブレイクアウトルームのグループでのブックトークを任せられます。

参加者の国と地域の数は41でした。五十音順に並べると、アメリカ、アルゼンチン、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、ウクライナ、エジプト、エルサルバドル、オーストラリア、カザフスタン、カナダ、カンボジア、キルギス、コロンビア、サウジアラビア、シンガポール、スコットランド、スペイン、スリランカ、タイ、ドイツ、トルコ、ニュージーランド、フィリピン、ブラジル、フランス、ベトナム、ペルー、ポルトガル、マレーシア、ミャンマー、メキシコ、モロッコ、モンゴル、ルーマニア、ロシア、韓国、香港、台湾、中国です。日本国内からの参加も少なくありませんでした。

参加者の年齢層もますます幅広くなり、小学生から、引退した年配の方まで、いろいろな方が来てくれます。そんな日本語学習者のみなさんが、母語も居住地も越えて、ワイワイ日本語でおしゃべりをしているのを聞いていると、多読支援者として、また、このクラブを運営するものとして、なんだかうれしくなってきます。これだけいろいろな人が集まると、「そちらは、今、暑いんですか?」とか日常的なお天気の話もあれば、時には社会問題を議論するようなことも起こり、話題も多彩で、楽しいです。

今年の大きなイベントとしては、夏の多読支援セミナーに合流したことです。詳しい報告は、ブログのこちらの記事「第11回「多読支援セミナー」報告 その①」の「(A)オンライン日本語多読クラブに参加しよう!」にあります。実はこの企画、幹事としては、とっても心配しました。というのは、上に書いた通り、オンライン多読クラブの参加者数は毎回大きく変動します。平均すれば、1回あたり10人少々という参加者数ですが、回によっては数名ということもあります。だから、多読支援セミナーの参加者が何十人もいるのに、学習者は数名、などという恐ろしいことになるのではないかと夜も眠れませんでした。しかし、実際には、夏休みということもあり、また、後で述べますがミャンマーの学習者のみなさんの参加申し込みがこの時期急増したこともあり、ちょうど良い人数で楽しいイベントにすることができました。

多読クラブで、おもしろい現象としては、何かをきっかけに一つの地域からの参加者が激増することがある、ということです。去年の夏にはタイからの参加者が急に増えたことがありました。誰か、影響力のある先生がSNSなどで紹介したからのようでした。そして、今年は、夏にミャンマーからの参加申し込みが激増しました。これもまた、ミャンマーの学習者がよく見るフェイスブックのグループで情報がシェアされたからのようです。このような一時的なブームは、残念ながらなかなか定着には結びつかないのですが、それでも、参加した人が何かの形で多読に触れてくれるなら、それでよかったかと思います。

2年も多読クラブを続けていると、ずっと前にちょっと参加した人が、フラッとまた来てくれることもあります。これも、うれしいことです。何かの時にちょっと立ち寄って、気楽に日本語で読んだり話したりする、そういう場であり続けたいと思っています。

(オンライン多読クラブ幹事:作田)