12月19日(日) 第8回シンポジウム「図書館多読への招待」 in 米沢! 報告①

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第8回を迎えた図書館シンポジウムは、前日まで降っていた雪も止み、山形県米沢市で無事開催されました。これまでは東海地方と東京都内で交互に開催されてきましたが、今年は、初めての東北地方での開催です。「はじめてみませんか、英語多読」をテーマに、英語多読と図書館多読を地域の方に知っていただくことを目指し、開催館である市立米沢図書館の利用者、近隣および他地域の図書館関係者に加え、学校教員や英語部に所属する十数人の高校生など、52名(午前48名、午後23名)の方が参加してくださいました。

※新型コロナウィルス感染拡大のため当初予定の10月3日から延期となり12月19日(日)に開催。
※公益財団法人図書館振興財団2021年度振興助成を受けて実施。

午前の部は、酒井理事による基調講演&ワークショップ「英語多読への招待〜図書館の森に多読の木を植えよう」を行いました。開催(主催)館である市立米沢図書館の岸順一館長に報告していただきます。

酒井先生の基調講演は、英語多読の方法や効果について具体例を取り上げて説明頂き、とてもわかりやすく説得力のあるものでした。英語教育関係者も、これまで英語教育で不足していた触れる英文量を多読によって十分増やせること、絵本を通して単語(climb, catchなど)の本当の意味や使用法を理解できることなどを知り、英語多読の教育への導入可能性について考えているようでした。

また、Oxford Reading Treeを用いたワークショップでは、先生は参加者を巻き込みながらユーモアを交えて話され、ときおり笑い声もあり、参加者は楽しそうに絵を見て英語を読み、突如現れる物語と関連のない「メガネ」や「おじさん」探しに熱中していました。参加者は、このワークショップを通して易しい英語の絵本を読む大切さ、楽しさを実感されたようです。そして、何より酒井先生の英語多読への熱意を感じているようでした。

実際、参加者アンケートには、「英語多読への興味が深まった」、「英語力向上に効果が期待できる」、「英語多読をやってみたい」という声が多くあり、高校生からは「英語を読んだり書いたりできるようになるためには、苦しみながら努力しなければいけないのが当たり前と思っていたので目からうろこだった」と、苦しい勉強でなく英語多読という楽しい読書を通して英語力を向上できることへの驚きの言葉もありました。
(市立米沢図書館館長 岸 順一)


お昼休みには、希望者を募って多読用図書2,200冊を所蔵する市立米沢図書館の見学ツアーが行われました。本棚には Oxford Reading Tree を始め、多読で人気の本がズラッと並んでいました。また、字の少ないやさしい絵本や児童書を手厚く、幅広く揃えていて、これから多読を始める方向けに大変充実したラインナップでした。

午前の部・参加者の声(アンケートより抜粋)

  • 多読にハードルを感じていたので、絵本から始められることに驚きました。
  • 友達とやってみようという話になったので図書館で本を借りていきたいと思います。
  • 本当の意味で「力のつく英語の指導」をお聞きしました。学校でも検討したいと思います。
  • 子供たちへの読み聞かせなどをしていますが、「絵をよく見る」ということをよく考えていませんでした。
  • 難しい文法、単語をひたすら覚えようとしていたけど、この多読についての講演を通して「楽しく学べる」ということを知って驚いたし、実践してみたいと思いました。
  • Oxford Readign Tree は初めて読んだが、優しいものから始めると無理なく続けられそうだと思った。実際の体験談も聞けたり役立つサイトも知れたので参加できてよかった。
  • 当館では学校への貸出ができたらと思い働きかけていますが、未だに結果が出せずにいます。高校生の方たちがどんなふうに多読に興味があるのか質問などを通して知ることができ、「やってみたい!」と思ってくれる子もきっといるのだと希望が持てました。

報告②へ続く

(理事 小川和子、事務局)