5月31日(日)日本語多読支援研究会第5回勉強会「オンライン多読授業実践報告」第2弾!

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好評だった5/17の続編として、「オンライン多読実践報告」第2弾が5/31に行われました。
参加者申込みは、たちまち40名を突破。オンライン多読授業への関心の高さがうかがわれました。
結局、国内外の大学や日本語学校、ボランティア教室などで多読支援をしている方々が45名、ズームを介して集まりました。オンラインを使うことで、遠方の方も気軽に参加できるようになったのはうれしいことです。今回も三分の一がアメリカ、カナダ、メキシコ、ラオス、マレーシア、オーストラリアなどの海外や仙台、名古屋、静岡など遠方の方でした。

今回の勉強会は3部構成で、1: すでにオンライン多読を実践された国内の3名の方からの報告、2: 事前に寄せられた質問についての話し合い、3: 実践者によるオンライン素材紹介、でした。

勉強会

 

●まず最初の報告者は愛知県立大学の横山りえこさんです。
横山さんには5/31に引き続き、大学と地域日本語教室での実践についてお話しいただきました。
大学の学習者はメキシコ人3名。
Teams上でオンライン素材を本棚化し、毎週素材を入れ替えたり追加したりしているそうです。
読書レポートにはGoogle form、記録にはExcel sheetを使っているとおっしゃっていました。
NPO多言語多読の日本語多読・多聴・多観WEBリソースの素材のほか、CMや歌の歌詞などを積極的に取り入れていらっしゃいます。

横山さんスライド

一方、地域日本語教室の参加者は全員ブラジル人で、家族と一緒にドラマやアニメを楽しむことが多いそうです。
素材共有や記録について、大学とは違うgoogle docsなどのツールを使っていらっしゃいます。
学習者や環境に応じてツールや素材を変えるといった、柔軟な対応が重要だということがよく分かりました。
尚、横山さんの主催されている地域の多読教室の楽しそうな様子は、日本語ジャーナルのウェブマガジンで詳しく紹介されています。

●2番目の報告者は、東京大学で教えていらっしゃる片山智子さんです。
Zoomを使用。初級の学習者なので、まず一緒に本を読むことから始めたそうです。彼らはせっかく日本に住んでいるのに日本人とほとんど話したことがないので、本の紹介を通じてなるべく教師と話す機会を増やすようにしているとのこと。
そして、グループ活動にはブレイクアウトルームを使っているそうです。
そこで、この勉強会でも参加者全員が2分間、体験することになりました。数人のグループに分かれて、自己紹介と好きな本について話してみたのですが…「2分じゃ足りない」「もっと話したかった」…みなさん後ろ髪を引かれる思いでメインルームに戻ってきたようです。支援者の方々も、学習者の気持ちが少し味わえたのではないでしょうか。

●3番目の報告者は、仙台国際日本語学校の遠藤和彦さんです。
中級学習者を対象に、ZoomとチャットアプリSlackを使ってオンライン多読をされました。初回の授業で「素材が多すぎて本が選べない」「きちんと指示が伝わらない」「一方通行感が激しい」という問題を感じ、毎回改善を重ね進化させたそうです。
たとえば、「紹介する素材サイトを制限して選びやすくする」「口頭だけでなくslack上に指示を書く」などです。学習者は一番面白かった本についてコメントを書くのですが、そのうち、学習者同士のやりとりが始まり、少しずつコミュニティが作られている印象を受けました。

さて、3つの具体的な実践報告のあとは、事前に届いていた質問についてみんなで考えました。
「スマホ利用」「コミュニティー形成の工夫」「対面・オンライン混在の授業をどうするか」のトピックでしたが、比較的多くの参加者の方々に発言していただくことができたと思います。

そして、最後に国内外の6名の方から、おすすめのオンライン素材の紹介がありました。支援者の好みではなく、あくまでも学習者の視点から、というのがポイントでした。
五味太郎の絵本のアニメーションのyoutubeサイトDelish Kitchenというレシピサイトなど、具体的なオンライン素材の紹介は他の参加者からも好評だったようです。

 

★以下、アンケート回答からの抜粋です。

 ・みなさんの実践をうかがえたこと、そして、みなさんでアイデアを出し合えたことがありがたかったです。

・3人の先生方の異なる現場での実践をお聞きすることができ、大変参考になりました。教育現場が異なれば、使っていらっしゃるツールも異なること、授業の進め方も異なることがわかり、多読授業のいろいろな方法や可能性を知ることができました。

・正直、Onlineで多読の授業は難しいと思っていました。今は、反対にOnlineだからこそできることがたくさんあるとわかり、ワクワクしています。

・素材の紹介は具体的ですぐに使えそうなものばかりで参考になりました。

・これからは、ハイブリッド授業の行方が気になります。これについても勉強会のチャンスがあるといいなあと思いました

いろいろな地域のいろんな先生方のお話や意見が聞けるのは、オンラインならではなので、是非またzoomでの勉強会をお願いします。

 

 今回の2回のオンライン多読実践報告会は、比較的タイムリーに開催できたと思います。今後とも、ますます活発な意見交換を続けていけたらいいですね。

(日本語多読支援研究会・準会員 纐纈)

 

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