第8回多読支援セミナー報告≪日本語分科会≫

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多読支援セミナーの午後は、英語多読支援者と日本語多読支援者に分かれて、より具体的に多読支援について考えました。
以下、日本語分科会の報告です。

13:30  学習者の体験談

文京学院大学で多読授業をしたスタッフの作田のクラスの3人の学生が来てくれました。
現在、跡見学園女子大学の大学院生、ベトナムのアインさん。アインさんは学部生時代に多読授業を経験して、その後は自分で多読を続けています。
そしてウズベキスタンからの現役の大学生、交換留学生シャフルフさんとイスロムさんです。


多読や多読の授業についてどう思うか?
多読の前後で読み方が変わったか?
「多読のルール」についてどう思うか?
多読によって日本語学習の動機が高まったか?

などの質問に丁寧に答えてくれました。
授業中、よく寝てしまったという告白も。
「母語でも本を読まなかったが、この授業をきっかけに読むようになった」「英語を読むときにも多読の方法を使えるようになった」「5分ほどのブックトークで日本語の力が伸びた」などの答えが印象的でした。

14:15 「にほんごたどく特設 サイト」の使い方

昨年公開して、少しずつ充実してきたNPOの「にほんごたどく特設サイト」の中の無料読み物、多読授業のモデル動画 、多読に使える一般図書の検索のページなどを紹介しました。
みなさんに有効に使っていただきたいですし、今後もより使いやすく充実したページを目指します。

14:30  休憩

14:45 トピック別に分かれての話し合い

例年、教育機関別に分かれて話し合いをしてきましたが、今回はトピック別にグループを作ってみました。機関別に分かれると、とかく「カリキュラムにどうやって入れるのか」「評価はどうするのか」「上司の説得はどうしたらいいか」と実施の際の問題についての語り合いが多くなりがちです。今年は、トピックを設定することで「多読」そのものについて参加者の理解を深めあうことを目的としました。

30分の話し合いを2回しました。
1回目の話し合いのトピックは以下の通りです。前半は7つのグループができました。会員の方、リピータの方に各グループのリーダーになっていただきました。

A 多読を始める前に(多読授業未経験者対象)
B 教師の役割
C 読むから話す、書くへ/アクティビティ
D 読むから話す、書くへ/アクティビティ
E 読むから話す、書くへ/アクティビティ
F 多読図書について
G 在住外国人への多読支援

グループリーダーがどんな話し合いをするか簡単に説明した後、話し合いスタート。制限時間は30分。

2回目の話し合いのトピックは以下の通りです。

A 教師の役割
B 教師の役割
C 読むから話す、書くへ/アクティビティ
D 読むから話す、書くへ/アクティビティ
E 多読が育てる読みの力
G 在住外国人への多読支援

それぞれ興味のあるトピックに移動し、同様に30分間話し合いをして終了。
終了の合図があった後も、みなさん熱心に話し合いを続けていました。






16:05  質疑応答

ここで、日本語分科会全体の内容を振り返っての質問や意見をいくつか全体でシェアしました。
最後に出たのは、常に問題となる「活字を読まない学生への手当」でした。
多読にこだわらず、日本語の動画を見るなどの「多聴・多観」はどうだろうかという回答が出ると、全体で「なるほど~」と納得する雰囲気になりました。
みなさん、この日の一連の活動で、頭がとっても柔らかくなったように感じました。

16:20  まとめ「多読の目指すもの」

最後に1日を通して感じたことを「多読が目指すものとは・・・」というタイトルの書かれた紙に書いていただきました。そこへ英語分科会の参加者の方々も合流し、共にボードに貼りました。

多読が目指すものとは・・・心の自由・世界を広げること などが多かったと思います。語学力をUPすること、というようなものがほとんどなかったのは面白いことでした。

 

その後、17時までお菓子をつまみながらのおしゃべりタイムとなり、皆さん、最後まで大いに盛り上がっていました。

(記 松田)