ゴールデンウィーク特別企画:英語多読集中講座の報告(4/29~5/2 )

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長かったゴールデンウィークの前半、普段は講座に通えない人も一日たっぷり多読を楽しんでもらおうと 英語多読集中講座 を開催しました。午前はテーマ別の特別講座、午後は多読ライブラリーを開放し自由に「読む/観る」時間という贅沢な構成で、4日間で延べ40名の方がご参加くださいました。
担当講師より、当日の様子をご報告します。






4/29(月):多読的脳の使い方〜言葉を習得するために意識すべきこと

講師:伊藤 参加者:12名

前半の目標は、「絵を見て、ストーリーを理解する」ことの意味、及び「多読三原則」の意味をかみくだいて説明をして、しっかり納得していただくことでした。レクチャーのあと、新たに出てきた疑問について質問を受けました。これはそれだけ熱心に聴いて、理解を深めたからこその声だと思います。多読は、きれいにすっきりと分かる、というようなものでは決してないわけです。書物やウェブサイトや人から聞いた話などから、さらっと理解したような気になっていたのにもっと深いぞ!と感じていただけたらそれで成功と考えています。

レクチャーが終ったところで、多読を実際にやってもらいました。話を聴いた直後にやってみたのが非常に良かったようです。「なるほどこういうことか、と本当に納得できた」という感想が聞かれました。

後半の目標は、アウトプット力をつけるときの感覚的なコツを、体験して納得していただくことでした。参加者にとっては、意外な事実、意外な発見もあったようですが、実際に、よしやってみよう! という気持ちになっていただけたようで、非常に良かったなと思っています。一日集中して多読を語り、多読+アウトプットを体験した29日の講座は、おおむね目標を達成できたと思います。(伊藤)

<アンケートより抜粋>
  • やさしい内容から少しずつ進めていけるのがほんの少し実感できた。この喜びが消えないように今後につなげたい。
  • 絵をよく見ることが大切だと実感した。登場人物の気持ちになるとストーリーと言語がしみ込んでくるというのがとても心に残った。もっと早く出会いたかった。でもこれから楽しんで長く続けていきたい。
  • 素敵な絵本をたくさんご紹介いただいて楽しかった。友人に紹介したい本が増えた。
  • 英語の勉強に「やらねばならない」という強制的なイメージが強くなっていたが、多読を体験したおかげで「楽しく、マイペースに、わがままに(自分の興味の赴くままで)」本を読んで学んでいいのだ!と気づいたことが大きな収穫だった。

4/30(火):映像でTadoku!今日から字幕なしで映像を楽しもう

講師:katobushi 参加者:12名

最初にセリフのないアニメをみたり、フランス語の動画を見て内容を想像するワークショップをして、映像や音から「世界」や「物語」を受け取ること、セリフを「理解」しようとしなくていいことなどを体験してもらいました。その後、いっしょに様々な動画を観ました。用意していた映像の半分以上は「子供向け」ではありませんでしたが、それでも笑いが起きたり、感動して涙ぐむ人もいて、みなさんがあっけなく「字幕なし」の世界に飛び込んでいく姿がとても印象的でした。

午後になっても、お渡ししたYoutubeのチャンネルリスト(講師の個人的なオススメを紹介したもの。今後、英語多読特設サイトで公開予定)を片っ端から試している人が多く、中には、その日初めて字幕を消して見たにもかかわらず、2時間以上Youtubeを見続けた人もいました。「字幕なし多観」の講座は初めてでしたが、Tadokuの進化を感じられた一日でした。(katobushi)

<アンケートより抜粋>
  • 映像だけでも十分楽しめるんだと改めて思った。「全部聞き取れなければダメなんだ」というマインドがだいぶ無くなった。
  • 字幕なしで観るのがすごく怖かったけど、ハードルが下がった。Youtubeをこれから活用したい。
  • 映画やフィクションだけが対象と思っていたが、お料理、ミュージカル…なんでも楽しめることがわかった。
  • Peppa Pig をフランス語で見たとき、とても映像に集中した。英語になると聞き取ろうとするので、映像への集中がかなり減少した。もし日本語字幕付きで見たら更に映像は見なくなり、耳もあまり使わずに、字幕ばかり見てしまうだろうと、実感した。
  • フランス語⇒英語の順で動画を見たとき、びっくりするほど英語が分かったのが新鮮だった。
  • (紹介された歴史番組が)あまりにも面白くて、英語だという事を忘れて夢中になった。(多読で)読むときに起こったのと同じことが「聴く」でも可能なんだと分かって嬉しかった。

5/1(水):多読的シャドーイング入門!

講師:酒井/katobushi 参加者:12名

まず理論編では、「カタカナや発音教科書通りの音」と「( 英語本来の)自然な音」の違いを実演とともに解説し、「頭のすすぎ洗い」が必要なことを納得してもらいました。酒井さんの切なくて可笑しい数々の失敗談に笑いながらも、次々と提示される「日本語と英語に同じ音はひとつもない」「look, looked, looked は全部おなじに聞こえる」といった刺激的な話題に、みなさんとても驚いた様子でした。

つづく実践編では、さまざまなシャドーイングのやり方を一通り体験してもらいました。多読的シャドーイングは、「内容は分からなくていい」「ひとつひとつの音をきちんと言おうとしなくていい」など多読らしく「いい加減に」するのがポイントですが、やってみると案外むずかしい・・・。そこで、英語以外の言語でする「劇薬」シャドーイングや、話し方の雰囲気や身振り手振りをそっくり真似る「なりきり」シャドーイングなどで、少しずつ多読的なやり方に馴染んでもらいました。

午後は、それぞれが本を読んでいる傍らで、一人一人のシャドーイングを聞かせていただき、今後の進め方やそれぞれに合った音源について酒井さんから個別にお話ししました。(katobushi)

<アンケートより抜粋>
  • 英語の音を発音記号やフォニックスで教えていることの無意味さを認識できた。
  • 英語の先生でも「通じない・聞き取れなかった」などの失敗談があるんだと安心した。
  • 「なりきり」シャドーイングは自分の弱いところだけど、少し踏み出してみようと思った。
  • 「劇薬」を聞くことで、(これまでの知識や癖を)「洗い流す」など、知らなかった方法を学ぶことが出来て勉強になった。
  • (これまで)英語の発音を勉強せず、また気楽な性格なので、それが功を奏したのか向いていそうで面白かった。

5/2(木):多読の疑問・不満、言いたい放題に応えます!

講師:繁村 参加者:4名

基本的に、多読に対する質問や文句に対してお応えするという内容ですから、多読Q&A+多読/英語に関するchatでした。いきなり質問はしにくいので、呼び水として、ありがちな質問を約60、多読をしている人が良く使う用語を約30、以前書いたことのあるコラムタイトルを10、計100個のリストを渡しました。役には立ったようです。半数が、多読がまったくの初めてだったので、入門者向けの質問に応えている時間が長めになりました。でも、学校の英語の教師という立場からの質問もあり、講師としては刺激的で楽しく進みました。(繁村)

<アンケートより抜粋>
  • ORTでも分からない言葉/表現があって「ショック」⇒「文脈から分かってくる」⇒「意味が分かる」という体験ができました。「慣れる」ということがとても印象的でした。


「特別講座」+「多読ライブラリー開放」という形の連続講座は初めての試みでしたが、普段忙しく定期的に講座に通うのが難しいという方にとても好評でした。次回は、8月のお盆休みの開催を思案中です。お楽しみに!
(事務局/katobushi)