2月16日(土)新宿・大久保図書館で第7回 日本語多読ワークショップ!

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新宿区立大久保図書館で、恒例になったワークショップ「やさしい日本語の本を読んでみませんか?」が開催されました。今回は7回目になります。

参加してくれた外国の方は8人。韓国、フィリピン、スリランカ、ベトナム、ネパール、ミャンマーと国籍はいろいろでした。 そのうち、大田区から来てくれた日本語学校の学生さんが6人。
そのうちの一人が新宿駅から歩いてきたとかで、20分遅れの開始となりました。
(その間に、スタッフは参加者といろいろおしゃべりしながら、場を温めてお待ちしました)

14:20 開始

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米田館長の挨拶から始まりました。
「大久保は外国人がたくさん住んでいます。アンケートで困っていることを聞くと、日本語で困っていますという回答が多くありました。そこで図書館でできることを考え、NPO多言語多読と、この日本語の本を読むワークショップを企画しました。今回で7回目(2回/年)です。楽しんでいってください」

次に多読のルールを理事の粟野が説明しました。
「面白そうな本を自分で選んで、まず絵をよく見ましょう。全部わからなくても、読まなくてもいいです。辞書も使わなくていいです。楽しむことが大切です」
中上級レベルのお一人を除いて、みな日本語の本を読むのは初めての初級あるいは中級の人ばかりです。
そこで、今回初めての試みとして、スクリーンに字のない絵本を投影してみんなで見ました。本を読むのに活字を読むことから入っていってほしくないからです。まずは、どんな世界の話かを知ること、つまり絵をよく見ることから始めてもらいたいので、その練習です。
レベル別日本語多読ライブラリーの「西町交番の良さん」シリーズから2話をお見せしました。
何をしているところですか?、これをやってる人は誰?、このバルーンの中に入る言葉はなに?などの質問をして自由に答えてもらいました。参加者のみなさんは、絵から推測し、言葉化するゲームに夢中になり、日本語レベルに関係なく活発に発言していました。
その後、スタッフが文字部分を読み、参加者のみなさんは、それを聞きながらもう一回絵を見て話を味わいました。

14:55 それぞれの多読タイム!

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次に、机の上に字のない絵本、あるいは文字が少しだけの絵本が置かれました。参加者は、それぞれ、思い思いの本を手に取り、多読が始まりました。
じっくり絵を眺める人もいれば、気がついたことを賑やかに隣の人やスタッフに語りかける人がいました(これが日本語でできるのだから、たいしたものです)。
20年日本にいるけれど、日本語を勉強する時間はなかったというCさんは、レベル0の本を何冊か読んで「このレベルは大丈夫です」とおっしゃり、レベル1へ。「縦書きははじめて」と言いながら、「女の子」「ハチの話」を読み、「感動しました」と言ってくださいました。
レベル0の「いただきます」で、日本の食卓風景に興味津々の人、レベル1の「着物」を食い入るように眺める人、字のない本「えんにち」に興味を持った人など、思い思いに本を楽しんでくれたようでした。

少しずつ、レベル0から1へ移行する頃、読書終了。

15:45 ブックトーク

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その後、テーブルごとに一番よかった本の紹介をしてもらいました。
「着物」「ハチの話」「アンジュール」「えんにち」「交番はどこ?」「お正月」「桜」「大豆」などが挙がりました。

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最後に図書館のアンケートに記入
米田館長が挨拶をして終了となりました。
「みなさんが楽しく読んでいたのでこちらも楽しくなりました。開催回数を増やしたいと思っています。その時はアナウンスしますので、友達を誘って来てください」

みなさん、口々に「面白くて楽しい。また来たい」「難しいけど楽しい」「絵が楽しい」などと感想を話しながら、帰られました。これをきっかけに、気楽に絵本を手に取って楽しむ習慣ができるといいなあと思いました。
以下、学生と一緒に来てくださった日本語の先生からのお便りです。

学生たちのいつもと違う顔に出会え、わたし自身心から楽しい1日となりました。
わたしは読書が大好きなので、学生たちが本を読んでニヤリとしたり、悲しそうにしている表情にたまらなく嬉しい気持ちになりました。また日本語の本を理解し、心動かしている彼らに頼もしさを感じました。
多読は、日本語を学ぶのと同時に日本の文化にもたくさん触れられるいい機会になるとあらためて感じています。
帰宅した彼らから、「楽しかったです。また行きたいです」
と続々とメールが届きました。
私たちも、読書の楽しさの入り口を紹介できてよかったです。
次回は、地元の方にもっと来ていただけるよう図書館と協力して告知に力を入れなければと思っています。
2週間後の3月2日には、大田区大森南図書館で同様のワークショップをします。また、どんな方が来てくださるのか、こちらも楽しみです!
(粟野)