第6回多読支援セミナー 日本語分科会報告

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2017年8月6日 多読支援セミナー 午後行われた日本語分科会の報告です。(文京学院大学女子中学校高等学校 BALスタジオにて)

13:30
まず、所属機関別に9つのグループに分かれて座っていただきました。
国内外大学2グループ。日本語学校5グループ。年少・社会人教育2グループ。NPOのスタッフを入れて各4~7名ずつ。計45名の参加でした。
粟野副理事長ががこれまでの日本語多読の歩みと現在の広がりについて簡単に触れてスタート。

続いて、この春から実践をはじめたばかりの相模国際学院の川久保先生・明星大学の高井先生・東京国際大学の秋田先生、そして数年前から多読授業を実践している片山先生の報告がありました。前者3名の先生方はどうして多読を始めようと思ったのか、そのための準備に何をしたかなど、一歩踏み出した先生方のフレッシュな報告。片山先生の報告は、「読ませる工夫」が詰まったものでみなさん大きく頷きながら聞いていました。

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昨年は、多読授業を受けた学生たちが書いた作品やさまざまな教育機関やグループが多読用読みものを自作する動きが目立ちました。そこで、文京学院大学の作田先生からそうした多読用読みものをまとめて紹介してもらいました。さらに多読授業に使える素材を東京外国語大学大学院の高橋亘さんに提供していただきましたので、それに追補する形で日本国際文化教育学院の徳永先生から発表してもらいました。ここにはウェブ上で読むものから、動画やアプリなども取り上げられています。素材がだんだん増えてきたのは大いに歓迎すべきことです。

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次に多読授業で学生に人気のあった本を友ランゲージアカデミーの浜田先生、アイカスの葛西先生、吉祥寺外国語学校の橋本先生に紹介していただきました。10冊近く挙がりましたが、ここでは特にNPO多言語多読の本リストにも挙がってない4冊を紹介します。




14:50~15:50
さて、休憩を挟み、ファシリテータのもとで各グループでの話し合い。実践している方や多読を始めたい方、どんな様子か聞いてみたいという段階の方などで、1時間の話し合いは途切れることなく盛り上がりました。

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(10分の休憩)
この休憩時間にも立ち上がらず、話を続けていた班がいくつもありました。また、「本の購入、お急ぎください」というアナウンスでどっと閉店間際の「お店」に押し寄せたグループも。

16:00
各グループでの話し合いの共有をしました。国内外の大学の先生方からは、始めるきっかけづくりや評価の方法の問題。日本語学校の先生方からは、学習者のモチベーションの問題。年少・社会人に向けてのクラスの先生方からは子供たちのプライドが障害になることや、社会人に多読の良さを理解してもらいたいが、なかなかうまくいかない、などの問題が話し合われたとの報告がありました。詳しい報告は、各グループの書記担当の方から寄せられることになっています。

16:30
英語多読の分科会に出席していた方々が、BALスタジオに戻っていらっしゃったので、ここからは全体の締めくくり。
英語分科会の報告と酒井理事長司会のもと、最年少の支援者、アメリカや台湾など遠方からいらっしゃった方などに感想を伺い、お開きに。
その後は、同じ会場でミニ懇親会。お菓子をつまみながら、別テーブルだった方とも交流しあう姿が見られました。

今回のセミナーでは、自費出版の本や「多読ブックス」「よむよむ文庫」を買って帰られた方も多く、多読授業スタートを決心されたのかも・・・とうれしい想像をしました。

(松田 記)