6月2日青山学院大学で多読紹介

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報告が遅くなりましたが、理事長とともに、6月2日(木)に青山学院大学に行ってきました。
司書教諭資格の基礎科目「学校経営と学校図書館」の授業でゲストスピーカーとして、多読を紹介したのです。これは、主に教育学科の学生が履修しているそうです。学生の中には将来教師を目指す人も多いようですが、多読についてはほとんど知識がないとのことで、普及啓蒙のためお邪魔したという次第です。
呼んでくださった担当のHIRO先生は理事長の40年以上前(!)の教え子です。

さて、昨年来4回目の大学での多読紹介、大学生はどのような受け止め方をするのでしょうか。

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この日の受講者は、大学2年生を中心に約30名。
酒井理事長の話は、まず、「多読とは?」という導入から話が始まりました。
最初に英語が好きか、授業がおもしろいかと質問すると、意外にも嫌い、おもしろくないという人が多かったです。
そこから、それは皆さんのせいではなくて、英語教育の方に問題があったという話へ展開。
中学から高校までいかに触れる英語が少ないか。それでは、体に溜まらない。溜まらなければ汲み出せないという話へつながりました。そして、今まで学校で触れてきた英語は、質の面でもよくない・・・。
だから、多読三原則、つまり、辞書を使わないで、分からない言葉は飛ばして、進まなくなったらやめて次の本へ移るという方法でやさしい絵本からどんどん読みましょう!
そして、持参したOxford Reading Treeを銘々手にして読んでもらいました。途端にみなさんの顔が輝いて――。

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しばらくしてから、「落ちているものはない?」「変な人がいない?」と呼びかけると、みんな笑顔で探し物に夢中になりました。
その後、「Oh,no!」「cross」「mess」などを見つけました。
そうやって、絵=場面と言葉をちゃんと結びつけようという意図は、しっかり伝わったでしょうか。

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最後に質疑応答。そして感想も書いてもらいました。
質疑応答では積極的に手が挙がり、「どこでこの本が読めますか?」とすぐにでも多読を始めたい意気込みが感じられました。
そして、その後授業の感想を書く勢いもすごかったです。
みな、真剣にペンを走らせてぎっしり書いてくれました。

以下に一部を紹介します(文章の一部省略、要約あり)

「今まで自分がやってきた英語の勉強と多読は全くちがうのでおどろいた。私は英語が苦手であまり好きではないが、はじめからこのような楽しい方法だったら英語が好きになったかもしれないと思った」

「言葉=活字と捉えていると聞いて、確かにそうだなと思いました。1年の時に多読の授業を受けていたけど、文字にばっかり目がいってしまい、絵を全く見ていなくて、ただただつまらないだけでした。絵を楽しむということが第1で、絵を楽しむところから入るともしかしたらどんどん読めるようになるのかもと思いました。早速始めてみようと思いました」

「正直、事前に配布されていた多読についてプリントを読んだときは、これで本当に英語が分かるようになるのか、と感じました。しかし、実際にお話を聞いて、英語と英語のまま吸収することの重要性を知りました。・・・これから(将来、教師になって)授業で導入するときは、教師はあまり指示せず、子どもたちが楽しんで読める環境をつくってあげたいと思います」

「1分間に100語読むとすると、中高6年間で学ぶ英語は6時間分にしかならない、ということに驚きました。6時間分の英語を6年かけて読むことは無駄な時間のように思いました。・・・」

「お話を聞いて、多読の力というものがあるような気がしてきました。私は韓国ドラマを見るのが好きで、理解しようとしたり和訳しようとしたりして見ているわけではないのに自然と韓国語が耳に入ってくるようになリました。英語も楽しんで作品に触れることで自然と耳に入ってくるのかなと思います。」

「初めて多読をしました。こんなに簡単に英語の本が読めるのだなと感動しました。もっと読みたくなったし、これなら楽しく英語が学べると感じました。将来、司書教諭になったら、この本を図書館に置いてみんなにも読んでもらえたらいいなと思いました」

「絵本を読むだけで英語が分かるようになるのだろうか。発音や会話ができるようになるのだろうかと疑問に思っていましたが、酒井先生のお話を聞いて考えががらりと変わりました。多読は、外国語の習得にとても効果的だと思いました。」

「高校の時、学校から多読を強く勧められていたが、それは活字のものばかりで、辞書を引かないで読めと言われたけれど、活字しか情報がないから辞書を引きたくなって、結局やめてしまうという流れでした。でも、今日行った多読は絵本で、とてもおもしろかったし、単語が分からなくても絵から意味を推測できたので、もどかしさというものもなかったです。」

「多読について全く知らなかったので、話を聞いてとてもビックリしました。英語が嫌いな私にとって初めてやってみようかなと思うものになりました。英語を楽しむってどういう感じなんだろう?ととても興味を持ちました。今でも英語の授業が嫌いで苦痛でしかありません。ぜひ、英語の先生たちに今回のお話をしてほしいです。そして多読を広めてほしいです」

多読をこんなに正しく素直に受け止めてくれたことに正直、驚きました。
そして、ほとんどの人が英語嫌い、苦手と書いていたことにもショックを受けました。英語が嫌いだからこそ、多読の話がピンと来たんですね。
中学高校時代から多読をやれば、英語嫌いが減るのになあ・・・と心から思いました。

(粟野)