第4回多読支援セミナー 分科会(英語)報告

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英語分科会(13:30-17:00) 参加者34名

リピーターが多いなか、1教室を借りて分科会が始まりました。今年は3名の方に実践報告をお願いし、残った時間は毎年通り、大学、高校、中学、児童英語といった垣根を越えた全体での質疑応答を行いました。

<分科会司会>酒井邦秀理事長
<実践報告発表者> 伊藤先生(渋谷教育学園渋谷中学高等学校・当NPO支援者講座講師)、飯野先生(文京学院大学女子)、Tsubasa先生(児童英語教室)

まず、伊藤先生から当NPOでおこなった「多読+α」講座での様子とその成果の報告がありました。
ひとりひとり読むことのほかに、Summary TalkやWritingを実施し、受講生が自信を持つなどの心の変化、話したり書いたりする内容や使えるGrammarの変化があったことを詳しい資料とともに発表されました。
多読に必要なもの(keys)はふたつあり、
①Interaction 仲間
②Model 適正なモデル
が、大切であるとお話されました。

文京学院大学女子の飯野先生からは、学校でおこなわれている多読と、その工夫について詳細な発表がありました。
まだ、生徒さんたちと多読について試行錯誤しているとのことでしたが、多読を学校で導入する上で欠かせないことは
①「多読で英語が伸びる」と生徒たちに思い込ませること
②Output活動をする
③個人差があるので、ひとりひとりがどのように成長しているかを把握する工夫が必要
の三つではないかとお話されました。
そのために、飯野先生は生徒がORT(Oxford Reading Tree)に愛着をもてるような工夫や、ひとりひとりが作る「ポートフォリオ」と呼ばれる記録を作らせるなど、さまざまな活動を取り入れているとのことでした。

児童教室の立場から、Tsubasa先生はこれまでの生徒さんの中からとても印象的な二人について話をされました。
英語だけが苦手なお子さん、成績が芳しくなく学校に行きづらくなってしまっているお子さんが多読を通してゆっくり成長していく姿が浮かび上がる発表でした。
大切にしていることは、
①ひとりひとりを見る
②押しつけない
③子どもの成長を待つ
ということだそうです。

その後は全員の方より、いろいろな立場の方から質問や意見が交わされ、とても中身の濃い時間となりました。さまざまな多読支援があるなかで、同じ方向を見ている人たちの体験、一人一人の言葉は、どれも有意義で参考になるものでした。

このように、普段、教卓側に立っている先生が、机と椅子を並べて行われた教室での分科会は、いつもと様子がちょっと違い、よりそれぞれに寄り添った話ができたように思います。参加者のみなさんのアンケートには、発表者のみなさんの話にはとても感動し、実践例も参考になったという感想がありました。その一方で、全体で話し合うだけでなく、それぞれ教育機関ごとに分かれて意見交換をしたいという意見もありました。これについては、来年の課題にしたいと思っています。

このように、みんなで意見が言い合える分科会をこれからも行っていきたいと思っています。
発表者のみなさん、参加したみなさん、ありがとうございました!!

またこの報告を読んで興味を持った方がいましたら、ぜひ来年の夏にお会いしましょう!

(山谷/事務局・大賀)