6月28日(日)第21回「多読のためのリライト講座」報告!

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6月28日「多読のためのリライト講座」報告です。

参加者は、アメリカの大学の先生2人、日本にあるアメリカの大学の先生、大学生、専門学校の先生、青年海外協力隊インドから帰国したばかりの先生、という6人でした。
現外大大学院で元ベオグラード大での多読実践者、高橋亘さんに助っ人をお願いしました。

開始前から、日本語多読の本棚や机の上の多読ブックスを読んだり、お勧め絵本やアニメブックスの写真を撮りつつ、参加者同士で楽しそうにおしゃべりが始まり、明るく元気な雰囲気でスタートしました。

まず、いつもどおり、多読とは?
絵を読む大切さ。音の大切さ。ひとりひとりを見る大切さ。楽しいのが一番。などなど、みなさん何の抵抗もなくどんどん進んでいきました。

①声かけのタイミング、②多読に向いている本、③どう活動につなげていくか、の三点に質問が集中しました。
①声かけは、DVDを見ながら、ひとりひとりをよく観察して対応するようにと伝えました

②本に関しては、実物を見ていただくことが一番ですので、みなさんに見ていただきました。これから始める、あるいいは始めているけれど本揃えに悩みがという先生方は、真剣にメモしていらっしゃいました。

③活動については、お勧め本、お気に入りの一冊を本の中の文や表現を借りてブックトークというところに、それならできそうとみなさん頷いていらっしゃいました。アメリカの某大学での、本や漫画創作に話が及び、ちょっとそちらに意識が行き過ぎそうだったので、あくまでもインプットが溜まってからにするよう助言しました。

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外国語多読体験の時間、なんとなんと、みなさんが韓国語の棚に殺到。字が読めないから絵を見るのが楽しいと、もう、大盛り上がり。Oxford Reading Treeは読んだことがある方がほとんどでした。
最後に、韓国語版「どいてよ、へびくん」(五味太郎作)をみんなで見てもらいました。まず絵をみて、じゃま、とか、あっちいけ、とか、どいて、とか騒ぎながら、次に文字が繰り返しているところ、変化しているところに気付いてもらって、いよいよ、助っ人高橋さんの出番です。韓国語で読んでもらうと、みなさん、大喜びでした。

午後のリライトを楽しみにしていらした方が多く、最初に取り上げた作品、「キツネとカラス」(イソップ)では、両グループともに絵の得意な方が、どんどん絵で展開。レベル0と1でなかなかいいものができました。学生に読んでみてもらおうとコピーして全員お持ち帰り。反応知らせてくださるとうれしいです。

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次の「蜘蛛の糸」は、リライトの様々な工夫が必要な作品なので、助言をしつつリライトしてもらいます。このレベルの作品になると、個々の感覚の違いが現れてどんどんというわけにはいかないのが面白いところでもあります。

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みなさんの感想

・リライトってあんなに大変だと思わなかった、ただ単にやさしい文法や言葉に置き換えていくのかと思っていた。でもおもしろかった。みんなでわいわいしながらだからこそできた。一人だったら嫌になってたかも。「よむよむ文庫」「多読ブックス」がこういう苦労の産物であるとわかった。文学作品の場合、その作品の味をどこまで残すのか迷う。
・韓国語の絵本をみて、学生の気持ちが想像できた。
・文字の少ない、やさしいものって本当に楽しく読めるのか疑問に思っていたが、とても楽しいものだと実感できた。
・指導する側が楽しいと思っていないと、学習者が楽しいと思えないのではないか、そういう意味でも今日の体験は素晴らしかった。

次回は7月26日(日)です。多くの方のご参加をお待ちしています!
(川本)