11月17日(月)神奈川県・金沢国際交流ラウンジ 日本語ボランティア研修会

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金沢国際交流ラウンジ(日本語部)主催 ボランティアブラッシュアップ研修会
「多読で文字を身につける」

11月17日(月)18:00~19:30 横浜の金沢文庫で講演をしてきました。
25名ほどの日本語ボランティアの方が参加。

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テーマが「多読で文字を身につける」だったので、文字や漢字を何十回、いや百回ぐらいカカされる経験がありませんかと聞くことから始めました。
みなさん、それはつまらなかったということで合意。では、どうやって楽しく身につけたらいいか。やはりそれは「多読」することで身につくのではないかと多読を紹介していきました。
文字は紙に書かれた単なる記号じゃなくて、ある「物語」世界を表すツールであること、だから、本は最初は文字を読むのではなく、絵を読むことが大切という話をしました。そのため、絵本や当NPOが出版している読み物を見てもらい、実感していただきました。そしてそれを多読、多聴することで、文字も自然に入ってくるという話へつなげました。それから、多読のルール、実際のやり方、効果について。最後に実際の多読風景、インタビューなどをDVDで見ていただきました。全く日本語ゼロの学習者が読めるようになった過程、多読で漢字を覚えたという学習者の生の声はどのように受け止めていただいたでしょうか。

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概要がつかめたところで英語多読体験をしましたが、さあ、始めよう!というリセットがうまくいかず、あまりその意味をわかっていただけなかったかもしれません。

質問も活発に出ました。その中から代表的なものをあげると、

Q1 辞書をひかなかったらすっきりしないのでは?
→A やはり、なかなか多読4つのルールを体に落とすのは難しいのでしょうか?
すっきりしないまま、そのうちだんだんわかってくるといういい加減さが大切。そのほうが本当の意味を体得できます。

Q2 辞書をひかないけど、わからない言葉をきかれたら支援者は説明していい?
→A DVDで、「浦島太郎」の“たたく”がわからなかった学習者に「絵を見て」と言ったらわかった経緯を思い出してください。私たちの作った多読用のレベル別読みものは、絵を見るか、どんどん先を読むとわかるようにできているので、なるべく説明せず、自分でそのうちにわかるように仕向けていきましょう。

Q3 読んだ本の内容把握はしない?
→A 「面白かった」「悲しかった」「ここが好きでした」の感想で、大体わかっていることがわかります。それで十分なので、内容チェックは必要ありません。

Q4、漢字にルビがついていたら、漢字の読み方を覚えたかどうか確認できないのでは?
→A ルビがあることで自然な日本語の漢字かな混じり文が初級から読める。自然に漢字の読み方を覚えていく。そのうちルビなしでも読めるようになります。

Q5 ボランティア教室ではどのようにとりいれられるか?
→A 一対一で90分教えるとのことだったので、そのうちの30分を使ったらどうか。本は金沢国際交流ラウンジ日本語部門で買っていただいたらどうか。そのほか図書館も利用してください。

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みなさん、期待以上に「よむよむ文庫」「多読ブックス」に関心を持ってくださり、当日買えないのか、どこで手に入るか聞かれ、多読ブックスの価格表も見たいと言われました。何より嬉しい驚きは、なんと「多読授業入門」を1人の方がすでにお持ちで、この本の執筆者の講演ということでとても楽しみにしたと言ってくださったことです!

たった1回、1時間半の話ではなかなか腑に落ちないでしょうし、ボランティアでどのように多読が取り入れられるかわかりませんが、なんとか学習者のために多読多聴が実践できますよう、期待しています。
(川本)