Tadoku新サイト: 「レベル目標」のむずかしさ

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Tadoku新サイトの定期更新はいったん完成しました。
今後はまだできていないところ(クリックしても跳ばないリンク)を
ゆっくり、じっくり、たっぷり追加していきます。

で、さっそく改善のために見ることができないページが出てきました。
行けばすぐわかりますが、内容を改めて検討することになったからです。

よくよく練ったページなのになんで内容を見直すことになったのか?
そこに多読・Tadokuの大きな矛盾が潜んでいました・・・

・・・なんてまるでNHKのドキュメンタリーみたいな厳かな口調で
気を持たせてしまいますが、この矛盾については一度すでに書いています。

 

上の削除したページは「多読・Tadoku Q&A」の一つで、
Answer に何が書いてあったかというと、レベルの問題です。
「どのくらい読んだら、どんな本が読めるようになるのか?」
この答えには製作委員会もだいぶ悩みました。

悩んだ理由は二つあって、
一つは、どういう風に表現しようか、という問題。
たとえば・・・
「100万語読んだら大人向けペーパーバックが読めますよ」とか、
「1年間で洋画が字幕なしで楽しめます」とか、
「半年で英語で話したくてしょうがなくなります」と表現するのか?

いろいろ悩んだあげく見えなくなる前のページには
「半年から3年で Marvin Redpost、Dustbin Baby、Charlie and the
Chocolate Factory、Da Vinci Code のようなペーパーバックが読めます。」
と書いてありました。

すると公開直後にNPO多言語多読の理事から疑問が呈されました。
「たいていの場合、その期間でそのレベルまでは行かないのではないか。
その期間にそこまで達しない人をがっかりさせることにならないか?」

数日考えた結果、製作委員会はこのページを見ることができないようにして、
そう書くか改めて考えることにしました。この記事もその再考の一環です。

再考の中で、製作委員会はレベル設定云々を越えた問題に気がつきました。
つまり「レベル目標設定」そのものにまつわる問題点です。
「楽しく」を標榜するTadokuがレベル別の進度測定「わかる・わからない」を
設定していいのか?

「楽しい」と「やさしい」は矛盾するという発見をしたのは
製作委員会ですからね、進度設定の矛盾もよくわかっていて、
「いっそこのページはなしにしてしまおうか」という方向も話題に
なっています。

で、わたしが一泊二日の夏休みで考えたこと・・・

これは多読普及当初からわたしが言ってきた矛盾と同じではないか?

「千人に向かって言うことと、一人に向かって言うことはちがう」

つまり千人に対しては「辞書は捨てろ」と言う。
なぜなら頭に残りやすいから。
頭に残ると、たとえ引き続けても、
「さかいさんが後ろで辞書を引くかどうか見張っている」
ような気がして、辞書から次第に離れていきそうだから・・・

それに対して、一人に対しては、細かく見守れる場合は
「じゃあ、しばらくそのまま辞書を引き続けて、
少しずつ引く回数が減るかどうか、見ることにしましょう。」
などと言う。

千人に対して言うことと一人に対して言うことは矛盾していますが、
それでいいのだ!

「それでいいのだ!」をウェブページの上でどう実現するか?
新サイトの展開はまだまだまだだままだまだまだまだ続きます・・・

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