GR を疑う ORT を疑う ペーパーバックを疑う

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なんだか殺伐としたタイトルが続きますが、許してください。
それというのもつい最近「言いたいことを言ってしまいなさい」という忠告を
二人の人から受けたこと(すでに書きましたが)からなのです。

で、「・・・を疑う」シリーズ前回は「なんでも疑う!」だったのですから、
なんでも は なんでも なんだということを言いたくて・・・

(実は昨年の12月に学研から出す本の第1稿を仕上げました。
その後2月になって右の肩がおかしくなって、マウスの操作がむずかしくなりました。
そのうち治るだろうと思っていたら4月になっても治らない。
そこで我が家では「70肩」という診断になり、できるだけ右手は使わないようにと
思っているのですが、どうしても使ってしまいます。

つい最近、それに第1稿にどう手を加えて最終稿にするかという打ち合わせがありました。
で、まもなくまた原稿書きの日々が迫っている。マウスはいまのところ左手で操作します。
キーボードも左手にしなきゃいけないかもしれません。いろいろ迷惑をかけるかも
しれないので、先回りしてお詫びしておきます。)

で、長い前置きの末に、箇条書き・・・

* 多読の人間国宝の二人はほとんどORTを読んでいません。
いわく「教科書みたいでつまらない」。
Oxford Reading Tree  はかなりたくさんの人に歓迎されますが、
お二人のような人はほかにもいます。ちっとも変ではない。

もう一つ。先週わたしは青山学院大学のある授業に呼ばれて多読の話をしました。
話が終わって質疑応答のときに、ある学生が手を挙げました。
「質問ではありませんが、昨年度ORTを使った多読の授業を取りました。
でもつまらなくて多読が大嫌いだったのですが、きょうのお話を聞いて楽しさが
分かった気がするので、もう一度多読を始めます。」
ORTさえあればなんとかなる・・・なんてものではもちろんないわけです。

* ORTを「教科書みたい」という人がいるのだから、
Graded Readers を教科書みたいという人がいるのは容易に想像できます。
実際、「GRは分からないところがないので読みやすい」という感想は
「生の英文はどんなに「やさしい」幼児向けの絵本でも「読みにくい」ことに通じます。

ある人風にいえば「GRの失敗は「分からない」ことを許せなくなること」かな?
ほかにもGRに頼ることは大きな落とし穴がありますが、
ここで言いたいのは「なんでも疑う」という姿勢のことなので、
落とし穴の詳細についてはこのブログで<GR>を検索してください。

なお、GRにはGRでなければ果たせない大事な役割があります。
GRからペーパーバックへと 文字だけの歩み方 に大きな問題がある可能性があると
考えています。

* ペーパーバックを読めればゴール?
GRからペーパーバックへと 文字ばかり読んできた 場合は、ことばの氷山が
できていないことがあるようです。その場合、特定の作家以外は「読めない」といった
不自由が出てくる場合があります。

「ことばの氷山」の作り方は 絵本+朗読 や 幼児用anime や 海外ドラマ や
映画 を浴びるほど字幕なしで楽しむことでしょうね。
すでに特定の作家のペーパーバックは読めるという場合は、絵/映像+音 で
急速にことばの氷山ができるのではないかと予想しています。
だれか試してくれませんか?

要するに、100%よいことばかりなんていう話はない、そういう話こそ疑うべきだ、
ということですね。
ああ、またしてもたくさん書いてしまった・・・ 音声入力を試してみようか?

追伸
左手でマウスは最初ちょっとだけ不自由な感じでしたがすぐに慣れました。
同じようなことになる人がいると思うので老婆心を発揮。

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