外国人はいつまで外国人か? 

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きのうの続きです。
「ぐちゃぐちゃ英語の方が気持ちいい」というのは、分かりにくい感想ですね。

でも、英語独特の音のくせに慣れると、カタカナ英語やきっちり発音はかえって
分かりにくい場合があるようです。

わたしはさすが学校の先生を長くやっていたので、
カタカナ英語だろうと、きっちり発音だろうと、分かります。
わたしも分からなくなりたい・・・

「外国人はいつまで外国人か?」という表題で、「あの話だな!」と分かる人も
いるはずです。「外国人を食べ物扱いにするのか!」と轟々たる非難を浴びた
この記事です。今は訂正してありますが、元の代はたしかに失言でした。
ああ、神奈川県の県議のようではないか・・・反省。

日本で聞く英語には二通りあって、
一つは日本独特のカタカナ発音、もう一つは学校英語のきっちり発音--
結局どちらも英語独特の癖がないので、日本に来た外国人は必死でそれに
慣れようとする・・・

酒井先生

昨日、また新たな経験をしました。
最近、外部の方を交えた分科会があって、1人、アメリカ人の方がいるんです。
彼は日本語で聞き取り、英語で発言するのですが
日本人を気遣って、ゆっくり一言一言はっきり話すんです。
これがわかりやすいようで、なぜか、意外と頭に入ってこない…。
酒井先生は「一語一語に注目するとわからなくなる」とおっしゃっていましたよ
ね??
あれを経験しました…! 不思議…。

↑ まずここです。これが学校英語や英語学習の常識と正反対ですね。
普通は ゆっくり の方が分かりやすいということになっているでしょう?
だからNHKの外国語講座はどれもスローモーションのようにゆっくりしゃべります。

ところがナッツボンさんにはそれが「意外と頭に入ってこない・・・」。

(ゆっくりの方が分かりやすいと思っている場合は、まだまだ英語に慣れていない
可能性があります。うーん、でも、ナッツボンさんと同じように感じる場合は
どのくらいあるのだろう? かなり厳しいことを書いている・・・
あ、わたしは分かりますよ、ナッツボンさんの言っていること。)

まぁ、話のテーマがはっきりしているので
ほぼ聞き取れるのですが、一語一語ずつ理解するので、すごく疲れました。
その場の日本人全員が急に緊迫する感じでした。

笑っちゃうのが、その人、
「日本人は日本人向けに懇切丁寧すぎる英語教育を受けているから、
6年学習した高校3年生ですら、簡単なフレーズも理解できないんだ」と
すっごくゆっくりはっきりした英語で我々に訴えていました!!!(笑

最後は笑えますね。最初の2行は実にその通りなのですが、
それを英語で伝えるには 「すっごくはっきりした英語で」 訴えなければならない!
なんとも、おもしろうてやがて哀しい・・・

その「すっごくはっきりした音で、日本語に訳しながらでも聞き取れるくらいゆっくりした
英語で伝えなければ分かってもらえないと悟ったところで、外国人は外国人では
なくなるのですね。

NHKの英語講座の外国人の話す速さがちょうどいい、あるいは速すぎるという
場合は、ぜひもっと速い英語をたくさん聞いてください。もちろんそのときに
映像がついていなければいけませんね。NHKの英語講座の速さが速すぎる、
またはちょうどいいという人にはぜひ、映像つきの英語をたっぷり!

ナッツボンさん、メールをありがとうございました!
また何かおもしろいことがあったら知らせてください。

追記
多読・Tadoku はたくさんの常識をひっくり返してきました。

速く読むよりゆっくり読んだ方が分かる--はは!
外国語はまず基本単語を覚えなければいけない--まさか!
ことばの基本は単語である--とんでもない!!
文法を知らなければ文の意味は分かるはずがない--よくまあ・・・
外国語は母語よりも獲得に時間がかかる--Speak for yourself!

どれも多読・Tadoku のパラドックスですね。

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