卒業について 「話す・書く中心クラス」のメーリング・リストから・・・

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講座に直結している話題なので、NPO多言語多読ブログの方に書くべきなのですが、
まだまとまっていなくて、覚え書きのようなものなので、多少とも個人的なこちらの
ブログに書くことにしました。

きょうは「話す・書く中心クラス」の卒業生はこんなことを考えているという例です。
NPOの講座がどんなものか、少し分かってくるのではないかと思います。
「話す・書く中心クラス」の人たち向けにメーリング・リストが始まったことはちらりと 書きました。
昨年の5月からこれまでに2500通を越えています。 そのMLにある卒業生が書きました。

最初に出てくる h さんはTadoku仲間で、 修士論文の主題に多読を採り上げて、いま修論を
必死に書いているところだと 思いますが、この前の秋にこの卒業生に面接をしたのです。
その時のことを振り返って、 新年になってから投稿がありました。

(最初に出てくる salon というのは、卒業生が月に何回かNPOの事務所に集まって
語り合う場のことで、もう一人の卒業生が中心になって、少しずつ発足の準備が
始まっています。)

みなさま、明けましておめでとうございます。
New Year’s  Resolution 的なものではありませんが、salon の発足に向けて、という訳でもありませんが、つまりなんでもないのでありますが…

hさんをみなさんご存知ですか? 訳あって、hさんからの多読についてのインタビューに答えたときに、「多読って基本的に解放されていくもんだと思う」と僕は言ったらしくて、そのことについて昨日、何からの解放なの?と質問が来たのでそれに答えたのであります。その僕の答えをここに… え?ながい?特に返信を期待しているものではありません。ただ、なんだかとてもすっきり答えられたので…

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社会的要請(うまい言葉がみあたらないので、とりあえず、外からの要請という意味合いです)からの解放ですね。 言葉を身につけるのに本人に必要なのは好奇心と表現欲だとおもうのです。幼い子供はみんなそれをもってる。もってるから世界に飛び出すだけでその世界で使われてる言葉が身についちゃう。でも大人になるにつれて、社会的な要請に応えるように(そうしなきゃ生きていけないから)相手の求める答えを探したり、まわりに同調しようとしたりするようになる。いや、そんなことだけじゃなくて、わがままを聞いてもらえる幼い子供じゃなくなったら、もう、ありとあらゆる局面で好奇心と表現欲は邪魔になる。そしていつの間にか、何を知るべきか、何を表現するべきかは、社会が外から要請してくるのが当たり前、それに従わなくちゃ、そこから外れるのは怖い、ということになっちゃう。僕が解放というのは、その、社会的要請からの解放です。そこから解放されることで、好奇心と表現欲を取り戻す、それが多読のプロセスなんだと思うのです。例えば本を自分で選ぶとき、その感想を言おうとするとき、人の感想を聞くとき、初めて人前で英語を話そうとするとき、そういうプロセスは全部、好奇心のままに進んでいいんだ、自分をそのまま表現していいんだ、ということを年齢を遡るように経験していくことだとおもうのです。

なんだか話がでっかくなりましたが、英語や言葉しかみてない多読支援の人達の危うさは、このでっかい話が見えてないからな訳で…

おっといつの間にか愚痴に 僕が多読はもうわかった!っておもったのは、僕の好奇心と表現欲を潰そうとするものを、遠ざけるか、自分から遠ざかるかすればいいんだな、とわかった時です。多読の方法論自体はこれからも進化してくだろうし、その時は先生に教えてもらえば済む訳で、そこはなんら問題じゃない!なのに学校の先生達はいつも方法を知りたがる!おっとまた… という訳であります。答えになってるかな?

******

何も付け加えることはありません。 こういう「でっかい話」が見えているということが、
この人を卒業に踏み切らせたのでしょうね。 実はこの人が「でっかい話」見たのは、
実際の卒業よりもだいぶ前のことのようです。 だれか他の人が卒業して、いわば salon を
作って遊んでくれなければつまらない、 というので、昨年の秋まで卒業を延ばしたのですね。

で、木曜日、金曜日の人たちはみんな卒業してもいい人たちだなとわたしは思います。
もちろん、卒業せずに、自分のここを解放したいという分野がある人は、引き続き
受講していますが、みなさんすでに「自分の足で歩ける」人たちなのです。

次の記事では上のメールのある部分に反応したもう別の人のメールを紹介しながら、
受講生のみなさんが
た だ 英語 の 力 を 伸 ば し た
だけではないということを お知らせしようと思います。お楽しみに!

なお、まだ卒業について解説を始めたばかりですが、質問疑問はいつでも歓迎します。
twitter: kunisakai
Facebook: 酒井邦秀
メール:tadokuorgあとまあく gmail.com または info あとtadoku.org
(メールはどちらもさかいとNPO多言語多読事務局両方に届きます。)

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