決まり文句考 +bitesize +音は落ちる 種明かし篇 

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今回は一人しか連絡がありませんでした。
みなさん、ショックを受けるなんでいや!と思われたのでしょう。
ショックは学校の試験だけでたくさんですよね。

でも、このたった一つの連絡がわたしにはショックだった・・・

メールをとにかく引用します。差出人はT.Kさんです。

酒井さん
よっぽど落ちるにも程があります。
ショックを強烈に感じたくはないですが。

Cool.
We are walking back in.
Let’s check it out.

問題は最後の1行です。
この録音は講座で10人以上の人に聞いてもらいましたが、最初の Let’s が聞こえた人は
いませんでした。みなさん、「まさか!」と、驚きの声を上げていました。
おそらくあの録音を聞いた人はほとんどみなさん同じでしょう。

それで、わたしはもう一度考え始めました。
わたしは最初に聞いたときに、
「お、これは Let”s がほとんど聞こえないぞ、音は落ちるのよい例だ」
と思ったのですが、その「ほとんど聞こえない」部分をT.K.さんやわたしが「聞こえた」のは
どういうことなのか?

T.K.さんやわたしが聞こえたのはただシャドーイングをたくさんやったので、
かすかな音が聞こえたのか? けれども Le が音になっていないことはたしかです。
わたしは画面を見ながらでしたが、T.K.さんは音しか聞いていないので、
場面から類推したわけではなさそう。)

で、思い出したのですが、8月7日の金曜講座で check を shake と聞いて、
Shake it out. のように答えた人が数人いたのです。
その時はただの聞き違いかと思いましたが、そうではないかもしれません。
つまり Let:s の Le は完全に落ちていて聞こえませんが、Let’s の ts が次の ch と結びついて
sh と聞こえるのではないか? それをT.K.さんやわたしは Let’s che と頭の中で作り直したの
ではないか?

わかりませんが、おそらくそうした微妙なことがあって、落ちている音が落ちていないかのように
わたしたちは理解するのかも知れません。これは英語にかぎらないはずです。

なお、最初の2行はちょっと違っていました。

Go on.
Break him back in.

実は Go on. をそのまま聞いた人は一人しかいませんでした。
またT.K.さんの2行目は考えてしまったのかもしれませんね。
Break him back in. という文はわたしもはじめて聞きました。
break は野生馬などを「馴らす」ときに使う表現で、
この場合はけがをして現場から遠ざかっていた刑事を事故後はじめて現場に連れて行って
「復帰させる」という使い方です。

わたしは場面を見ているのですぐにわかりましたが、これを意味がわからないまま、
Break him back in. と聞いていた人が3人いて、これは「音は落ちる」とは別の意味で
びっくりしたことを付け加えておきます。

さて、最後にもう一度この話題の主旨を振り返っておきます。
これは「さあ、この文がちゃんと聞こえるかな?」というテストではありません。
こんなに音が落ちるんだ、ということをみなさんに印象づけたくてこんな質問形式にしています。
ぜひそこをお間違えなきよう・・・

unlearn を願って何か言うと、決まって learn しようとするする人が出てきます。
困ったもんだ。「お勉強」の姿勢というのは抜けないものですねえ・・・!

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