多読の広がりについて

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先日、文科省の公式文書に 「多読」 の文字が載ったという記事を
書きました。学校への広がり・浸透がやっと緒に就いた感があります。
つい数日前、原稿書きの資料探しでグーグルを使って、
「多読」という文字を検索しました。驚くなかれ、1000万件近くヒット!
本当?と訝しく思いましたが、ま、そういうヒット数が出るものなのだとしましょう。

けれども、問題は広がり方です。調布の佐藤さんが、「週刊エコノミスト」
という雑誌の言う「多読」について書かれた記事を知らせてくれました。

 こんにちは。調布の佐藤です。

今日発売の「週刊エコノミスト2014年12月31日・1月7日合併号」(毎日新聞社)が第2特集で英会話を取り上げています。

週刊エコノミスト
2014年 12月31日・1月7日合併号
毎日新聞社
特別定価700円

 1月6日発売の2014年1月14日号の特集も英語に関係した内容です。こちらは語学の話ではなく、経済の話のようです。

英語と経済
金融を支配する覇権言語になった理由/世界は多言語化へ

今年こそ 本気で英会話
111ページから118ページまで

115ページの左上に「英字新聞、雑誌を読むには単語の学習が効果的」と題した編集部執筆の囲み記事があります。添付したPDFファイルは、そのページです。

「多読」という言葉が広がりましたが、ここで使われている「多読」は誤用というか、私たちが使っている「多読」とは違うのでメールを書きました。「単語」、「学習」とか書いている時点で、「多読」の本質を失っていると思いました。このような「多読」の使い方をするから、英語で苦労する人々を量産し続けているのでしょう。このような形で「多読」がビジネスパーソンに認識されると迷惑です。

ただ、週刊エコノミストは週刊経済誌(日経ビジネス、週刊東洋経済、週刊ダイヤモンド)の中では部数が最少です。

今、オフィスで仕事中です。

調布の佐藤

ま、「誤用」ですね。けれども、今は「単語」や「学習」などと結びつけた、
本質を見失った多読が、ずいぶん広がっています。
学校では旧来と変わらず辞書と文法分析を使った「多読」が
当たり前のようになっています。

裾野が広がると言うことは初期の考え方が薄まるということなので、
学校ではそうなるだろうということは予想していました。
けれども、社会人の間でもそうなるとは・・・
(多読の初期を支えて広げたのは30代40代を中心とする人たちだったのですが。)

マイナス面として、わたしはずいぶん前からこのまま単語や学習を伴う多読が学校に
入っていくと「多読があるから英語は嫌い」という生徒が出てくると予想しています。
調布の佐藤さんの「予言」・・・

このような「多読」の使い方をするから、英語で苦労する人々を量産し続けているのでしょう。このような形で「多読」がビジネスパーソンに認識されると迷惑です。

・・・が当たると、多読は社会人をも苦しめることになるでしょう。

ま、それはしかし普及に伴う当然の変化であります。
わたしたちは変わらずにいましょう。
「ポピュラー多読」で多読を知った人の中で5%くらいは、いつかこのサイトに来て

「元々はそういうことだったんだ!」

と目覚めてもらいましょう。

このサイトに集う人たちの仕事は尽きません。がんばりましょう・・・!

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