学校英語を洗い流す belong は 「所属する」よりはるかに強い!

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さて、1週間前に投稿した記事についてです。
今回もブログの記事を読んですぐに返事をくれた人がいました。

I belong to XXX club は、わたしも、ふつうに「わたしクラブに入ってるんだ~」、という文脈では、ちょっと違和感あるかな、という気がする。もしそのように言うとしたら、クラブを追い出されそうになっているとき、とか? みんなはわたしをここから追い出そうとするけど、わたしはテコでも動かないぞ、なぜなら、わたしは“生来ここに属するもの”なのだから、みたいな感じで、“I belong to this club!!”って、叫ぶ…とか?(笑)

わたしの意見も同じです。

belong は 「所属する」 よりも相当強い場合が多いような気がしますね。
ジャズのスタンダード・ナンバーでMy Heart Belongs to You というのがありましたね。
この場合は強烈な愛の伝え方、というよりは脅迫か?

それからわたしがよく引用する映画「ショーシャンクの空に」 Shawshank
Redemption の冒頭にも belong の重い役割をほのめかす例があります。
新入りの囚人たちに向かって、銀行の重役か大学教授のような身なりの
刑務所長(これも名演!)が聖書をかざして垂れる訓示が
こわい!

I believe in two things. Discipline and the Bible.
Here, you’ll receive both. 
(holds up a Bible)
Put your faith in the Lord. Your ass belongs to me.
Welcome to Shawshank.

つまり、非常に強くて、切れないことが前提の帰属を語るのが belong の
基本な役割なのだとわたしは今のところ考えています。
メールの主も同じ感想のようですね。

だから I belong to XXX club. と言うのは、繋がりが切られるかもしれない
瀬戸際で「叫ぶ」ことになると感じたのですね。

(なお、Your ass belongs to … は決まり文句です。
あちこちに出てくるはずなので、出てきたら出現箇所を知らせてください!)

さて、あなたの I belong to XXX club. への反応はどうだったでしょう?
もし・・・

「belong は 「所属する」 っていう意味だから別におかしくないんじゃないかな?」

ということだったら、学校英語のしつこさを少し考えてもいいかもしれませんね。
次回の話題を楽しみにしてください!

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「学校英語批判」という題名からすると意外かもしれませんが、
わたしは学校英語が間違っているということを言いたいのではありません。

意外に聞こえるとしたらまだまだこのことを繰り返し書く必要がありそうですが、
「学校英語批判」という記事の最終的な目的は「学校英語の間違いを指摘すること」
ではありません。そうではなくて、わたしの頭の中の、そしてみなさんの頭の中の
学校英語を洗い流したいのです。

「間違っているか、正しいか」はどうでもいいです。言葉に「正答・誤答」なんてない!

(あるとすれば伝わりやすい言い方と伝わりにくい言い方がある程度。
伝わりにくい「言い方」でも、身振り手振りや実物を見せるなどで伝わりやすくする
手はあります。マルバツでは決められません。)

学校英語の「決まり事」を洗い流せば、みんなそれぞれの日本語の上に育った
「誤答」を平気でするようになる--その全体を Japanese English と呼ぶとすれば、
それはむしろ美しい光景だろうと思います。

今は次のような二つの「誤答、間違い」が混在して、実にきたならしい光景なのです。
二つとは・・・

*日本語を母語とする人が当然犯す間違い
--これは日本語と英語の根本的なずれに原因があります。
したがって、日本語を使うひとならだれでも同じように間違える傾向があり、
これは根絶はありえません。

(むしろ日本語使用者の証し、誇りとも言えます。)

ただし、「だれでも」同じように間違えるので、
日本語話者が英語でどんどん発言するようになれば、いずれ Japanese English とは
そういうものだと了解され、受け入れられるようになるはずです。

*学校英語がわたしたちに学習させている間違い
--こちらは日本語との違いから「自然に出てくる」間違い・ずれではないので、
学習しなければ犯すはずがない「間違い・誤り」です。いわば
「雉も鳴かずば打たれまい」に当たる?

こちらの具合の悪い点は、「学習」の程度によって、間違える人と間違えない
(学校英語をちゃんとやらなかった)人に分かれることです。
つまり間違え方がバラバラ! いつの日か、間違えているなりに「整った」
Japanese English と了解される可能性は小さい・・・

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