名古屋YWCAガリ勉クラブの多読報告!

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夏に多読セミナーを行った名古屋YWCA「ガリ勉クラブ」の多読のその後の報告です。

多読セミナーに呼ばれてお話しした後、実際にそれが、どのような多読活動に結び付いたのかいつも気になります。
名古屋YWCAの「ガリ勉クラブ」からは時折、多読授業の様子を知らせるお手紙が届き、こちらもいつも励まされています。
報告者はボランティアのOさん。
多読、および多読用図書の収集に大変熱心で、私費を投じて少しずつコレクションを育てていらっしゃって、みんなに「多読王子」と呼ばれているそうです!

◆数か月前のことになってしまいましたが、まずは、夏休みの多読授業についてOさんの報告をお読み下さい。

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ガリ夏多読 (1)

ガリ勉クラブの蔵書には、NPO多言語多読監修の多読用教材のうち、「よむよむ文庫」(アスク出版)と、「にほんご多読ブックス」(大修館書店)、私が持ち込んでお貸ししている「あいちゃん」シリーズ、「小説ミラーさん」、「日本語学習読本」と「KCよむよむ」の一部、NPO多言語多読のワークショップで製作された教材などが若干あります。
しかし、それ以上に大きかったのは、市立図書館で、NPO多言語多読のサイトにある一般図書をたくさん借りられたことです。お陰様で、かなり充実した多読授業、多読活動を行うことができました。

学習者さんたちに、本を集めたテーブルまで選びに行ってもらって、指定された島(?)の指定された席に戻って、読んでもらい、毎回、読んだ本とページ数、レベル、感想などを記録用シートに記入してもらいました。

ガリ夏多読 (2)

コーディネーターの先生方の元締めであり、ガリ勉クラブの熱心な多読支持者でもあるK先生のお話では、大勢の学習者さんたちが、意欲的に多読を進めて、あっという間にレベルを2つ、3つ駆け上がるように上達する学習者さんもいたそうです。

その一方で、どんな学習法でも、それが合わない学習者さんが必ず出ると、話としては存じ上げていた積りでしたが、実際、私の担当した班でも、6名ほどの学習者さんの内、大半は嬉々として多読に取り組んでいましたが、1名だけ、読書が苦手というよりは、日本語の学習進度、習得度合いで、立ち遅れていた学習者さんが、案の定苦戦していました。元々、読書自体も苦手だったのかも知れません。

多読のルールについては、ボランティアの先生方には、事前に周知されていたので、大抵の先生方が、なるべく口出しはせず、学習者の自主性を尊重と言いますか、自分で興味の持てる本を選んで、読んでもらっていたように思います。

ガリ夏多読 (5) (1)
(にほんご多読ブックス「卑弥呼」を読んで、EテレのNHK for School「歴史にドキリ」を見てさらに理解を深めているところです)

ガリ夏多読 (4)
(ブックトークの時間)

その後、ガリ勉クラブは、2学期に突入しまして、夏休み教室とは、学習者さん達の面子も変わって来ております。それでも、多読は続ける積りで、夏よりは少ないですが、図書館の本も多数借り出しております。

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◆そして、冬休みにも特別に多読の日が設けられたようです。以下はK先生とOさんからの報告です。

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冬休み教室は12月26日と1月6日に行い、どちらも1時間ずつ多読の時間を作りました。

名古屋市図書館から借りた本は返却してしまったのですが、ガリ勉クラブの蔵書であるよむよむ文庫と多読ブックス、加えて、ダウンロードGR教材、絵本、漫画、児童文庫、児童読み物集などをありったけ並べて、多読授業を行うことができました。

そこへ名古屋近郊の公立小中学校の先生方が見学されました。
皆さん、NPO多言語多読のGR教材については、それぞれの学校に用意があるそうですが、一般図書まで広く利用しての多読授業をご覧になるのが始めてであったそうでして、その辺りにとても感銘を受けられたようです。

3学期になってからも多読は続けています。最近は自分で本を買ってきてそれを教室に持ち込んで読んでいる子もいます。
それだけ本を読むことが身近になったということで、これは間違いなく「多読効果」だと思っています。

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夏からなんらかの形で多読が続いていたんですね。
子どもたちも読む習慣ができつつあるようです。Oさんの文庫もますます充実していると聞きました。
さらに、ほかの小中学校へも広がりそうな勢い。すばらしいですね。

今度は、実際に生徒さんたちが読んでいるところにぜひお邪魔したいと思いました。

(粟野)