3月26日(日)第33回「多読授業とリライト」入門講座報告

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冷たい雨の降る中、3月26日の「多読授業とリライト」入門講座に6名の参加がありました。講師は松田緑です。

・日本人の配偶者で、長く日本に住んでいるにもかかわらず、なかなか日本語が上達しない人たちの支援をしていらっしゃる方。
・難民やその子どもたちの日本語支援に関わっている方。
・介護士になるために来日したインドネシアの人たちが、文字に拒絶反応があるため日本語習得が進まないとおっしゃる研修センターの方。
・本をたくさん読んで日本語能力が向上した留学生に出会ったという方

など、様々な動機を持った方々が、多読授業に関心をもって集まってくださいました。

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まず、「多読とは何か」「読み方のルールとは」という講師からの問いかけに、参加された皆さんから答えが返ってきました。いくらか補足したところで、早速参加者から質問が出ました。

・上級者でも易しい本から始めるのですか。

――はい、絵をよく見て、絵やその状況と一緒に言葉が入ることが大切です。訳さずに読む習慣をつけてほしいのです。ただ、読みたい本があってどうしてもその本を読みたいと言ったら、無理強いはしません。

・次々に本を取り換えて、落ち着いて読めない子にはどうしたらいいですか。

――その子の好きなジャンルの本を薦めます。虫が好きな子には虫が出てくる本というように。

・漫画でもいいですか。

――はい、漫画は言葉に必ず絵がついているので、おすすめです。

「教師の役割は?」という問いかけには、‘合わない本を読んでいると思ったら、別の本を薦める’という答えが返ってきました。教えないというスタンスはお分かりのようでしたので、それ以外の教師の役割についてお話しました。

多読授業についてイメージが少しできたところで、授業風景を動画で見ていただきました。支援者の声のかけ方や、多読は話すことにもつながることなどを理解していただけたと思います。

午前の部の最後に、英語、韓国語、スペイン語の多読体験をしました。英語では文字なしの絵本からの体験です。韓国語とスペイン語では同じ言葉が何度も出てくる本を見てもらい、絵をよく見ることで、ストーリーや出てくる語の意味がだいたいわかることを実感していただきました。

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午後はリライト体験。

リライトのポイントについて説明したのち、語彙表、文型表を見ながら、3人ずつ、2つのグループに分かれてスタート。

イソップ寓話4話(「ウサギとカメ」「アリとキリギリス」「田舎のネズミと都会のネズミ」「ネコとネズミ」)から1つ選んで、絵もつけてレベル0のお話を作ります。

「ウサギとカメ」を選んだグループ、「ネコとネズミ」を選んだグループが、語彙表を見ながら読み物づくりを始めました。

「この言葉は使えないね」「でも絵でわかるんじゃない?」などと話し合いながら、作っていき、ほぼできたところで読み直して日本語として不自然ではないかどうかをチェック。1時間ぐらいの間に絵も描いて、ホチキスでとめてできあがり。できあがった作品をみんなに見せながら読み聞かせをしていただきました。

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その後で、当NPOが作った本も見ていただきました。

少し休憩をした後、「注文の多い料理店」のリライトをしました。

言葉を易しくするだけでなく、どこを削るかについて考えたり、読者にとって理解しにくい場面をどうわかりやすくするか、宮沢賢治らしさをどうやって残すかなど、いろいろなことを考えながら、レベル3の読みものとなるように作っていきました。

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1時間ほどたったところで、できたところまでをグループごとに読んでもらいました。

それぞれ、削ったところ残したところに違いがあり、言葉の選び方にも違いがみられ、違った味わいの読みものができました。

最後に、この講座に参加した感想をうかがいました。

・実際にリライトしてみて、難しさがわかった。どこまで変えるかの判断や、アイディアも必要だと思った。
・絵本の中に楽しみが感じられたので、読むことのつかみを大切にしたい。
・多読で翻訳の弊害を乗り越えられるのではないか、推測力が身につくのではないかと思った。
・4月から始める授業の準備や授業の運び方が少しわかってきた。

講座が終わってからも、本棚の前で多読に使える市販本についての説明を受けたり、多読の取り入れ方を相談したりする姿が見られました。

(白石)

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