タイ・バンコクでの日本語多読普及報告(続)!

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以下は引き続き、タイ・バンコクでの多読セミナーの報告です。


12月多読発表報告
山口 ひとみ

日時 :2015年12月19日(土)
場所 :国際交流基金バンコク文化センター
実施 :タイ国日本語教育研究会月例会
参加者:18名程度

12月19日にバンコクで月1回開催されている、タイ国日本語教育研究会の月例会で多読についての発表をしました。この研究会は月1回、バンコク・バンコク近郊で日本語を教えている教師が国際交流基金バンコク文化センターの教室を借りて、集発表や勉強会などを行っています。内容は以下の通りです。

● 多読とは何か?
● 多読の効果
● 多読のルール
● 実践紹介

多読の説明を始める前に、私が多読に興味をもつようになった経緯を話しました。タイで日本語を数年教えていて、感じた悩みの一つに日本語インプットの少なさでした。この点については、他の先生も同様に感じているようで、頷きながら聞いている先生もいました。その後、多読についての話を進めて行き、途中で5〜6人のグループになってもらい、多読で使った本(多読ライブライリー・絵本・マンガ)を実際に手にとって見てもらいました。また、学生が記入した読書記録も見てもらいました。本・読書記録を見ているとき、参加者から様々な質問があったので、下に簡単にまとめてあります。

実践紹介では、私が多読を実施した3クラスについて、平均読書冊数、要した時間、学生アンケートの結果(2クラス分)を紹介しました。

学校によって学生の状況・所有している本の状況は様々ですが、今回の発表が多読を実施したことがない先生の参考になったのではないかと思っています。今後は多読を実施した先生方との情報交換などを行っていきたいところです。

参加者からの質問

アニメのDVDは見せないのか
〇 理系の学生が興味を持ちそうなロボットなどの話は0レベル等にはないか
〇 たくさん多読の本を読んだ学生はもともとタイ語でも本をたくさん読んでいるのではないか
〇 学生アンケートの結果で、「多読が楽しくない・読み続けたくない」と答えた学生の要因は何か
〇多読をやって学生にどんな変化があったか
〇本の面白さと難しさには何か関係性が見られたか

参加者からのコメント

・  具体的な話や絵本の紹介があり、役に立ちました。
・  教科書以外の日本語を知りたい学生・日本文化に興味がある学生も多いので、0レベルの本なら授業に取り入れて行きたいと思っています。
・  多読やってみたいです。具体的に紹介してくださったので、分かりやすかったです。
・  タイの学生は本を読む習慣がなさそうなので、このような活動に触れられれば、タイ語・日本語の本そのものに興味を持ってくれそうです。
・  本がある環境でなければ難しいなと思ってしまいました。今は電子書籍も充実しているので、それを利用するのも一つの方法かと思いました。日本語を読むことに慣れるためにとてもよい方法です。
・  多読と読解。なぜ読むのかという疑問がありましたが、達成感・満足感を与えるという意見がおもしろかったです。
・  多読のお話が大変わかりやすく勉強になりました。多読のよさを信じて迷わず実践していきたいと思います。

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タイの学習者は読書しないと決めつけずに、まずは読んでもらってほしいです。
理系の学生が喜ぶ話・・・がんばります!

(粟野)