11月29日(日) 第24回「多読授業とリライト」入門講座 報告

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11月29日の「多読授業とリライト」入門講座。
参加は4人。日本語学校の先生3人、聾学校の先生1人でした。

まず、この講座への参加理由、何を知りたいかも含め自己紹介をしていただきました。

★多読を授業に取り入れているが、一コマ(45分授業)のみなので、あっという間に終ってしまう。
仙台の日本語学校がご当地ものを作っているけど、日本のあちこちでご当地物を作れたらいいと思っている。自分でも作れたら良いが。

★聾学校では、中学生以上はアスク出版「にほんご多読ライブラリー よむよむ文庫」、当NPO出版「にほんご多読ブックス」を使っている。とても役に立っている。が、もっと年齢の低い子どもたち用に読み物が欲しい。それを今作っている。NPOといっしょに作っていけるのではないかと思って参加した。

★理屈で考えて、文法や用法を説明すると安心する人のほうが多いと思う。多読はそれをしないわけだから、受け入れてもらえるのか?
読むのが苦手、覚えるのも大変という学生に、ほんとに苦労しないでいつのまにか身につくと言われる多読、そんな良い方法があるならよく知りたい。

★特に非漢字圏の学生の読解力が低い、従来の語彙や文法を説明して読む精読では効果がでない。特にアラブ系の学生が一人で読めない。多読でなんとかなるなら取り入れたい。
また、学生が同じようなミスをするが、ミスをなくすためにミス部分を集めて読み物教材を作っている、その作成のヒントになるかと思い参加した。

以上、みなさんの声を受け止めつつ、以下の話をしました。

・私たちの考える多読とはどういうものか。
・インプットなくしてアウトプットはできない。
・言葉は、音の重要性、絵の大切さ、場面があってこそだ、ということ。

ここで、聾学校の先生が、当然だけれど音のない世界で生きている聾者と外国人学習者との共通点と相違点を話してくださいました。

「聾の問題と外国人の問題は、全く文法が違うという一致点がある。が、外国人は音から、または音とともに習得していく。当然だが聾者の場合、文字情報のみになる。そこが大きな相違点だ。解決策として、読みものに絵をつける、漢字を使ってルビを振る」

結果的に、私たちの作っている外国人向けのGRが聾学校の生徒さんに役に立つそうです。どんどん利用していただきたいと思います。

また、別の参加者からは次のような声も。
「多読の効果として、読む力だけでなく、話す、聞く、書く、すべての力につながることがなんとなくわかった、けれど、実際に授業に取り入れるとなると、カリキュラム、本をそろえる金銭的なこと、保管場所、管理など、いろいろ難しい問題がある」

次にやさしい英語の本を使って英語多読体験をしてもらいました。

「とても楽しい」
「名前が名前だと分からず、3冊目でやっとわかった」
「実は最近外国語の読解が苦手だと感じていたが、このくらいやさしいのだと読む気になる」
「音があるとよくわかる」

その後少しQAタイム
Q 本嫌いの学生にはどうしたらいいか(最近は多いという声多し)
A 「聴き読み」を勧めたり、映像を利用したり、読み聞かせをしたらどうか。

Q 絵を読むというが、字のない本を日本語を勉強しに来ている学生が読むだろうか?
A さっきの英語体験はどうだったか?楽しくなかったか?
Q 楽しかったけど、勉強にどう結びつくか学生がわからないと思う。
A あまり無理に勧めなくてもいい。絵を読む大切さを指導者が感じていれば問題ないと思う。

Q 同じものを何回も読むのはどうか?
A かつては、何回も読む学習者の気持ちがよくわからなかったが、最近スペイン語多読を始め、その効力がわかった。全く勉強したことのない言語を多読する場合、1回目より2回目、2回目より3回目とだんだん分かっていく。絵をよく見ながら音を聴いているとなぜか分かってくるので、良いと思う。

午後は、リライト体験。

〇はじめは「ウサギとカメ」

二人一組で、リライト開始。絵の展開を考えてページ割、テキストをのせていきます。
FullSizeRender

皮肉なことに、レベル1のつもりで作ったグループが限りなく0に近く、レベル0のつもりのグループが0にしては難しく、結局両者、差がない、これはレベル0で作ったほうがいいという結論(笑)

〇次は「蜘蛛の糸」
こちらは、二組ともレベル4で。レベル0で、場面の展開を考える楽しさにはまって、大きく場面決めから。

結果は、文字が少なく、レベル4の語彙や表現を使っているけど、長さから言うとレベル2?という面白いものが誕生しました。

「これは1人でやるより2人でやったほうがいい。一人打破とてもできない」
「おもしろかったけれど、多読の読み物がこんなに大変な過程を経てできてるんだと感動した!」

わお、ありがとうございます!

まだ多読に触れたことがなく、授業にも取り入れてない2人の参加者が、なんらかのかたちで一歩を踏み出してくださることを期待しています。
(川本)

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