【韓国語多読の会】 参加者の声 その二(しげる씨)「韓国語入門者における多読について考える」

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去年の7月から韓国語多読の会にご参加くださっていて、ほぼ「皆勤賞」のしげるさんがもうひとつレポートを寄せてくださいました。

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韓国語入門者における多読について考える

2年間ほど、ハングルがなんとか読める程度で進展がなかった私が、韓国語多読を始めて10ヶ月ほどで少し本が読めるようになった今、少しだけ多読について考えてみました。
本を読む際の文字の認識には、次のレベルがあるようです。
①ただの記号の集合
②記号を組み合わせて音にできる
③考えれば意味が理解できる
④パッと見て意味が理解できる(sight vocabulary)
日本語を母国語とする私が、韓国語多読を始めた時点のレベルは、ハングルを1文字ずつなんとか読めるかなといった程度なので、②のレベルでした。
そのような私が多読を始めた目的は、文章を読んで理解し、会話できるようになるためです。
韓国語の勉強を初めて直ぐに、ハングルを1文字ずつ読めるようにはなったのですが、元々勉強が嫌いなこともあり、2年近く停滞してました。
この状況を抜け出そうと考えた時に、幼い子がどうやって言葉を覚えていくだろうかと考えると、親との会話と絵本が思い浮かびました。そんな折に、絵本を読む多読の会があることを知り、多読を始めることにしました。
「多読」の目指しているところも、上述の④を増やすことにあるようなので、私の目的に合致します。
韓国も日本と同じで、西洋から入ってきた言葉がそのまま使われているものもあるので、バナナのようにほぼ同じ言葉が絵と一緒に出てくると、「あー、ここは絵の物を表してるんだ」と理解できます。このように絵と言葉がリンクしているものは、最初は知らない言葉であっても、関連付けが分かった時点で意味を理解することができます。
これを繰り返すことによって、③のレベルの言葉を増やすことができます。
しかし、本を読むだけで意味を理解するには、絵とリンクしている言葉が多くて、ある言葉をいろいろな使い方をしている沢山の絵本が必要になります。そういった絵本を揃えることが大変ですし、どれほどあるのでしょうか?
また、②のレベルで100%意味を理解できる絵本は、無いのではないでしょうか。
そうすると、言葉の意味を知るには辞書を引くか、人に聞くしか無いです。
ただ、多読のルールで辞書を引かないというのがあり、一人で多読していると永遠にわからないことになります。
そのため、一人の場合は辞書もOKとしましょう。この時、絵から推察できない言葉は、全てを辞書で引くことになります。
これが苦にならない人には、多読を進めることが出来るかもしれないですが、一般的には嫌になるかなと思います。
これが、自分よりレベルの高い人がいて、聞いて理解できるのであれば負担が減ります。
また、聞くという行為が入る場合、文字を指差して「これ何?」と聞くこともあるでしょうが、文字を声に出して聞きませんか?
すると、読み方もわかるし、目からだけでなく耳からも入ってくるので、より深く記憶されるように思います。
こうやって、多読を続けてきて10ヶ月近く経ち、易しい本から1冊まるまる意味がわからない本も含め100冊読みました。
開始時点では④のパッと見で理解できる言葉が皆無だった状態から、幾つか分かるものができましたし、知っている言葉も確実に増えてます。
まだまだ、知らない言葉だらけですが。
最近、④を増やすには、ほとんど④の中に数語だけ③がある状態の本を多く読む必要があるということを教わり、以前にも読んだことのある本も含め、易しい本を多く読むようにし始めました。
まだまだ④の言葉は少ないのですが、③の知っている言葉が増えていることを確認できましたし、そのおかげで知らない言葉も文脈から推測できる物もありました。この推測できた言葉が、いろいろな使われ方をしている本をたくさん読めば、意味を理解できる言葉として定着するのでしょう。
ほとんど意味を理解できない本は、絵を楽しむしかないのですが、ある程度意味が理解できて、推測が合っていたりすると、少しずつではあるけど実力がついてきてるいることを実感できるし、楽しくなりますね。
また、仲間の話が少し理解できて反応すると、相手も楽しそうに応答してくれたり、気分が良くなるようなことを言ってくれたりして、ますます楽しくなります。
このように考えると、多読をするには環境がとても重要なことがわかります。
多読は継続しないと力がつきません。継続するには、楽しくないと長続きしません。楽しくやるには、各レベルごとに楽しく読める絵本が沢山あって、一緒に楽しく向上していく仲間がいることが更に重要なように思います。
入門者における多読とは、楽しむことだと思います。
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しげるさんの読書記録用紙(1枚目)と、初めて会にいらしたときに読んだ絵本を紹介します。
記録用紙の感想も、去年の7月は日本語で書かれていましたが、今では「재밌다」などの韓国語や、「에가 예쁘다(絵がきれい)」、「호보 와카루(ほぼわかる)」などのハングル日本語!も登場しています。
写真 (1)
『달님 안녕』                 『나도나도』
3 images
『무슨 맛일까?』                 『금붕어가 달아나네』
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『저리 비켜』
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