2月22日第18回「多読のためのリライト講座」報告

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2月22日(日)第18回「多読のためのリライト講座」を行いました。
その前に、ちょっと報告。
21日(土)に、国立国語研究所で「語彙読解システムの開発~日本語教育における多読~」という講演会に行ってきました。7,8年前までは、「多読って何?」だったのが、「日本語教育における多読」です。そこまで認知された?!どんな話なんだろうと興味津々でした。
http://www.ninjal.ac.jp/event/specialists/project-meeting/m-2014/20150221-sympo/

まず、講演のレジュメを開いてびっくりというか苦笑?
「日本語教育における多読の現状」の項に「NPO多言語多読『レベル別日本語多読ライブラリー」など←孤軍奮闘」とあったのです(よくご存じで・・・)。
講演内容は、タイトル通り、さまざまな語彙、トピックを入れた読みものをたくさん作ろう、そのためのシステムを構築しようという話でした。目的は「付随的/体系的語彙学習」。私たちの考える「多読」とはだいぶ違うようでした。日本語多読もいろいろな多読が出てくるまでになったんだ~と感慨深いものがありました。
それでも、「多読」を意識して、読みものがたくさん作られる、それも私たちが手をつけていないトピックの読みものがたくさん書かれるというのは大歓迎!魅力的な読みものがたくさん作られていきますように。
(会場にはNPO多言語多読の英語多読講座の現役受講生や、電通大のだれでも多読参加者、大阪で多読授業をやっている先生など知り合いにたくさん会えたのも楽しかった!)

さて、本題です。
「多読のためのリライト講座」の参加者は7名。
大学の日本語の先生が4人。日本語学校他が3人。
リライトして読みものを増やしたいという先生と多読授業のやり方に興味のある先生と半々に分かれました。
ミャンマーの先生は、日本での研修中に多読に出会い、帰国したら多読授業をするつもりだとおっしゃっていました。
講座では、まず、私たちの考える多読、というか言葉の習得を私たちがどう考えているかについて時間をとってお話ししました。次にそれを実現する読み方のルール。教師の役割。
語彙や文法を覚えれば読めるのか、いや、そうではないのではないかという話は毎回するのですが、みなさんどう思われたでしょうか。反論、あったと思うのですが・・・。
英語多読もちょっぴり体験してもらって午前中は終了。
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(絵でわかっても辞書引きたい!と正直な感想を漏らす先生も。)

午後は、二つのリライトを体験していただきました。
ひとつは「ウサギとカメ」
二つのグループに分かれました。両方ともレベル0で作っていました。
完成度は両チームとも高かったです。
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次に「注文の多い料理店」
短時間だったので、難しかったと思いますが、原文の良さを残し、どこを簡単にするかみなさん慎重に考えていらっしゃいました。身勝手な都会から来た狩人という人物像がよく出ていました。

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短時間での体験でしたし、ストーリーではないリライトに興味があるという先生もいらっしゃった中、このリライト経験が何かヒントになったらいいなと思っています。

講座修了後のこと、なんと!ある先生が、自作の読みものをそっと取り出して置いていかれました。すでにいくつも作っていらっしゃったんですね! また、地方の大学にいるけれど読みもの作成チームに参加できるか聞いてくださった先生もいて、仲間が広がる手応えを感じました。

次回は3月22日(日)です。ぜひ、ご参加下さい!
(粟野)