11月23日 第17回「多読のためのリライト講座」報告

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11月23日(日)「多読のためのリライト講座」

風邪の季節到来か2人の方が具合が悪く欠席、参加者3人。ちょっとさびしくもこじんまりと楽しい講座になりました。
まず、Aさん。大学で今回担入門期に近い初級クラスを担当したので、なんとか楽しく読んでもらおうと多読授業を始めたそうです。絵本や市販本にも興味があり、また養成講座も担当しているのでリライトのこつを掴んだら、養成講座でもそんなワークショップができないかと思っているとのこと。
Bさんは、元高校教師。これから日本語教師養成講座にも通う予定、将来はアジアからの介護師、看護師養成学校やその支援機関で日本語を教えたい、もともと本や絵本読み聞かせに興味がある、とおっしゃっていました。
Cさんは、日本語学校の先生。非漢字圏、特にベトナムの学生がちょっと長いものを読んだり、漢字を練習させようとしても興味を示さず困っていたところ、試しに「よむ よむ文庫」を読ませてみたら嫌がらず読んだ。漢字も、その読んだ本のルビをとって読ませてみたらそれも嫌がらずに覚えて読んだそうです。そこで、もっと読 むことから書くことへもつながる方法を模索したくて参加したとのことです。

多読とはどういうことかという話をすると、Bさんが、言葉を学ぶのに本がいっぱいある環境は基本だと思う、文法だけじゃないという考え方がとてもうれしい、と目を輝かせて発言されたのが印象的でした。

その後、みなさんに多読授業入門のDVDを見ていただきました。
英語多読体験の時間には、Bさんが、字のない絵本を楽しみ、こんなにやさしいのに知らない言葉があった(cross)。でも何回も出てきたのでなんとなく嫌なことに遭遇したときに使うのかなとおっしゃいました。Cさんは、「わからない言葉に1回しか遭遇しなかったとき、やはり辞書をひいてすっきりしたくなります」。

午後のリライト体験は、一人ずつ取り組みました。
始めは「ウサギとカメ」
ここで驚いたのが、3人とも文型や語彙表をいっさい見ないでリライトしたこと!!
・すらすらと上手に絵を描いて文をのせていくAさんはレベル0で。
・とてもシンプルなイラストで大胆にすすめていくBさんはレベル2で。
・Cさんは、レベル1で。困ったと言いながら、うさぎの表情をがんばって描いたり、言葉選びにも最後まで苦労なさっていました。
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次に芥川龍之介の「蜘蛛の糸」
・挿絵と構成をきちんと最初に決めてどんどん書いて行くAさんは、レベル3で。
・レベルは書き始めないとなんだかよくわからいからとレベル不明のまま構成を考えていくBさん。本人はレベル3のつもり。でも出来上がったものは、とてもシンプルにカンダタの事件として短くまとめたものでした。
・Cさんは、原文の味を残したいとのことで、レベル4で文学的な作品にリライトしました。

「自分のクラスや学生にあった多読のやりかたを考えていきたい」「とてもいい経験になった。多読は自分にとてもぴったりくる考え方なので、日本語支援に生かしていきたい」などとみなさん、感想をおっしゃっていました。

次回は2015年2月22日(日)です。どうぞよろしく!

(川本)