6月22日第15回「多読のためのリライト講座」

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6月22日(日)10時半~16時半 第15回「多読のためのリライト講座」を開催しました。
参加者が少なくて開催が危ぶまれましたが、間際に申し込みがあり、3名で決行!

参加者は、多読クラブをまず作ってみて、それから正規授業へと考えているアメリカの大学の先生、多読について全く知らないという日本語学校の先生、ロシアで「よむよむ文庫」を使ったことがあるが、今ひとつどうやって使うものなのかわからない、という先生の3名。

教師のお仕着せでなく、読みたいものを読むのが「読む」ということ、文法と語彙を知っているから読めるのではない、多読では、教師は学習者に寄り添う、一方的に教えることはしない、サポーターに徹する、という話をしました。みなさんに共感していただけましたが、さて、「学校」の中で、教師としてどうするべきか、となると難しい部分もありそうでした。まず、評価をどうするか。あるいは従来の「読解」授業をどうこなすか。あるいは、どうやらずにすませるか・・・。
長い間、学校という枠の中では、教師は複数の学生をいっせいにどう効率よく教えるか、を考えてきたし、読めない外国語は、まず語彙と文法で攻略?というのが当たり前のようになっていたので、多読授業は当然しそこにはフィットしないわけです。
まずはささやかに始めて、学習者の変化に注目してもらうしかないのかも・・・。

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午後のリライトは、「アリとキリギリス」。絵は苦手、といっていたみなさんが、だんだん、文に合わせて楽しそうに絵を描き始めたのが印象的でした。絵であらわす場面をまず考えて、それに字を加えていく。最後に字数を数えたら330字程度のちょうどいい分量のレベル0ができあがりました。
次に「蜘蛛の糸」をレベル3に。語彙表にかなり忠実にリライトが進みました。
このようなリライト作業をすることで、多読向けの本への理解、本の選択がしやすくなるのでは、と思います。
短時間の体験でしたが、「言葉をそぎ落とす作業がとても面白かった」「普段は、試験用にいかに文法や語彙を詰め込んで、難しく書くかを考えて作るのに、これは逆なんですね~」などの感想が出ました。
楽しかった!と思われた方は、ぜひ、読みもの作成会へ参加してくださいということで終了。

授業の進め方など具体的なことはまだまだ語り尽くせませんでしたが、これを機会に多読へ1歩、近づいてもらえたらうれしいです。
(粟野)