1月18日 愛知県知多市立図書館で多読講演!

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愛知県知多市中央図書館は公立図書館としては日本一の多読環境を
備えています。多読図書2000冊を見やすく展示、資料や記録帳も用意してあって、
なんと多読講演会を毎年4回開いている!

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きのう集まってくださったのは45名のみなさん。
みなさん熱心に聞いてくださって、「今年もわたしの新年の抱負は
声を小さくすること、です」と言って始まったものの、たちまちいつものように
声を張り上げていました。みなさんんが熱心に聞いてくださったので、
釣られてしまったのでしょうね。(というのはいかにも a poor excuse)

講演の題は「酒井先生に聞こう!英文多読ステップアップへの道」だったので、
すでに多読を始めている人たちに、停滞している場合に(かなり多い様子)
どうして抜け出すか? という助言をしました。

停滞の原因はだいたい決まっていて、むずかしい本を読みすぎたか、
「正しい理解で」ということを気にしすぎか、絵本の絵に親しみ方が足りないか、
だと思われます。

実際、それぞれの人に聞いてみるとやはりそういう原因があると思われたので、
三つの対策が出ました。

*しばらくの間、多読をお休みしましょう!
*絵本に戻りましょう。
*(絵本に戻るのはプライドが許さない場合は)いま読んでいるレベルから、
少しずつやさしい本へ下げていきましょう。
(これは豊田高専の西澤さんが実際にあるペーパーバック読みの男性にした
助言で、その人は3年かかって絵本まで戻ったそうです!)

停滞の原因は楽しめていないことであり、楽しめていない原因は
読んでいる文字から映像を頭に思い浮かべられないからだと考えられます。
今回わたしの表現では、

ことばは白い紙の上に印刷した黒い活字ではない!

ということになります。

そして、むずかしい本をやさしく読むには映像を思い浮かべる必要があり、
映像を思い浮かべるには、絵本や、(もし絵本が手に入らなければ)
mangaや映画やドラマや実体験で、たっぷり

ことばと場面と気持ち

を一緒に吸収しましょうと提案しました。

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そこで、絵をしっかり見てもらうために、みなさんにOxford Reading Tree の
Stage 1、 1+、2 を手にとってもらって、メガネや骨やおじさんを探して
もらいました。
(メガネに気がついている人はほとんどいませんでした。これまでのわたしの
講演が力不足でした。)

それから Oh, no. や cross を探してもらって、
「やさしい絵本」がいかに栄養に富んでいるか、だからこそもう一度
じっくり絵を見る価値があると力説したのでした。

時間が足りませんでしたが、多読を続けた結果、どれほど世界が広がるか、
という話を最後にして、そのために知多市立中央図書館が手本になって、
各地の図書館が多読のセンターになりますようにと願って、終わりました。

例によって愛知県、岐阜県の多読仲間が応援に駆けつけてくれて、
講演の真ん中で質疑応答に参加してくださったり、講演後も1時間以上、
参加者の質問に答えてくださいました。みなさん、ありがとう!